ENo.0113　スタニスワフ・クビツァ

「なあハンナ、良い知らせと悪い知らせがある」
「どちらから聞きたい？」
『またやけに上機嫌ですね』

「まあ聞いてくれ、この遺跡そのものがドゥルガーらしい」
「それだけじゃねえ、今ももう動いていて、外の物資は手に入らねえ、だとよ？」
『情報としては既にこちらも把握していますね』

「そして痛ましいことだが、うちのユニオンのメンバーが死んだ」
「あの凶鳥の相棒と、アルメロもだ」
「俺達はあいつらの意思を背負って、革命とやらをなさなければならず、戦う必要があるらしい」
『それも知っています』

「ついでに、どうやらあいつ、死ぬ前に一仕事やっていったようだ」
「ドラゴネットって奴の社屋が吹き飛ばされたんだとよ、俺達"Red Lethality"の名前の下にな」
「ご丁寧に放送まで残してくれていやがる」
『そこまでは把握していましたが、あそこの設立者名義は確かクビツァさんになっていますよね』
『……大丈夫ですか？』
「企業の連中を敵に回したかどうかで言えば、大丈夫だろうな」
「無事、敵には回せただろう」
『はぁ』

「最後、ロックサイドの奴らはどうやら本格的にはこっちには来ないらしい」
「惜しい話だな、まあもう入って来ようにも来られやしねえ、今となっては仕方ない」

『ところで、どれが良い知らせで、どれが悪い知らせですか？』
「最後以外は良い知らせだよ、聞きゃあわかるだろ？」
『絶好調ですね……その分なら死ぬこともないでしょう』


『それと、私からも良い知らせがあります』
「ほう？言ってみろ」
『巨人が動き出す、直前に登録されたライダーのリストです』
「なんだ？ジョットの奴でもとうとう来た……か……！？」

『どうです？』
「最高だな」
『それはよかったです』

禁忌戦争から五年。
世界は霧の呪縛から解放され、新たに黄金の楔を撃たれていた。

持つ者は持たざる者を貪り食い、世界は荒廃していた。
だがーー人々の愛する""正義""は、失われていなかった！！