ENo.0101　ベティ・ヴィーナス

　ノラ・ハートミルという女（あのブリーダーになりたいとか言ってた奴だ）が殺害され、その事件により≪霧笛の塔≫は内部から侵食、崩壊されているとの情報が知れ渡ったのはそう遠くない日のことだった。
　どうやら企業連盟は≪霧笛の塔≫のことを鬱陶しく思っていたらしく、連盟と匹敵する力を得る前にこの組織を処理し、支配しようと考えているらしい。その計画が明るみに出たのがこのノラ殺害事件だ。

「……自警団が駆け付けたところ、遺体があったということです。女性はノラ・ハートミルさん、27歳とみられ、遺体には拷問を受けたような損傷がありました。自警団は犯人の行方を……」
（拷問か。何としても≪霧笛の塔≫の情報を吐かせたかったんだな）

　自室にあるニュース番組を流していたテレビの電源を切り、ベッドに横になる。この部屋はワンルームで風呂とトイレが共用という極限まで家賃を抑えた物件だが、室内の薄いグレーの壁紙とネイビーの絨毯という配色がなかなか気に入り、今日に至るまでここを借り続けている。
　照明を落とし、更に黒みがかった壁紙と天井を見つめながら思考を巡らせる。

「君たちの戦いをダシに賭けを行うようだ。気にせず全力で戦ってほしい」
「新型量産兵器の性能を見たい。指定された部隊に襲撃をかけてくれ。向こうのテストパイロットの心配はするな……死亡保険はかけてある」

　この世界の人の命の価値は軽い。私のいた世界の戦車や戦闘機を使っての戦争と同様、ウォーハイドラという機動兵器に乗るからには撃墜されるリスクがある。その為に死亡許容という意思表示が生まれたくらいだ。
　我々は代替が利く駒のようなもの、と考えているからこそ、あのような相手が死んでもかまわない、というニュアンスを含んだ言葉を平気な顔をして投げかけられるのだろう。
　だが……反抗しようにも、それは無駄なことだ。きっとただの傭兵の戯言として聞き流されるだけだろう。現に≪霧笛の塔≫が実質企業連盟の支配下になったからといって、あのリソスフェア要塞攻略戦への出撃を拒否することはできなかった。いや、全員要塞へ行かされたのだ。

　上部への不信を募らせないままライダーとして金が稼げる方法はいい方法はないのだろうか、と考え出したその時、枕の横に置いてあったタブレット端末がメッセージの着信を音と振動と光で伝えた。慌てて内容を確認する。

『ベティー、なんかそっちヤバいことになってるねー。大丈夫？　そっちの生活まで脅かされてない？』

　メッセージの送り主はサリー・ハイズマン――友人であり、マーカス・グレイシーのバディだった女だ。

マーケットの片隅に存在する、トタン屋根の小さな休憩所。
入り口は常に開け放たれており、その横には「タバコは外でお願いします」と書かれた貼り紙と共に
「白刃」と刻まれた金属製のプレートが取り付けられている。
部屋の中央には大きなテーブルとそれを囲むように置かれた椅子があり、
壁側の棚にはウォーターサーバーやコーヒーメーカーなどが設置されている。
ここを訪れたハイドラライダーは、皆思い思いの時間を過ごしているようだ――

格闘火器使いのライダーが集う休憩所が賑わい、情報交換の場となった……というイメージです。
情報交換の他にも雑談や休憩など、ゆるめのRPも歓迎します。
設定上同じ場所に集まってダベるだけなので、RP上特定の企業や集団への所属を強制するものではありません。

◆説明
├格闘型同士わいわいやれたらいいね！という方針のユニオンです。
├ユニオン活動はずっと【格闘*5】、ユニオン購入はずっと【機動力+3%】。
│ユニオン購入費は参加者に変動しますが、恐らく【100-(設立者除く人数*2)c】。
├メンバーの誰かが死亡してしまった場合、該当者の参加許可を外し、
│空いた枠で随時新たな参加者を募集する可能性があります。ご了承ください。
├【xユニオン】での交流も歓迎いたします。
└詳細・参加申請・参加者への連絡は下記URLにて。
　http://privatter.net/p/2238181