ENo.0594　祟鬼漬クロガネ

「よいしょ……っと。」

ミリアサービスの空き倉庫に、ガレージから荷物を運びこむ。
解析した武器の暴走で拠点が壊れてしまった私に、ニーユさんはミリアサービスの空き倉庫を貸してくれた。
おかげで本当に助かった。最悪この極寒の中、野ざらしで寝なければならなくなっていた可能性もある。
彼にはしばらく頭が上がらなさそうだ。

件のブレード型兵器のせいで、作業スペースがボロボロになってしまったが、（これは完全に私が悪いのだけれど）
その反面、居住スペースに置いていた日用品や家具がほとんど無事だったのはラッキーだった。

特に数十万もしたシャワーユニットが破壊されていたら、さめざめと枕を濡らす羽目になっただろう。
とりあえず排水溝さえ確保すれば、設置はそこまで難しくはなさそうだ。

好きに使っていいと言われたことだし、遠慮なく改造させてもらおう。
嬉しいことに、借りた倉庫には大量の廃材が眠っていた。

こういう時はハイドラの整備で身につけた技術が本当に役に立つ。足りないものは作ってしまえばいい。
手始めにベッドやクローゼットなんかの家具を奥に配置して、適当な間仕切りを立てる。
シャワーユニットもここに配置すれば良さそうだ。

ラックやフック掛け、コーヒーテーブルからワークベンチまで、とりあえず必要な物を作って配置する。
この調子なら明日にでも快適な空間が完成しそうだ。

「明日……か。」

そんなものが、あればいいのだけれど。

メフィルクライアの霜の巨人を倒さなければ、世界は凍り付く。『種子』を殺すために。
霜の巨人を倒したとしても、青空が現れ『種子』は『発芽』し、世界を飲み込む。

私はヒルコ教団に協力することを決めたが、正直『青空を取り戻す』とか、そういう話は“クソ”どうでもいい。

見たこともない青空になんて興味はない。そんなもののために戦うつもりもない。
ただ、ハイドラの力を糧として、植物群落が世界に蓋をする。それで世界が維持されるのなら……。

彼女は『アルラウネを完全にコントロールできる』と言った。
それはアルラウネ・ユニットで構成された密林を自在に操ることで日照をコントロールし、
『生命と全ての禁忌』すら支配下に置くことによって、私たちの生殺与奪権を握る……そういう意味かもしれない。

それでも私は信じるしかない。『信じて』と言った彼女の言葉を、信じるしかないんだ。

Reinclaft-Millia Service

数年前にできた、残像領域の片隅の整備屋。
相場よりほんの少し高い値段で、ウォーハイドラのみならずライダーも整備する。
早い話が、機体のメンテをしに来るついでに、店主が常々作りすぎる飯のおこぼれにありつける整備屋である。
飯だけの利用も歓迎だが、この店にはメニューはない。店主が作りすぎたその日の飯が出されるだけである。

！店および店主（ENo.4）の既知可
！ユニオンに参加せずメッセで利用する体も歓迎
！ロールするキャラを推奨するかも

細かいこと：http://midnight.raindrop.jp/milliapede/union.html