ENo.0068　リュミドラ・カラビネル・レギナルト

「相棒。相棒。準備はいいかい？いやまだだけども。また大きな花火を上げる機会だぜ」

「短い人生、パーっと騒いで謳うとしようじゃないか！」


……全く。そうだな、相棒。お前は、そう云うだろうよ。


竜魔族、ドレイクと呼ばれる種族の寿命は人とは比べ物にならない。

千年以上の寿命を持つという面でみれば。相棒であるディヴェルとは―――
実に１０倍以上の寿命差がある。

故に。短い人生、なんて言われても。

「―――相棒。一つ教えてやる。…竜魔族は寿命が千年単位だ。だから、移動中の時間経過が千年超えないのを祈っててくれ。超えてしまったら、メルサリアとかメフィルクライアみたいな感じだよな。ま、ここだと移動中の時間経過が良く分からんし。移動してる時に死ななきゃいい。という事で」


「ああ。短い人生。淡く甘く大きな花を咲かせに行くか」



ギルデンロウ達が集めたライダーの数と、当日の戦線で居合わせる人員を見て。

……どうやら、私の所は。やれるかもな。

やれなかったら―――――

バオバブの樹の下にでも埋まるだろ。来週あたりに。

生き残った者達へ。
これから往く者達へ。
私たちは歌おう、今日この日があることを。
私たちは祝おう、今日この身があることを。

全ての生きとし生けるもの達へ。
健やかに、でもなく。末永く、でもなく。
ただただ只管満足な生と、満足な死が迎えられるように。

乾杯。