ENo.0195　ココロ持つ機械『ドラーゲ』

発　Drage
宛　黄金さん

こちらドラーゲ、これより音声メッセージを送る。

黄金さん、そちらは元気だろうか？　５年後……だと推定される霧の領域は話に聞いた通り、アラアウネと思われる植物が繁茂し、青空が広がっている。治安が悪いのは相変わらずの模様。
ただ……未踏破領域が存在し、そこには霧も電磁波も……そして残像と思わしき機体群もいるらしい。
そしてそこには遺跡があって……ドゥルガーと呼ばれていたあの機体の組み立て前がある、という情報がある。今はまだ、新規にハイドラライダーとして登録したに過ぎないが……いずれはそこに向かうのだろう。本機……わたしの前に異界への扉が現れて、今度はわたし以外は誰も通れなかったのだから、そこにおそらく作戦目標があるのだと推定される。
ただ……、開発者コードを送った何者か、父さんもそこにいるのだろうか？　いればいいのだが……。

餞別には感謝する。一方通行ながら、物品も送れる模様なので、余剰があればそちらに送品する。かつて、黄金さんがそうしていたように。作戦を達成して……色んな体験をして。戻った時にたくさんの話ができるといいな。その時を楽しみにしてて。

以上、音声メッセージを終了する。Over。
[音声メッセージには動画ファイルが添付されていて、霧の今の様子……そして、遠景からの望遠で霧が立ち込めている領域の映像がある]

移動型ガレージ。
この手の機種は本来、フリーランサーの稼ぎでは手が届きにくいとされている。
設備も上質な品が揃っており、これを調達するための金の流れに妙なものを感じるかもしれない。