ENo.0510　ODE-30

【音声記録:4671　再生開始】

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はい、オード・サーティです。


かつてひとりの兵士がいました。
彼は、私のパイロットでした。
彼には婚約者がいました。
決して腕が良いとは言えませんしたが、どれだけ怪我を負っても
彼は帰還を諦めることはありませんでした。

私も彼を支援し、出来る限り戦い抜いて。
そして、どうにか一度、国に帰還することができました。

次の出撃で、彼は死にました。呆気なく。

婚約者は、爆撃により亡くなっていた。
彼を繋ぎ留めるものが、無くなってしまった。

その差。
ただそれだけの差が、
『生を諦める』には充分過ぎた。


ケイ・ティ。
……いえ。『キリカ』。
あなたには意味が分かっている筈です。

あなたに髪飾りをくれた少年のこと。
あなたに居場所を提供した男性のこと。
彼らに共通する、死の臭い。

想い。祈り。未練。郷愁。
あり続ける限りは、死の縁より引き留める楔となり、
喪ってしまえば、死の渦へと引き込む鎖となるもの。
それは一長一短、表裏一体の守り札ではありますが、
『既にそれを喪っている』相手にとっては、
呪いを止める特効薬足りえます。

……何のことを言っているのか分からない？
それは半分は嘘でしょう、ケイ。
あなたは言っていることが分からないのではない。
あなたが「何かを残していいのか」を、悩んでいる。
一枚しか残っていないドッグタグを見て、
自分が本当は『死者』なのではないかと、悩んでいる。

ですが、そんなことはどうでもよろしい。
あなたが、得たことに感謝をしているのなら。
あなたもまた、与えれば良い。それだけです。
私はそう考えます。

勿論、あなたが何かを与えたとして。
『それ』はあなたが死を迎えた時に彼らの傷となり、
身を引き裂くかもしれません。
ですが、『私』がそれをさせません。
こと、戦場においては。

ふふ、言ったでしょう？
私はスーパーＡＩですよ。
ここまで少なくとも、喪われてはいない。
この戦場でもまた、破壊されるつもりなど毛頭ありません。


え。何が良いか、ですか。
そうですね。そうは言ってもこのご時世です。
予算の都合もありますし、大したものは……

ふむ。
では、こう言うのはいかがでしょう。
そこに余剰パーツであるギア、歯車があります。
そうですね、出来るだけ小さいもの……
口径が丁度指輪くらいのものを選んでください。
精密部品用の棚にある筈です。

それを、できるだけ丁寧に、ぴかぴかになるように
磨き上げてください。
整備用の道具を使えば可能です。
あとはあなたの名前を刻んで、紐にでも通して
渡せばいい。

『我が名は貴方の一部。
　貴方が動く限り、我は共に在る』

古い誓いの言葉、その一節です。
かつては短剣に名を刻んだとありますが……
機装騎士たる我らにおいては、歯車のほうが
「らしい」と思いませんか？


さあ、出撃の合図です。
『用事』も増えましたし、早々に片付けましょう。

開幕機動のプランは予定通りＡを。
ブースターにより距離を稼ぎ、その後に
ステルスシステムを作動させます。
急激なＧが掛かりますので、注意してください。

では、参ります。


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【音声記録:4671　再生終了】

人気も無く、寂れた区間にひっそりと佇む倉庫がある。
入り口は常時開け放たれていて、その横に取付られたプレートには《疾風》の文字が刻まれていた。

時々この倉庫を出入りする者達がちらほらと見受けられる。
此処を根城とする彼等は、戦場を駆け回る斥候部隊。

敵を発見する、敵の動きを妨害する、敵の攻撃を引き付けるといった役目を持つ者達。

きっと、目立たず戦場で活躍してくれるだろう。


【斥候戦闘部《疾風》】
　└ひたすら避けてめっちゃデバフしたり索敵したりするだけのグループ
　└基本的にまったり&自由
　└ロールもしたい
　└攻略で何かあれば相談もしたい！
　└ユニオン活動はずっと制御×5、ユニオン購入もずっと機動力3%
　└参加希望であれば背後Twitter@Ci_ktdm 又はメッセージで連絡してくださいませ