ENo.0121　ジャバロスとオプロトポ子

機体のセッティングは専門の整備チームに任せることになっている。
だが、製作・購入パーツの決定や次回の作戦プランについては俺とトポ子が交互に担当するのが俺たちのやり方だ。
搭乗者と人工生命体の認識がどれほど一致するのかだとか、相互理解に基づいた決定がどの程度行われるのかだとか、よくはわからないがそんなことが調査できるらしい。

ともあれ、前回は俺が担当したので今回はトポ子がそれを行う。
人格には問題があるが、機体や作戦行動、またこの世界そのものについても大体のことについてあいつは俺より知識を持っている。その点については心配いらないだろう。


「ジャバルさーん、機体のセットアップ終わってますよー。これ、今回の装備のリストでーす」

「ああ、ありがとう。なに、脚部は軽車輪、エンジンも換装して、操縦棺は……仮設？」

「なんでもトポ子が言うには……」



「狭い操縦棺の中で密着することで互いにより親しみを感じ今後に良い影響が見込めるんですよ！」



「とのことで。まあくっつきたいだけでしょうけど」


急に不安になってきた。

ブリクトム社が新たな事業のために新設したハンガー。

設備は十分に整えられているがそのほとんどが中古品で見た目は汚い。
時折脱ぎ散らかされた衣類が転がっていることもあり、清潔感のなさに拍車をかけている。