ENo.0137　文庫りぶら

━━文庫りぶら

『残像領域』
　この世界へと迷い混んで、身元を示すのに使っているこの名前。

元々は【怪異】、フツウならざる夜と黄昏時の住人を示す名前だった

どこの学校にもあるという七不思議の怪談、科学やら少子高齢化やらと怪奇・伝記が幻想が色褪せていた現代に、そんなものはあるわけないやと大人は「学生時代の盛暑に、男女恋愛の吊り橋がわりに肝試しで語るものさ」と言っていた

　　　　　　　　　　　　　　はずだった
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オレ
■■が出くわした怪異【文庫りぶら】

━━━それは、としょしつにすむ(と語られ) 　　イケニエ
━━━被害者の名前をタイトルに、肉体を冊子にする脅異

「生徒くん、貴方ノ好きな本はなんですカ？」と受付で尋ねる声に応えてはならない

最悪は「何でもいい」と答えたとき。
　　　怪異とは初対面
一度も遇っていないはずのはずだが、「◆◆◆◆くん／さんをお薦めします」と蔵書へとお前は代えられる。借りられる。

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オレ　異能　　　　りぶら
■■の特別はたいそう化物に気に入られたようで
紙の塊にされ動けなかったはずの■■は【ソレの姿見】を貸し出され、図書室から出られた。
どこかで等価交換というものを知った気がするが、生まれて初めてマトモな視界を手にした気がする。
なまえ
　銘は依然として取られたままで、身体は(怪異のものだし、女だが)あるにはある。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　オレ
霊だらけの世界を見ていたのだから、魂が私を定義していたことに納得はつく。自分を十分たらしめるモノがそれだと。

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別の七不思議の悪戯により、別の世界に飛ばされた■■は知る由はないだろう。
━━その器は無数の物語がなす伽羅の群れのなか、彼がふとした拍子に連想した物語の映し見／美し身であることを。

━━彼が生来もっていた特別な眼が、怪異の伝承以上の怪奇をもたらしたことに

　　文庫りぶら
━━その怪異は、実のこと悪戯に青春物語をつくりたがるもので
━━思春期の生徒の恋愛感情を触りたてる怪異／少女でしかなかった

━━質にとられた特別な眼は、彼の青春には重すぎるもので。惨く霊以外をも見透す黒煙鉛の世界への列車切符だった。

「貴女のよき思い出ぺぇじを語ることを楽しみに、いつまでも待っていますよ？」
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とても、とても苦いヨモギ汁を飲まされたかのごとく惨状だった。
「ああもう！余計に苛立つ！口直しにオリーブ油をティーカップに入れられたようなかんじ！」
ロッカーが所々へこんでおり、暴力の受け皿になっていたように見える。

「どうしような………修理の代替機はとんだかかしだったし。」
ぼろぼろのスポンサー提供機体(ほんとうにそのパーツチョイスはどうにかならないものかと思うが)を見て舌打ちをする。

「大幅に変えないと、物凄く苛立って弁償代金で大変になりそうだなぁ………ははぁ」
ジャンク品の超大型エンジンに換装して、各部位に血を運ぶ霧粒子伝送管を繋げる。
「目潰しをして、狙われにくくすればいいのかな？」
照準障害誘発装置を、粒子爆雷の発射機と雷球領域出力器に接続する。
シフト格闘というものをできるように、過負荷に耐えうる軽い脚にして………
他にもいいものはないかとマーケットのカタログを見ると、広告欄に黄金の塊でできた操縦棺！私もこのアクセサリーを身につけて超リッチに！というものがあった。
「どこの世界にも怪しい広告ってあるものなのね、アクセサリー売ってもの勝ちのボロ商売では……」

「私は還らずの遺跡探索よりも、エンタメの舞踏会でやる方が性にあってるんだよね。餅は餅屋に頼めばいいの！」
遺跡調査により生産される膨大なマネーフローにより経済動向が良好になってきていることへ失礼にならなように一言付け加えた。
「紳士なお客さんがほどほどにレストランに来れば色々と楽にならないかなー。なんでもしますから！」

何でもするとはいっていない(水着とかは勘弁だなぁ)