第34週目 リビー・ニエロの一週間
霊障見舞金として500cの資金が送られました
◆日記
携帯端末のアラームが鳴ってリビーは飛び起きた。
なぜならこのアラーム音は《モンテズマとの専用通信回線》にのみ設定している音階であり、その音階が己の就寝中と判断される時間帯に鳴ったことなど、これまでただの一度もなかったからだ。
即応体制に慣れた体は『通常と異なる事態』に対し鋭敏に反応した。薄暗い中、目を閉じたままでも操作できる端末を引っ掴み、受信キーを押す。
「なんだ」
【リビーさん、起きていますか?】
「今起きた。何かあったか」
【夜中に申し訳ありません。至急、リオのところまで来て頂けませんか】
リビーは密かに息を呑んだ。
モンテズマの声には、まるで『人のような』苦渋が滲んでいた。
【リオは今、過去の記憶に苦しんでいます。厳密にはリオのものではないのですが、彼はそれを自身のものとして追体験してしまいました】
告げられた内容を最初の読点まで聞いた時点で、リビーは端末をスピーカーモードにして放り、素早く動き出した。
散らばっていた衣服を身に付け、ジャケットを羽織り、床に転がるブーツに足を突っ込む。ガレージの中が寒い。外は一層冷えているだろう。夜中の三時過ぎだ。しかし今はこれ以上の防寒具を用意している時間が惜しい。マットレスにかかっていた毛布を剥いで頭から被る。ぐるりと体に巻きつけながら、リビーは思わず舌打ちした。
「最近のリオの様子、原因はそれ絡みか」
【黙っていて申し訳ありません。リオに口止めされていたこともありましたが、私自身、どこまでお話するべきか、考えあぐねてしまっていました】
苦い口調のままモンテズマが説明を始める。
【バイオスフェア戦以降、リオの記憶野のロックが緩み始めていました。結果、彼は生身の頃の記憶を睡眠中に追体験する様になってしまった。その中にはリオが父の失脚に巻き込まれて改造されるまでの経緯も、改造後に残像領域に来るまでに従事した任務の情報も含まれている。わざわざロックをかける以上、それらがろくでもないものであったことは想像に難くありません】
事前に伝えられていなかったことに対し思うところはないが——何せ極めてデリケートな問題だ——、リオの様子からして、『追体験』が始まって以降、どんどん状態が悪くなっていったのは簡単に察しがついた。そして件の記憶の内容とやらを予想し、もう一度舌打ちする。
【……私には、声をかけることしかできません。私の『体』では彼を助け起こしてやることも、背中を撫でてやることも、寄り添うことすらも叶いません】
おそらく《彼》は、それができたなら、何をおいてでもそうしたのだろう。
しかし《彼》にはそれができない。
リビーのようなものに頼るしかない《彼》に憐憫を覚えた。
しかし今はとにかく、リオだ。
モンテズマの様子からして、一刻を争う事態であることは間違いない。リビーは最低限の身支度を整えると端末を掴んで駆け出した。広いガレージに虚ろな足音が響く。
【だから、ご無理を承知でお願いします。リオの側にいてやってください。あなたがいて下さったら、彼も安心します】
「もうそっちに向かってる。鍵を開けておけ」
端末越しからでも感じるモンテズマの様子も気になった。
かの存在が、これほど動揺をあらわにしたことは今までない。
「お前まで揺らぐな。モンテズマ。お前の体とお前の魂がそばにあるってだけで、リオは安心する。俺が請け合う」
【そう、でしょうか。私は、機械なのに……】
「すぐ行く。待ってろ」
【……ありがとうございます。リオを、お願いします】
ーーーーーーーーーーーーー
隣だというのに恐ろしく遠く感じた道のりを駆けて、リビーはリオのガレージに飛び込んだ。
そのままパーテーションで区切られている居住スペースに走りこむと、引き攣った声を漏らしながら床に蹲る塊がある。
「リオ!!」
駆け寄るリビーに気づいたのか、塊が——リオが、びくりと震えた。起き上がろうとしたのか僅かにもがき、叶わずに崩れ落ちる。ぐちゃりと濡れた音が小さく響いた。かたわらに膝をつくと吐瀉物の臭いが鼻をつく。気にせずに抱き起こすと、
「……リ、ビー、だめ、だめだ」
弱々しい力でリビーの手を押すリオの手は、ぶるぶると震えていた。
「だめだ、あなたも汚れてしまう」
涙声でそんなことを言いながら体を離そうとするリオの力は、話にならないほど弱い。
構わず抱き起こして顔を覗き込むと、そこは予想通り涙と鼻水と吐いたものと血で汚れていた。
「大丈夫だ、リオ、大丈夫」
目の届く範囲にタオルはない。リビーは片手を伸ばし、後ろのベッドにかかったシーツの端を掴むと、力任せに引き剥がした。布が裂ける音がしたが構ってはいられない。
大きく裂けたシーツ切れでリオの顔を拭い、呼吸を妨げるものがないか確認する。口の中には胃液と血だけだ。鼻水と涙は仕方がない。そして顔中の引っかき傷が壮絶だ。浅いとはいえ数が多い。
拭いている最中も、リオはうわごとのように「だめだった、だめだったんだ」「おれは汚い」「なにもできなかった」と吐き出し続け、痙攣のように身を震わせては、嘔吐した。
「リオ、大丈夫だ。怖いことなんか、何もない」
「おれのせいだ」
「お前のせいじゃない」
「ごめんなさい」
「大丈夫、大丈夫だ」
「父さんに、頼まれたのに」
「夢だ。全部夢だ。幻なんだ」
重い体をぐっと抱き起こし、汚れた顔をできるだけ綺麗にする。その間もリオの口からは懺悔のような言葉しか出ない。そして懺悔の合間に「痛い」「機械のくせに」「どうして」と繰り返す。
ベッドに上げてやりたいが、いかんせんリオの体重は100kgを超えている。いくらリビーが体格の割に腕力がある男とはいえ、体をガチガチに強張らせて疼くまるリオをベッドの高さまで持ち上げるのは難しかった。せめて床に飛び散り水たまりを作る吐瀉物に塗れないよう、リオの脇に腕を入れて引き寄せるように引き摺り、なんとか僅かに移動する。
「大丈夫だ。怖くない」
「あの子達をあんな目に」
「リオ、聞こえるか」
「おれだけでよかったのに」
「リオ、大丈夫だ」
「ごめんなさい」
「大丈夫だ」
「おれは」
床に転がっていたのと嘔吐のせいで、リオの体温がひどく下がっている。舌打ちしたい気持ちをかみ殺して、リビーは羽織ってきた毛布を脱ぐと、リオに巻き付けしっかりと包んだ。これ以上体を冷やすわけには行かない。
毛布に包まれた瞬間、リオがはっと顔を上げた。リビーを見て、毛布を見て、悲鳴のような声を上げる。
「こめんなさい」
「リオ」
「こんなに寒いのに」
「大丈夫だ、寒くないから」
必死にもがいて抜け出そうとするので、リビーはがっちりと腕を回し巻き付けた毛布がずれないように力を込めた。抜け出ることが叶わないと知るとリオはさらに狂乱し、またしても顔を掻き毟ろうとする。——まるで、自分自身に罰を与えているかのようだ。
自傷を防ぐため、必死に動くリオの手を問答無用で毛布の中にしまいこみ、リビーはその上から、ぎゅうう、と腕に力を込めた。
「大丈夫だ、リオ」
「おれのせいだ」
「お前のせいじゃない」
「だって、だっておれは」
「大丈夫だ」
「でも」
腕の中にいる存在が酷く弱々しく思えて、リビーは目眩がした。
寒いのがいけない。
寒いと小さいものから死んでいく。
寒いと弱いものから死んでいく。
抱きしめた腕の中から。
掬おうとした指の間から。
小さなものが、か弱いものが、幼いものが、——全てが、こぼれてゆく。
(そんなこと、これ以上、絶対に、許さない)
「守ってやる、大丈夫」
そうだ、守ってやる。俺が。俺は。俺が。
リオのつぶやきがはたりと止まった。
紫の宝石のような目を見開き、呆然とした表情でリビーを見上げてくる。目の縁に新しい涙がどんどん盛り上がり、ぽろぽろと溢れていることにも、全く気づいていないようだった。
「大丈夫だ、怖いことなんかない」
「だめ、だめだ、あなたは」
「大丈夫」
「あなたには、あのひとが」
「リオ」
「おれは守れなかったから、今度こそ、ちゃんと、あなたを」
「大丈夫」
がっちりと抱きすくめたまま声をかけ続けていると、リオの抵抗が弱まって行く。
呼吸はまだ荒いし、ぐすぐすと引き攣るような泣き声も収まっていないが、肩に額を寄せてうつむくリオの横顔は、先ほどの狂乱状態と比べればずいぶん落ち着いている。
リオはそのまま、ひとしきり泣き続けた。
なんて儚いのだろうと思いながら、リビーはただ、腕に力を込めていた。
NEWS
本日のニュースです企業連盟解体と共に分社化した霧笛の塔関係者が、一夜にして失踪する事件が起きました詳しく調査したところ、失踪した関係者の身元が偽造データばかりで、そもそも存在していたのか怪しいことになっております
企業連盟によって乗っ取られたはずの霧笛の塔は、何者かによってさらにリセットされたとの見方もあります
この状況下で大きく行動に出たということは、何らかの……
![]() | 辺境のレジスタンス『ルオシュ』からのメッセージ 「ルオシュだ。いくつかの勢力と話がまとまってきた。霜の巨人への攻撃だ。3週間後を予定している」 |
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![]() | 辺境のレジスタンス『ルオシュ』からのメッセージ 「バルーナスは釈放した。バルーナスも、つてを頼って自前の部隊で参戦するらしい。仲間は少しでも多い方がいい」 |
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![]() | 辺境のレジスタンス『ルオシュ』からのメッセージ 「この戦いが何を意味するのか。メフィルクライアを倒すということは……アンビエント・ユニットを破壊するということだ」 |
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![]() | 辺境のレジスタンス『ルオシュ』からのメッセージ 「それは、この世界の維持を破壊するということに他ならない。霧の維持さえ崩壊し、青空が現れ、発芽が始まる……世界の終わりが来る」 |
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![]() | 辺境のレジスタンス『ルオシュ』からのメッセージ 「維持に身を委ねて、生命権を握られたままの姿が正しいとは思わない。ただ、俺たちのしていることは……世界を崩壊に……俺は、迷っているのかもしれない」 |
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![]() | メルサリアからのメッセージ 「ユニット連動システムの実証を始める。試しに、乗機にグリスター・ユニットとアンセトルド・ユニットを搭載した」 |
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![]() | メルサリアからのメッセージ 「わたしも霜の巨人への攻撃に参戦する。楽しみだよ。メフィルクライアの驚く顔が目に浮かぶようだ」 |
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![]() | メルサリアからのメッセージ 「わたしの夢は、腐ってなんかいなかった。わたしは、今ようやく完成しようとしているんだ」 |
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![]() | メルサリアからのメッセージ 「1000年生きていて、無駄な日など一日などなかった。すべては来るべき日のために、すべて……」 |
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![]() | メフィルクライア 「おはようございます。メフィルクライアです」 |
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![]() | メフィルクライア 「禁忌について、少し話をしましょう。禁忌は恐るべき超常の力の果てに生まれた力です」 |
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![]() | メフィルクライア 「無数のユニットが存在していました。そのユニットを組み合わせて、作られた神話の要塞……それが禁忌です」 |
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![]() | メフィルクライア 「ヒルコはアルラウネ・ユニットを復活させるようですね。正直、その程度の力では、霜の巨人には敵わないでしょう」 |
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![]() | メフィルクライア 「アルラウネは死より生まれる花。成長する花。ただ大きく育つだけの植物です」 |
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![]() | ヒルコ教団の神聖巫女『ヒルコ』からのメッセージ 「いいえ、わたしはアルラウネを完全にコントロールできる。力は新しいものに更新されるものではなく、全ては輪廻だから」 |
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![]() | メフィルクライア 「通信に割り込んできましたね。いいでしょう、1000年前の勝負の続きです」 |
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![]() | メフィルクライア 「あの時、ドゥルガーであなたの要塞を叩き潰したように……今度は霜の巨人で、同じようにするだけです」 |
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![]() | 連盟残党の指導者『バルーナス』からのメッセージ 「私だ。ハイドラ大隊の諸君。元気かね。各地から私の支持者を頼って、ようやくそれなりの部隊を結成することができた」 |
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![]() | 連盟残党の指導者『バルーナス』からのメッセージ 「霜の巨人まで力を温存する。いまは、君たちを陰ながら応援させてもらうよ」 |
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![]() | 連盟残党の指導者『バルーナス』からのメッセージ 「君は、新しい世界を作るだろう。私には、できないことだ。私に世界を握る資格はなかったな……だが、君たちなら、きっと……」 |
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![]() | コロッセオ・レギュレータ社の広報『シェフィル』からのメッセージ 「こんにちは! コロッセオ・レギュレータ社の広報、シェフィルです!」 |
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![]() | コロッセオ・レギュレータ社の広報『シェフィル』からのメッセージ 「コロッセオ最終開催のエキシビジョンが行われます。奮ってご参加ください! 特別に最初から12000c分ベットされている特別コロッセオです!」 |
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![]() | 少女のような謎の声の混線 「ルオシュ、強さを……信じて。あなたは負けない。未知なる恐怖に。未来の不安に。そして、失うことに……あなたは、強いから」 |
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◆訓練
格闘の訓練をしました経験値が足りない
格闘の訓練をしました経験値が足りない
格闘の訓練をしました経験値が足りない
格闘の訓練をしました経験値が足りない
格闘の訓練をしました経験値が足りない
◆破棄
リビーは反動吸収機構52を破棄した!!
100c相当の資材を手に入れた
100c相当の資材を手に入れた
リビーは耐反動フレーム52を破棄した!!
100c相当の資材を手に入れた
100c相当の資材を手に入れた
リビーはКрепкий Громを破棄した!!
1289c相当の資材を手に入れた
1289c相当の資材を手に入れた
リビーは操縦棺A『黒豹』を破棄した!!
585c相当の資材を手に入れた
585c相当の資材を手に入れた
◆送品
◆送金
リビーはリオ・B・ミナスジェライスに1252c送金した
◆受品・入金ログ
リオから飛行U:A[ángel]が届いたリオから飛行U:A[ángel]が届いた
◆購入
リビーはLEA-R「リーフィーシーEx」軽量機構を1391cで購入した!!
◆作製
資金を100を投入した!!
作成時補助発動! 薄装!! APが 52 減少!!
作成時発動! 薄装甲!! パーツ重量を -78 修正!!
作成時補助発動! 薄装!! APが 52 減少!!
作成時発動! 薄装甲!! パーツ重量を -78 修正!!
星の渚と星の周を素材にして星の不知火を作製した!!
◆戦闘システム決定
ノーマル に決定!!
◆アセンブル
操縦棺1にミリアサービス式薄装棺『ハイメノプス』を装備した
脚部2に星の黄昏を装備した
スロット3にLEA-R「リーフィーシーEx」軽量機構を装備した
スロット4に星の絢爛を装備した
スロット5に虚無飛行ユニットを装備した
スロット6に星の憂愁を装備した
スロット7にファイヤーバードを装備した
スロット8に飛行U:A[ángel]を装備した
スロット9にdroimarAis:T/M_ver.Cを装備した
スロット10にAABST-13E_AngelCall4を装備した
スロット11にMEB2066-krishldikを装備した
◆パーツ改名
◆パーツアイコン変更
◆僚機設定
リオ・B・ミナスジェライスとバディを結成した!!
◆意思表示設定
意志設定……生存優先
◆ミッション
ミッション設定……ミッションC
バルーナスからの信用……♥♥♥
ユニオン活動
ガレージの活動記録
リビーが『黒金乱眼』を置いている格納ガレージ。
薄暗いガレージの隅には古いマットレスと毛布、多少の荷物が無造作に転がっており、ここで寝起きしているようだ。
ガレージの中央に鎮座するのは『黒金乱眼』。
機体が置いてある部分はきちんと照明や整備機器、および簡易のテーブルと椅子があるが、それ以外はがらんとしていて薄暗い。
【ユニオン基本】
・格闘上げ+ロールプレイ舞台。
情景描写のお供にどうぞ。
・参加希望の場合はENo.316までメッセージをいただければ次回更新時に随時許可宣言予定。
(メッセージ内の最後に【希望】と入れてくださると分かりやすくて助かります)
未参加のまま、情景を利用したメッセージのみのやりとりも可。
【ユニオン活動】
・格闘
【ユニオン購入】
・機動力+3%
・経験値+1
ユニオン金庫……1000c
利子配当…………100c
格闘の訓練をしました
格闘が1上昇した
格闘の訓練をしました格闘が1上昇した
格闘の訓練をしました格闘が1上昇した
格闘の訓練をしました格闘が1上昇した
格闘の訓練をしました格闘が1上昇した
100c支払い、経験値を1手に入れた
メッセージ
ENo.291からのメッセージ>>
(そう言って、薄っすらと笑みを浮かべた様に見える。
… が、興味はあるようには見えるが詮索はし過ぎない程度に抑えているのか)
(彼が視線を外したのに気付き、こちらも暫し遠い虚空を見詰め…
彼が再び口を開くにあわせ、視線を戻す)
(普段は冷静に見える彼をして、そこまで言わせる程の人物…
少々、偏執的な慕い方をしている気がしないでもないが…
命の恩人である事を差し引いても、それだけの人物なのだろう。
… 引く様な事はせず、むしろ尚更に興味を覚えた様子だ)
(彼の伝え難いだろう気持ちは、解らなくもない。
自身もそこまで、説明が上手い方ではないからだ…)
(やれやれと肩を竦めつつも、楽しみが出来た事には軽く笑って…)
(どこか落ち着かない様子の彼に、信頼のまなざしを向け…
更に落ち着かなくなってしまうかもしれないが)
ENo.315からのメッセージ>>
青年はいつになく申し訳なさそうな顔をしている。
そう言って青年は深く頭を下げた。
困惑した様子で目を逸らす僚機を、じっと見つめる。重ねられた言葉には頷いて、それでも、と呟いた。
ゆっくりと、噛み締めるように言って青年は笑う。
顔には一瞬だけ不安が滲むが、青年はそれを払いのけるよう首を振った。
そして、妹達の話題に表情を緩める。
どうしたものか、と頭を抱えてみせた。
信じるな、と言う僚機をまっすぐに見る。真顔だった表情は、次第に崩れて薄い笑みになった。
あなたには戦場でも日常でも世話になっているのに、と笑う。
そう言って青年は伏せていた目を上げた。口を噤んでいる僚機の様子を伺っている。
僚機の声に滲む憎しみに何か呼び起こされたのか、青年は幾らか暗い笑みを浮かべて呟いた。不条理が渦巻いている事は承知しているが、それでも、自分の大事な人に降りかかるそれを「仕方がない」と思えるほど青年は成熟していない。
残像領域とはまた種類の違う緊張がそこにはあるのだろうと、青年はため息をつく。そして「ああ、そうだ」と言って続けた。
![]() | ゼン 「… … だな。 戦時中でさえなけりゃ、もっとマシな選択肢は幾らでもあるしな。 あァ、便利だよな… 必然的に関わるトコも多くなるし、情報にも事欠かねぇ。 ある意味、戦時下のこの世界の最前線つっても過言じゃねぇ。 あァ、解ってるぜ。それだけの戦果を叩きだしてんだ、十分だろ。 … 『用事』か。やっぱそいつは、任務的なモンなのか? … … それとも、もしかしたら個人的なモン… なのかもなァ」 |
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… が、興味はあるようには見えるが詮索はし過ぎない程度に抑えているのか)
![]() | ゼン 「… 珍しい、か。 こっちじゃ…確かに猫だの狐だの、その辺のがよく見るかもな。 リビーさんの世界じゃ、どうかはしらねぇが… まァ、口ぶりからすりゃ珍しいんだろう。 おうよ… まァな。 もう一度位は話してぇと思う、それ位の出会いじゃあるさ。 今のオレなら、もう少しちゃんと話せるかもしれねぇし… な。 … ま、無理なもんは無理だ。つまらねぇ話をしちまったな、悪ぃ」 |
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彼が再び口を開くにあわせ、視線を戻す)
![]() | ゼン 「ほー… エルフは、そっちでも珍しいんだな。 神出鬼没の種族… ってヤツか。不思議な種族だな、面白ぇ… … … リビーさんをして、そこまで慕われる上官さんかァ。 そんなに魅力的なら、思わずオレも会ってみたくなっちまうなァ…!」 |
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少々、偏執的な慕い方をしている気がしないでもないが…
命の恩人である事を差し引いても、それだけの人物なのだろう。
… 引く様な事はせず、むしろ尚更に興味を覚えた様子だ)
![]() | ゼン 「良けりゃ、その辺のエピソードも聞いてみたい所だなァ… … ほぉ、そこまでゴツゴツじゃねぇ… ツルツルか? マネキンみてぇな…?? そうか、繊維のヤツはアンタでもよくわかんねぇのか… … 粘液で繊維? そいつはスゲェな、色々重宝もするんじゃねぇか? …まァ、意思疎通が余裕ならだけどよ。 スゲェもんだなァ… 実際マジで見てみてぇよ、その上官さんといい」 |
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自身もそこまで、説明が上手い方ではないからだ…)
![]() | ゼン 「おう、竜だな。つっても、オレはその端くれっつーか亜種の『竜人』なんだがよ。 … やっぱりな、話を聞いてそうなんじゃねぇかと思ったぜ。 ほー… 種族差がほぼねぇってトコ以外は、リビーさんとこも似てるかもな。 … そんなら、その内そっちにも遊びに行ってみてぇと思うぜ。 … ま、それにゃまずは…『こっちの問題』を片付けるか逃げなきゃしなきゃなんねぇがよ」 |
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![]() | ゼン 「リビーさんが、それだけ経験豊富な兵士って事だぜ。 オレも、ちょっとでも話が出来るヤツがいて助かってるからな」 |
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更に落ち着かなくなってしまうかもしれないが)
![]() | ゼン 「… … な? 何か、ワケのわかんねぇくらい壮絶だろ…? だが、信じてくれて… っつーか、そういうモンが有り得るモンだって認識してくれるのはありがてぇ。 大抵のヤツは、一笑に付すかもしれねぇからな。 … やっぱ自我に関わるよな。 まァ、元のヤツとは別モンとして見てるが… 経過を見るしかねぇか、兄のつもりでよ…?」 |
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![]() | リオ 「……この前は、夜中に叩き起こしてしまってすまなかった。もう大丈夫だから、安心してくれ」 |
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困惑した様子で目を逸らす僚機を、じっと見つめる。重ねられた言葉には頷いて、それでも、と呟いた。
![]() | リオ 「……それでも、おれにはあなたが流星に見えるよ」 |
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![]() | リオ 「HCS規格にさえ合えば使えてしまう、というのも妙な話だ。汎用性が高いから、残像領域に面している他の世界でも技術研究がされていたりもするんだろうけれど……」 |
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![]() | リオ 「接続端子を『首』と表現しているのも不気味ではある。語源を考えると尚更だ。霧を……水分子を使うからかもしれないが、九つの首とするならどこぞの神話の化け物だしな」 |
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そして、妹達の話題に表情を緩める。
![]() | リオ 「うん、ありがとう。二人とも、不満も言わずによくやってくれてる。どうにも頼りない兄で申し訳ないぐらいだ」 |
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![]() | リオ 「確かに営業をしているとコネクションの重要性は痛感するな……しかしその、皆はどうやって、色んな人と接点を持っているんだろう。おれはどうにも、新しい集団に入っていくのが苦手みたいで」 |
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信じるな、と言う僚機をまっすぐに見る。真顔だった表情は、次第に崩れて薄い笑みになった。
![]() | リオ 「……すまないが、それは無理な相談だ。もう八ヶ月間、おれはあなたと一緒に戦ってきた。その間におれが見てきたあなたの戦いぶりは十分信頼に値するし、それに……こんなに長いこと一緒に組んできた僚機を、今更『信用しない』なんて、おれにはできないよ」 |
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![]() | リオ 「うーん、弱肉強食の摂理は形を変えて蔓延している訳だ。おれは他人を蹴落としてまでいい思いをしたいとは思わないけれど、最低限を手に入れるにも力が必要なのは、つらいものがあるな……」 |
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![]() | リオ 「『自由』、そうだな、そうだと思う。でもおれの『自由』にあなたを巻き込んでしまうのなら、おれはあなたの意志を聞いておきたかったんだ。あなたの迷惑になるような『自由』を、おれは行使したくない」 |
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![]() | リオ 「都合のいい時だけ危険な仕事をやらせて、平時は厄介者扱いか。自分たちには関係がない世界だと思っているんだろうな。想像がつくよ、汚れどころは他人にやらせておいて、持ち上げる時だけ持ち上げて、自分は安全なところから罵声だけ浴びせてくるタイプの連中だ」 |
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![]() | リオ 「……安易に『分かる』とは言いたくないけれど、あえて言う。あなたの気持ちはもっともだ。そんな奴らに大事な人をあれこれ言われたら、おれだったら、燃やしてやりたいと思ってしまう」 |
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![]() | リオ 「……ああ、本当に、そんな奴らは燃やしてしまえたらいいのにな。ままならないな……」 |
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![]() | リオ 「黒金乱眼より上に2段階もランクがあるのか? 戦力の幅広さが凄まじいな……それだけの武力を持つ集団を高い士気でまとめ上げているというのなら、あなたの探し人は相当カリスマがある人なんだろう。やっかむ連中が出てきても無理はない。そいつらは、あなた達を恐れてもいるんだろうな。卑怯な連中は怖いものほどあの手この手で排除しようとするものだから……」 |
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![]() | リオ 「これは何度でも言っておくけれど、あなたの腕前も相当だとおれは思っているからな。あなたを侮る奴がいたら、そいつの目は節穴だ」 |
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◆戦闘結果

戦闘報酬
明日の戦場
第23ブロック
鋼鉄のコロッセオ[侵入]
君たちの戦いをダシに賭けを行うようだ。気にせず全力で戦ってほしい。地下通路ステージ、だそうだ
来週の霧濃度:47%
来週の電磁波:199%
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キャラデータ
名前
リビー・ニエロ
愛称
リビー
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プロフィール
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荒れた金髪ツーブロック。 ぎょろついた三白眼。 ぎざっ歯。 痩せぎす。 小柄。 大抵にやにや笑ってる。 あんまり行儀の良くない男。 黒に黒金黒銀の這う鈍色の機体『黒金乱眼』を駆る、電波気味の酔っぱらい。どうやら酒ではないもので酔っている。 『うえーい! いくぜー!!!』 元艦隊エウゲネ所属SK見習い……だった男。 かつて残像領域で消息を絶った上官を今も探している。 上官の話をする時だけは真摯な目をする。 『銀の尾をひき天を翔る、あの人を、俺は、今も、探してる』 ---------- 『黒金乱眼』 黒に黒金黒銀の這う鈍色の機体。 軽二脚の脚。腕はいささか長めで地面に付きそうだが、機体の全長自体は恐らく小柄な部類。 一応、酷く痩せた人型に見えるそれは、まるで、東で言うところの黄泉戦——ヨモツイクサ——。 黒い機体に這う金銀の線描は内部エネルギーの波で自在にその紋様を描き変える。蔓草は繁茂し走査線はグラデーション。エネルギー波が蛇行し煌き、鈍色の機体に華を添える。 ---------- ■感謝 プロフ絵・機体絵・アイコンは、ENo.315 PLさんより頂きました。ありがとうございます! | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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機体データ |
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1 | 飛行ユニットA | 飛行U:A[ángel] [50/薄装甲/薄装甲]《装備:8》 | ▼詳細 |
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2 | 電磁ブレードA | 星の不知火 [52/薄装甲/薄装甲] 火力[4055] 連撃数[1] AP[-104] 防御属性[物理] 防御値[1065] 精度[109] 貯水量[341] 弾数[9999] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[1681] 金額[640] 重量[44] [電子格闘] *作者* |
▼詳細 |
3 | 飛行ユニットA | 虚無飛行ユニット [47/---/---]《装備:5》 | ▼詳細 |
4 | エンジンB | MEB2066-krishldik [46/薄装甲/薄装甲]《装備:11》 | ▼詳細 |
5 | 重ブースターA | droimarAis:T/M_ver.C [49/重圧応力/重圧応力]《装備:9》 | ▼詳細 |
6 | パイルA | 星の燈花 [48/耐火/薄装甲] 火力[4257] 連撃数[1] AP[-48] 防御属性[火炎] 防御値[1191] 貯水量[391] 弾数[1] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[134] 金額[612] 弾薬費[140] 重量[28] [物理格闘] *作者* |
▼詳細 |
7 | 軽二脚A | 星の黄昏 [49/幻想機動/幻想機動]《装備:2》 機動[1660] 跳躍[273] AP[683] 旋回速度[1026] 防御属性[物理] 防御値[182] 貯水量[136] 積載量[1900] 消費EN[420] 金額[1362] 重量[700] [二脚] *作者* |
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8 | パイルA | 星の流離 [50/高握力/高握力] 火力[4524] 連撃数[1] 防御属性[粒子] 防御値[1179] 貯水量[400] 弾数[1] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[237] 金額[626] 弾薬費[140] 重量[100] [物理格闘] *作者* |
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9 | エンジンB | BestieBlut [45/薄装甲/薄装甲] | ▼詳細 |
10 | 飛行ユニットA | 飛行U:A[ángel] [50/薄装甲/薄装甲] | ▼詳細 |
11 | レーダーB | レーダーB『ノースポールXII』 [47/薄装甲/薄装甲] | ▼詳細 |
12 | 粒子爆雷A | 星の雷Ver.RbM [41/薄装甲/薄装甲] 火力[187] 発射数[25] AP[-82] 防御属性[電子] 防御値[221] 精度[14] 貯水量[66] 弾数[30] 武器属性[対地] 異常追加[30] 消費EN[1] 金額[564] 重量[-22] [粒子射撃] *作者* |
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13 | 素材 | アンテナ53 [53/索敵/---] 特殊B[740] [素材] |
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14 | 操縦棺A | ミリアサービス式薄装棺『ハイメノプス』 [49/幻想機動/幻想機動]《装備:1》 | ▼詳細 |
15 | レーダーB | レーダーB『ノースポールXI』 [42/幻想機動/幻想機動] | ▼詳細 |
16 | 腕部B | 星の憂愁 [45/重圧応力/高握力]《装備:6》 | ▼詳細 |
17 | 飛行ユニットA | [イカロスⅡ]飛行マニューバ・虚無式 [45/薄装甲/薄装甲] 飛行[255] AP[564] 旋回速度[212] 防御属性[電子] 防御値[214] 貯水量[261] 噴霧量[262] 消費EN[483] 金額[1304] 重量[-34] [飛行補助] *作者* |
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18 | 飛行ユニットA | AABST-13E_AngelCall4 [50/薄装飛行/薄装飛行]《装備:10》 飛行[335] AP[590] 旋回速度[207] 防御属性[電子] 防御値[226] 貯水量[276] 噴霧量[276] 消費EN[510] 金額[1377] 重量[100] [飛行補助] *作者* |
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19 | 重ブースターA | サラマンダーよりかるーい [46/薄装甲/薄装甲] | ▼詳細 |
20 | 電磁アックスA | An“deireadh” [49/高圧軽量/高圧軽量]![]() 火力[3988] 連撃数[1] 防御属性[物理] 防御値[420] 貯水量[194] 弾数[9999] 武器属性[漏出] 異常追加[15] 消費EN[2061] 金額[1362] 重量[104] [電子格闘] *作者* |
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21 | 粒子スピアA | 高圧槍【ハイ・ドラグーン】 [47/高握力/高握力] 火力[2941] 連撃数[1] 防御属性[電子] 防御値[768] 精度[200] 貯水量[201] 弾数[9999] 武器属性[貫通] 異常追加[40] 消費EN[505] 金額[1333] 重量[200] [粒子格闘] *作者* |
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22 | 重ブースターA | 『Carinae』 [47/幻想機動/幻想機動] | ▼詳細 |
23 | 重ブースターA | 『Carinae』 [47/幻想機動/幻想機動] | ▼詳細 |
24 | エンジンB | LEA-R「リーフィーシー4」軽量機構 [48/薄装甲/薄装甲] | ▼詳細 |
25 | 飛行ユニットA | 白鴉幻想飛行機構改弐 [48/幻想機動/幻想機動] | ▼詳細 |
26 | ヒートソードA | 星の絢爛 [51/重圧応力/薄装甲]《装備:4》 火力[2808] 連撃数[1] AP[-51] 防御属性[火炎] 防御値[1157] 精度[220] 貯水量[385] 弾数[5] 武器属性[漏出] 異常追加[30] 消費EN[107] 金額[968] 弾薬費[50] 重量[105] [火炎格闘] *作者* |
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27 | ヒートソードA | ファイヤーバード [50/重圧応力/重圧応力]《装備:7》 火力[2567] 連撃数[1] 防御属性[火炎] 防御値[1145] 精度[218] 貯水量[387] 弾数[5] 武器属性[漏出] 異常追加[30] 消費EN[155] 金額[958] 弾薬費[50] 重量[230] [火炎格闘] *作者* |
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28 | エンジンB | LEA-R「リーフィーシーEx」軽量機構 [51/薄装甲/薄装甲]《装備:3》 | ▼詳細 |
29 | 素材 | コンデンサー53 [53/減圧/---] 特殊B[740] [素材] |
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