ENo.0614　ルーチェ・アーミスト

一仕事終えた後、共に戦ったメンバーとしばしの余韻に浸る。
ハイドラライダーの仕事にも大分溶け込んできたルーチェは、戦闘のすぐ後でも笑顔を見せられるだけの余裕が出てきた。
それに加え、今回はいつもより調子が良く、散々敵陣を撹乱してやった。
死者すら出かねない仕事でこう言うのは聞こえが悪いが、とても気分が良かった。

「この感覚しっかり記憶して次からの立ち回りに活かさなきゃね！あんまり目立てない役回りだけど、仲間が動きやすくなるかどうかが掛かってるんだから」

もう次の意気込みすら入れている。
しかし同時に、頭の中では責任感も芽生えていた。
今ルーチェ自身が言った通り、自分の役回りは味方の動きに影響する。
調子に乗って被害を被るのは自分だけでは無いのだと、今回自分が周りに与えた影響は教えてくれた。

・・・

今回もアセンブルを手伝ってくれたセイランに礼を言おうと探し回っている時だった。
なにやら人集りが出来ているのを見つける。
その中にセイランの姿も発見し、ルーチェは彼女へ駆け寄った。

「セイラン、これなに？」

「ああ、ルーチェ。まだ説明していなかったか。優秀な戦果を収めた者はランキングに載る。それの確認だ」

「ランキング？」

背伸びして様子を見てみるとボードに紙が貼ってある。
どうやらそこに名前が載せられているらしい。

「私は一通り見てきた。興味があるなら......君は支援戦果の欄を見てくるといい」

「支援戦果？ってあ！セイラン！？」

先の方を見ている間にセイランはどこかへ行ってしまっていた。
あの身長でどうやって見たのだろうか？
コツがあるなら知りたいものだ。
それに礼を言いそびれてしまった。

「もー、相変わらずだなぁ......」

仕方が無いので言われた通り支援戦果のランキング上位者を見るためにゆっくりと列が進むのを待つ。
見える範囲まで辿り着くのには四十分を要した。

「えーっと、ボーダーラインが30位で......ん？」

──見間違いだろうか......？今確か......。

自分の名前を見付けた気がして再び下から並ぶ名を読み返す。

「......あった！」

今度は間違いない。26位......私の名前だ。
どれくらい凄いことなのかは分からない。
だが、まだライダーになってそう経たない私は心の奥底から喜びが込み上げていた。
しかしここで一つ引っ掛かることに気がついた。

「......ちょっと待って、さっきセイラン一通り見てきたって......」

そう、更に支援戦果を見てくるといいと言ったのも彼女だ。
つまり......。

「あー！！セイラン知ってたのに私に並ばせたなー！？」

四十分の時間を無駄にした私は礼など忘れてセイランを再び探すのだった。
友達のような悪戯を、少し嬉しくも思いつつ。

残像領域のどこかの町にある、行き場のない者の寄り合い所。運営は気まぐれ。
利用・改築自由の集合住宅。2LDKの5階建て。
管理者に御用の方は、3階の角部屋まで。

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ユニオン活動：現在は制御*5
ユニオン購入：経験値+1、またはAP+10%