ENo.0218　ツギハギのマ王

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私はただ、人のように活き、人のように死にたかっただけだったのだろう。
どれほど前だっただろうか。生まれたばかりの私は悲しいほどに貧弱だった。五体が揃っていても満足に扱える筋力がなかった。私はただ、周囲から使えもせぬ人形のように扱われた。だがやつらの誤算があったとするなら、私は頭だけは他と比べて良かったことと、私は私の身体を治すことができたということだけだ。
私はただ活きたいと願い、私の身体を治していった。悪い部分を切り落とし、交換するように良い部分を増やしていった。身体能力、思考力、五感がみるみるうちに強くなっていった。私を無視した愚かな者達は、私の変化に気付きもしなかった。そして、彼らが気付いたときには私は彼らより強くなっていた。
彼らは私を気味悪がって殺そうとした。私はこれ以上、私の身体を壊されることを恐れて抵抗した。そして気付いたら殺してしまっていた。彼らの身体は私より遥かに劣っていたのだ。不思議と苦しくはなかった。彼らが私に愛情を注いでくれていたのなら変わっていたのだろうか。
私は凝りもせず自身の身体を治し続けた。私には無限とも呼べる時間が与えられた。私が生きている限り、生きるという活動以外はなにをしても自由だと呼べるほど無限大な時間を。
しかし代償はあった。三大欲求が失われていった。食欲、睡眠、生殖機能。私はおよそ人と呼べるものではなくなっていた。そして自らの身体を治すたびに明確になっていく。活きている普通の人間とは、生身とは、寿命とは、素晴らしいものであったということを。

私の活きたいという願いは叶えられた。そして今度は、もう一つの願いを叶えるときだ。まずは失った欲求から取り戻していかなければ。

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移動型ガレージ。
この手の機種は本来、フリーランサーの稼ぎでは手が届きにくいとされている。
設備も上質な品が揃っており、これを調達するための金の流れに妙なものを感じるかもしれない。