ENo.0053　ディヴェル

「へーい相棒。次、コロッセオ行かない？」

おや、と角を持つ彼女は怪訝そうに眉を寄せる。

「あはは、今から入り浸るのかって？まあ、確かにガラじゃないけどね。
　ヤクザな鎬ってのはわかってるさ、今更コロッセオ程度大差無いよ」

ふむ、と腕を組み、彼女は考えるそぶりを見せる。

「そう？悪いね、付き合せちゃって。・・・いや、コロッセオで仕切りたがるほど難儀な性格じゃないよ。
　ただ、ランページユニット。あれの正体もメフィルクライアの意図もわかんない。
　まだコロッセオのほうがマシじゃないかってね」

了解、と短く返答。

「うし、じゃあよろしく。霊障アタッカーはバイオ除いてあたしだけだ、とはいえ向こうは守りに長けてるっぽいから頑張って攻め崩しますかぁ。
　・・・え、やっぱりやる気十分じゃないかって？そりゃそうだ、あたしらは"チアーズ"じゃないか。
　残念だったね、で乾杯するよりおめでとう、で乾杯したいじゃない？」

生き残った者達へ。
これから往く者達へ。
私たちは歌おう、今日この日があることを。
私たちは祝おう、今日この身があることを。

全ての生きとし生けるもの達へ。
健やかに、でもなく。末永く、でもなく。
ただただ只管満足な生と、満足な死が迎えられるように。

乾杯。