ENo.0206　モニカ・フランクリン

「きゃ――……っ！」



「――あいたッ！！」

　思いっ切り頭を打って転がった。
　何なんだなにごとどうした、ええと、慌てて起き上がって周囲を見回すといつもの私の部屋で、狭いなりにそれなりにちゃんと整頓されてて、うん、いつも通りです。そんでもってまだ暗いです。ていうか、ええと、そうだね、ベッドから落ちましたね。

「……よ、よく寝てたのに……」

　とは言ったものの。
　そういえば夢を見ていたような、というような、そんなことを思い出した。
　どんな夢だったっけ。なんか、ちょっと怖いような、なんだろう、ふわふわと実態のないものを追いかけるような気持ちで思い出そうとして、やっぱり逃げられてしまう。全然思い出せずに諦めて、二度寝を決め込もうと布団を掴む。
　最近、戦場で味方の機体が落とされるのをよく見るような気がする。自分はああはなりはしない、という気持ちと、ああならないために何か対策をすべきだ、という気持ちと、それよりもまず敵を倒さなきゃならない、というのと、色々混ざって、結局一番最後を選択し続けてるのが今の私って感じなんだけど。
　だって、敵を倒した方が戦いはすぐに終わる。し、戦果だって上がる。私にはターゲットを引き付けるような技術はないから、とにかく前に出る、潰す、倒す、となるわけで、それでそこそこ、なんとかうまいこと行ってる。最近はランキングも激化してきて、一位、とはなかなか行かなくなってきたけど、別にそんなの目指してないし、戦って、倒せて、生き残れれば、それで私は充分だし。

　生き残るためだけに必死になる時期はとうに過ぎてしまったんだな、というようなことは、たまに考えもするけれど。
　人間変わらずにいるということは難しいし、まあそういうものだと思う。
　私は今の私として、やりたいことをやって、やるべきことをして、生きていくしかないんだった。

　ごちゃごちゃと考えてるとあんまり眠れなくなりそうだから、とりあえずそういうことにして布団にくるまった。
　おやすみなさい、今の私。頑張りましょう、明日の私。
　戦場の私。

ひとりでもユニオン。