ENo.0148　ヒト・ゴルドラブ

「さぁてふむふむ……」

ヒトは愛機『狩花』を整備しながら、投函されたチラシ等を読み漁っていました。

「碌な仕事がないわねー。」

ヒトは今、早急にお金が必要でした。
『霧戦争』に参加するため、中古ショップでパーツを買いあさり何とか機体を作り上げましたが、
ボロ小屋の家賃を払うと、いつの間にやらもう財布の中は空っぽだったからです。

数日もしたら食べるものにも困りだすでしょう。
そうなると、困ったヒトは善良そうな人を見つけては
おだて、泣きつき、しまいには脅すことでお金を得ようとするでしょう。
そんな事をしていては、いつかは豚箱にぶち込まれてしまいます。

「楽しくて～お金ががっぽりの～♪　ん……これなんか良さげ！」

ヒトが覗き込んでいる用紙には『廃工場の掃除』と書いてあります。
あまりお金持ちが住んでいる場所には思えませんが、ヒトはとある箇所に注目しました。
『影のスポンサー』という単語です。

「スポンサーがいるってことは、お金がどこかで動いているということ……
つまりそう！叩けば埃のようにボロボロチャリンチャリンとお金ががっぽり！」

こうしちゃいられない、とヒトは『狩花』の整備を手早く終わらせ、
仕事を受けに出発します。

果たしてヒトは目論見通り、お金をたくさん手に入れられるのでしょうか。