ENo.0049　ゲート探査車両　ひらくも

[ ガブリエラ・ストークスと僚機を組んでいた方がエンジンとナパームを譲ってくださるそうなので買い取って、それを参考に一番軽い規格のエンジンを組んでくれないか。もちろんひらくもに必要なものがあるならば無理は言えない。ただ、移民艇を必要とする事態になるのかもしれない。そなえがあって困ることもないと考えた。連絡先だ ]

……通信はそれだけだった。

「カラーガタさんからの製作依頼、みたいですが」
「送付されたカタログを見る限り現在のマーケットに並んでいるものではないな。個人が中古で出品している物らしい」
「しかし、エンジンにナパーム砲とは」
「エンジンの方は解析に回し、火器の方は溶かしてくれということだろう。ともかく断る理由もない、請け負うとしよう」

　依頼のための素材や参考としてのパーツは届くまでにそう時間は掛からなかった。もしかしたら、カラーガタさんが早めに送って貰えるように手を回してくれていたのかもしれないが、どちらにせよそれはありがたいことであった。

「この箱、やけに軽いな」

　ハイドラのジャンクパーツを流用した小型機で工場内工場までの運搬途中、その重量を箱ごと計測して笛付。

「こちらはそれなりに重いですよ」

　実際向こうの箱はエンジン（しかも、最も大型の規格のものだ）だというのに異様に軽く、一方こちらの小さい箱は何故か聞いていた以上に重いのであった。
　その二箱を開けばやはり大型のエンジンと……マーケットでは "ナパーム砲" と呼ばれている射撃用の火器が入っている。かつてマーケットに並んでいたことあってか中古ながらも使用可能であり、更にはナパーム砲については随分新しいものと見られた。

「……新古品でしょうか、これ」
「物資としての援助とは言え、少々勿体ないとすら思える」

　新造エンジンの製作、及び構造解析は大型エンジン（リーフィーシー、と呼ばれているらしかった）を参考に着々と進み（大体のことは笛付がやっていた）来るべき試験運転当日。
　画竜点睛を欠くとはよく言ったもので試験場となる壁まで牽引、定位置への固定が済んだことを確認すると笛付がその場で最後のパーツを組み込み……その瞬間から、それまで見た目相応に重かったそのエンジンは不自然なまでに"浮上"を始める。既に、これだけでも信じられないことである。
　
　性能確認試験の為にエンジンが一通り轟音を立て噴射を始めて30秒ほど経ったその時である、エンジンが土台を含め丸ごと"消え失せた"。同時に訪れる静寂。先程までエンジンが唸りを上げて動いていたとは思えない状況が確かにそこに作られた。


……しばしの、沈黙。当然の話だが両者共にすぐに受け入れられることでは無い。先に事態を把握したのは笛付だった。

「……不味いことになったぞ」

Reinclaft-Millia Service

数年前にできた、残像領域の片隅の整備屋。
相場よりほんの少し高い値段で、ウォーハイドラのみならずライダーも整備する。
早い話が、機体のメンテをしに来るついでに、店主が常々作りすぎる飯のおこぼれにありつける整備屋である。
飯だけの利用も歓迎だが、この店にはメニューはない。店主が作りすぎたその日の飯が出されるだけである。

！店および店主（ENo.4）の既知可
！ユニオンに参加せずメッセで利用する体も歓迎
！ロールするキャラを推奨するかも

細かいこと：http://midnight.raindrop.jp/milliapede/union.html