ENo.0302　ヨシャファート

　シルウェストリス。
　マテリアルベルト。
　そろそろ潮時だろう――遺跡の破壊？
　いや、まさか、とんでもない！
　これについては、まあよく調べなかった私が悪いんだろうが……我らがマテリアルベルトが、そんなもったいないことを考えていたとは。
　どうもここにいるべきじゃなさそうだ。
　私には合わない。
　ものを壊したり棄てるときには、よほど用心して、それが皮肉や冷笑からではないと決心してやらねばならない。
　自分が前にしているものがなんなのか、正体を知っていなければ。
　恐怖は危険だ。
　怖れは目と頭を眩ます。
　誤ることを唆す。
　そこに怖れがあるときには、それが信用できる恐怖かどうか、とっくり考えてみなくちゃならない。
　何かしようとしてやらかす失敗はいい、できるはずだったことを夢見て味わう挫折も愉快だ。
　しかし誤りと過ちは違う。
　このふたつばかりは、いつだって少ないほうがいい。
　ゼロになることはあり得ないにしても。
　
　さて、何の話だったか。
　音声での日記は、あとでさっと見返すことができないのが問題だな。
　書いてるわけじゃないからね。
　そうそうスポンサーの話だ。
　私としては、はやいとこシルウェストリスに行きたいところだが……金が足りないな。
　それにしても、なんでスポンサーを変えるのに金が必要なんだ？
　むしろ向こうが払う側だろうに……。
　まったく！
　

「《彼女》が好きだったドラマの名前さ」