ENo.0256　バルトロイ・クルーガー

毎週やってくるマーケットの情報。ここから、必要なパーツを購入して機体を換装する。ハイドラライダーをはじめてからこの時間は必ず、どこかでやってくる。
バルトはソファに寝転がりながら、タブレットに表示された機体のデータとしばし睨みあいをしている。

「…………疲れた」

やめた、と呟いてタブレットをテーブルの上に置くとはー、と大きなため息をひとつ吐く。
ここ最近、仕方ないと言えば仕方ないのかもしれないが報酬がふるわない。つまりは、自らの戦果が芳しくないのだ。
そう遠くなく直面する問題だったのは多いに理解している。恐らく、普通ならばそろそろハイドラを降りることを考えてもおかしくない年齢なのだ。
衰えないように、と色々気にかけてはいるが体力も筋力も視力も、全盛期に比べれば落ちているのは明らかだ。
だからこそ、自分が惨めになる前に戦場で終わりたかった――と、思っていた時期もあったがそれはもう過去の話だ。今はもう生き延びてかつ、戦果も稼いで行かなければならない。行くことに決めたのだ。

「……」

そうする為にはそれこそ生きるか死ぬかのギリギリのラインを見定めていかなければならない。幸いにして、そういうものを見極める目はそこいらの奴らよりもあるだろう自負がある。そのラインを見定められずに死んでいった同胞達を見送ったことも、自らもそのラインから転げ落ちた事もある。

だからこそ身に染みて、わかっている。

これから戦場はもっと激しくなり、戦況は目まぐるしくかわっていく。15週。それはかつてのハイドラライダーに取っては節目の時だった。しかし今はただ過ぎていく日々の一つに過ぎない。

変わり続ける戦場に対応しなければ。そこを走る資格だけは捨てたくはないから。

タカムラ整備工業は霧の世界にわりと古くからある整備工場です。親切丁寧がモットーで丹念に整備された機体は命中精度がよくなったと評判があるとか。

そんなタカムラ整備工場では現在割引サービスを実施中。当ユニオン参加の方には整備料を一割引を行っております。
ドリンクサービスも行ってますので整備のさいは是非タカムラ整備工場まで！