第39週目 『偽りの幸運』エイビィの一週間
◆日記
操縦棺の中では、水の流れる音がする。
ミストエンジンの供給する動力、残像領域に満ちる霧を液化した〈水〉が、張り巡らされた配管の中を流れてゆく音だ。その音を、血流に喩えるものもあれば、羊水の中にいるようだと言うものもある。
その音に耳を傾けながら、エイビィは『ライズラック』の操縦棺の中、操縦盤の上に取り付けられた小さな装置を剥がし取った。その拍子に手から零れ落ち、座席の下へ落ちて行ったそのチップを、追いかけて拾い上げる気力はない。ライセンスを掴んでシートに沈み込み、頭を押さえる。
「……『ライズラック』、そうね。分かってる」
何か言葉が聞こえたわけではなかった。
さらさらと水の流れる音がする。それを上から覆うように、ミストエンジンの駆動する音が。
「……戦いましょう。戦い続けましょう。あたしは、あなたのハイドラライダーだわ」
空が。
ハイドラ同士の戦闘によって、わずかに霧のけぶる大気の向こうには、目の痛くなるような青空が広がっている。霧の濃度は限りなくゼロに近いが、『ライズラック』の動き自体には支障はない。
眼下に目を向ければ、『ステラヴァッシュ』の巨体が見えた。主が離れ、起動もせずに置いておかれたハイドラを破壊するのは容易だが、それをしようとは思わなかった。
四枚の『翅』を広げ、飛び交う銃弾を躱しながら、『ライズラック』は病院の周囲を旋回する。流れ弾によって崩壊し、煙を上げる瓦礫の山の様子が、カメラの映像からはっきりと見て取れる。
「ハル……」
縋るように呟いて、エイビィはヘッドフォンを下ろした。
◇ ◆ ◇
幸い、ハルには目立った怪我はなかった。
瓦礫の中から這い出し、ダリルはハルを抱えて身を低くしながら、何とか『ステラヴァッシュ』の操縦棺へと辿り着く。
辺りはひどいありさまだった。煙と火の手が上がり、爆発音が断続的に聞こえてくる。企業内戦争と言っても、ここまで敷地の中をずたずたにされることは『冠羽』の人間たちも想定はしていなかっただろう。もっとも、用心深い連中はもっと安全な場所で身を潜めているのだろうが。
シートに沈み込み、HCSを起動したところで、ダリルはようやく右目が開けられなくなっていることに気が付いた。慌てて触れてみるが、痛みはなく、ただぬるりとした感触だけがある。どこで切ったのか、頭の傷から流れた血が目に入ったらしい。傷はそれほど深くないが、出血が多い。
「ハルちゃん、そこの箱、取ってもらえるか……」
身を丸めたハルが足元でもぞもぞと動き、白い救急シートを取り出してくるのをちらりと横目で確認して、ダリルは目元を乱暴に拭いながら画面を覗き込む。『ライズラック』が、崩れた病院の上空を旋回するように移動しているのが見えた。
放置されていた『ステラヴァッシュ』をあえて攻撃しなかったのは、周囲の状況が思ったよりも乱戦になっていたからか、それとも何か考えがあるのか。いずれにしても、ダリルとハルを殺すつもりならば、詰めが甘い。
「ああ、悪い。ありがとう」
頭に触れたひやりとした感触に、ダリルはハルに笑んで見せる。が、ハルはもうこちらを見てはおらず、ダリルの足の間に腰かけてカメラを覗き込んでいた。
「来る。いそいで」
言葉に、慌ててダリルは操縦桿を握った。右目は、涙で滲んでいるが、見えないほどではない。
『ライズラック』が四枚の『翅』を広げ、『ステラヴァッシュ』を正面に捉える。その周囲だけが霧に覆われ、その姿を覆い隠す。
もっとも、もとより『ライズラック』に対して『ステラヴァッシュ』は巨大すぎる。避けるなどとは考えたこともない。問題は、こちらの射撃が当たるかどうかだった。
「ハルちゃん。俺は、エイビィを……」
ここに至っても、ダリルはそこで言葉を切る。
エイビィに殺されるつもりはない。それは確かだ。
だが、殺すつもりがあるかどうかと言われれば、それはまったく別の話だ。
『ライズラック』をカメラで追い、その機影に照準を合わせながら、ダリルはエイビィの叫ぶ声を思い返す。あるいは、病院でエイビィが浮かべて見せた表情を。
間違えるはずはない。あれはビルだ。あの時、あの日、見送ったきりいなくなった、ウィリアム=ブラッドバーン。
エイビィの中には、確かにビルの記憶がある。恐らくオーガストのそれも。拭い去れず、咄嗟に振る舞いに出てしまうほど、エイビィの中に残っている。
もしかしたら、と考える頭がある。まだ助けられるのではないか。取り戻すことができるのではないか。ああやって、自分に声をかけてくれたのだから、戻ってきてくれるのではないかと思わずにはいられないでいる。
(嘘だ)
まだ望みが残っているのではないかと夢想する一方で、どうしようもなくそれを否定していた。
あそこにいるのが、ただの面影に過ぎないことを願っている。死んでいて欲しいとさえ祈っている。
苦しんでいて欲しくなかった。この二年間、苦しみ続けていたと言って欲しくなかった。
生きていて欲しいと思っていた。だが、それはこんな形でではない。
これ以上、自分に何ができるのか分からない。ビルに対しても。エイビィに対しても。
結局、そんな体たらくでここまで来てしまったのだ。
「ダリル! 前に!」
ハルが叱責するのに合わせて、ダリルは反射的に操縦桿を押し倒した。
今さら確認するまでもなく、小型の高速格闘機である『ライズラック』に比して、大型の『ステラヴァッシュ』の動きはあまりにも鈍重だ。周囲がよく見渡せるとは言え、『ステラヴァッシュ』の動きが速くなるわけではない。
それでも、回避行動によって相手の間合いを外すことは可能だ。『ライズラック』の電磁ブレードによって装甲が削られ、『ステラヴァッシュ』の機体が大きく揺れるが、直撃は何とか避けることができていた。
少女はこちらに背を向けたまま、せわしなく辺りを見回している。カメラが追いきれない『ライズラック』の動きを捉えているようだった。
――いつか、『ステラヴァッシュ』と『ライズラック』が戦った時に、エイビィとハルがこちらへ近づいてくるDRや戦闘機にいち早く気づいていたことを思い出す。見えている。以上に、『ライズラック』を把握している。
「ハルちゃん、俺は……」
「分かってる。エイビィをころそう」
ごく小さな声で答え、ハルはこちらを振り返る。
それが、ダリルの顔を見るためではないことはすぐに分かった。ハルの目の焦点は、こちらの背後、操縦棺を超えて、遠く『ライズラック』に合っている。眉根を寄せて、ハルはダリルの膝の上に乗せた指先へ力を込めた。
「あっち! うって!」
「……ッ」
躊躇いながらも、ダリルは『ステラヴァッシュ』の砲塔をハルの指差した方向へ差し向ける。
青い空の中、白々と目立つ『ライズラック』が霧の尾を曳きながらこちらの射撃を避けるのを画面の中に追い、ダリルは顔を歪めた。
ハルは『ライズラック』を捉えている。ハルの指示に従えば、ハルの言う通りにエイビィを殺すことが出来るのかも知れない。
……だが、それをしたくない。
「だめだ、ハルちゃん。あいつを殺す理由がない。あいつは、……あいつと戦う理由がないんだ、俺には!」
「エイビィにはある」
ハルの声はごく抑えられてはいたが、切りつけるような強さがあった。
小さな手が、操縦桿を握るダリルの手を上から握る。ハルの力を込めた方向へ、ダリルはされるがままに操縦桿を倒した。『ステラヴァッシュ』が、再び衝撃に揺れる。ハルの目は『ライズラック』を追っているが、ダリルはその姿を見失っていた。集中できない状態で追いかけられる機体ではない。
「エイビィが何をしたいか、分かる。
だからいっしょに、エイビィをころして」
「なに……」
「エイビィは、ハイドラライダーだから。……『ライズラック』も、分かってくれる」
その言葉の意味が、ダリルには分からない。分かるのは、ハルはもう決めているということだけだ。
そして、迷っている時間もない。
「そこ!」
「くそっ!」
ハルの指先に合わせ、ダリルは今度こそ躊躇いなくスイッチを押した。カメラを覗き込み、白い機体を再び視界に収める。
そもそも、迷うことなどできないのだ。『ライズラック』を相手に、『ステラヴァッシュ』の機動性では逃げることができない。戦うしかない。
「けど、エイビィ! 俺は……」
霧のない戦場は、確実に『ステラヴァッシュ』に有利に働いていた。
こちらの弾はまだ一度も当たっていない。だが、『ライズラック』の周囲を覆う霧は確実に薄れていたし、『ライズラック』を近づける回数は少しでも減らせている。そして、ハルは『ライズラック』を捉えている。こちらの装甲が削りきられるまでに、『ライズラック』を墜とせるかも知れない。自分が何も、覚悟も、決められていなくても。
「今――うって!」
ハルの言葉に従って、『ライズラック』を迎え撃つべく、『ステラヴァッシュ』から銃弾が放たれる。
だが、『ライズラック』は急激に横に軌道を変えて、その弾をあっさりと躱した。出鱈目な高機動。再び照準を合わせる前に、『ライズラック』はブレードを振り上げる。迎撃は、間に合わない。
「な――」
が、不意にその動きが止まる。
直後、『ライズラック』の背から爆炎が上がった。
「ダリル!」
ハルの声。ダリルは呆然としたまま、『ライズラック』に砲口を向ける。
『ライズラック』は、避けなかった。いや、避けられなかったのか。
焔を上げながら、白い機体が墜ちていく。
――その向こうに、『ヴォワイヤン』の姿が見えた。
ミストエンジンの供給する動力、残像領域に満ちる霧を液化した〈水〉が、張り巡らされた配管の中を流れてゆく音だ。その音を、血流に喩えるものもあれば、羊水の中にいるようだと言うものもある。
その音に耳を傾けながら、エイビィは『ライズラック』の操縦棺の中、操縦盤の上に取り付けられた小さな装置を剥がし取った。その拍子に手から零れ落ち、座席の下へ落ちて行ったそのチップを、追いかけて拾い上げる気力はない。ライセンスを掴んでシートに沈み込み、頭を押さえる。
「……『ライズラック』、そうね。分かってる」
何か言葉が聞こえたわけではなかった。
さらさらと水の流れる音がする。それを上から覆うように、ミストエンジンの駆動する音が。
「……戦いましょう。戦い続けましょう。あたしは、あなたのハイドラライダーだわ」
空が。
ハイドラ同士の戦闘によって、わずかに霧のけぶる大気の向こうには、目の痛くなるような青空が広がっている。霧の濃度は限りなくゼロに近いが、『ライズラック』の動き自体には支障はない。
眼下に目を向ければ、『ステラヴァッシュ』の巨体が見えた。主が離れ、起動もせずに置いておかれたハイドラを破壊するのは容易だが、それをしようとは思わなかった。
四枚の『翅』を広げ、飛び交う銃弾を躱しながら、『ライズラック』は病院の周囲を旋回する。流れ弾によって崩壊し、煙を上げる瓦礫の山の様子が、カメラの映像からはっきりと見て取れる。
「ハル……」
縋るように呟いて、エイビィはヘッドフォンを下ろした。
◇ ◆ ◇
幸い、ハルには目立った怪我はなかった。
瓦礫の中から這い出し、ダリルはハルを抱えて身を低くしながら、何とか『ステラヴァッシュ』の操縦棺へと辿り着く。
辺りはひどいありさまだった。煙と火の手が上がり、爆発音が断続的に聞こえてくる。企業内戦争と言っても、ここまで敷地の中をずたずたにされることは『冠羽』の人間たちも想定はしていなかっただろう。もっとも、用心深い連中はもっと安全な場所で身を潜めているのだろうが。
シートに沈み込み、HCSを起動したところで、ダリルはようやく右目が開けられなくなっていることに気が付いた。慌てて触れてみるが、痛みはなく、ただぬるりとした感触だけがある。どこで切ったのか、頭の傷から流れた血が目に入ったらしい。傷はそれほど深くないが、出血が多い。
「ハルちゃん、そこの箱、取ってもらえるか……」
身を丸めたハルが足元でもぞもぞと動き、白い救急シートを取り出してくるのをちらりと横目で確認して、ダリルは目元を乱暴に拭いながら画面を覗き込む。『ライズラック』が、崩れた病院の上空を旋回するように移動しているのが見えた。
放置されていた『ステラヴァッシュ』をあえて攻撃しなかったのは、周囲の状況が思ったよりも乱戦になっていたからか、それとも何か考えがあるのか。いずれにしても、ダリルとハルを殺すつもりならば、詰めが甘い。
「ああ、悪い。ありがとう」
頭に触れたひやりとした感触に、ダリルはハルに笑んで見せる。が、ハルはもうこちらを見てはおらず、ダリルの足の間に腰かけてカメラを覗き込んでいた。
「来る。いそいで」
言葉に、慌ててダリルは操縦桿を握った。右目は、涙で滲んでいるが、見えないほどではない。
『ライズラック』が四枚の『翅』を広げ、『ステラヴァッシュ』を正面に捉える。その周囲だけが霧に覆われ、その姿を覆い隠す。
もっとも、もとより『ライズラック』に対して『ステラヴァッシュ』は巨大すぎる。避けるなどとは考えたこともない。問題は、こちらの射撃が当たるかどうかだった。
「ハルちゃん。俺は、エイビィを……」
ここに至っても、ダリルはそこで言葉を切る。
エイビィに殺されるつもりはない。それは確かだ。
だが、殺すつもりがあるかどうかと言われれば、それはまったく別の話だ。
『ライズラック』をカメラで追い、その機影に照準を合わせながら、ダリルはエイビィの叫ぶ声を思い返す。あるいは、病院でエイビィが浮かべて見せた表情を。
間違えるはずはない。あれはビルだ。あの時、あの日、見送ったきりいなくなった、ウィリアム=ブラッドバーン。
エイビィの中には、確かにビルの記憶がある。恐らくオーガストのそれも。拭い去れず、咄嗟に振る舞いに出てしまうほど、エイビィの中に残っている。
もしかしたら、と考える頭がある。まだ助けられるのではないか。取り戻すことができるのではないか。ああやって、自分に声をかけてくれたのだから、戻ってきてくれるのではないかと思わずにはいられないでいる。
(嘘だ)
まだ望みが残っているのではないかと夢想する一方で、どうしようもなくそれを否定していた。
あそこにいるのが、ただの面影に過ぎないことを願っている。死んでいて欲しいとさえ祈っている。
苦しんでいて欲しくなかった。この二年間、苦しみ続けていたと言って欲しくなかった。
生きていて欲しいと思っていた。だが、それはこんな形でではない。
これ以上、自分に何ができるのか分からない。ビルに対しても。エイビィに対しても。
結局、そんな体たらくでここまで来てしまったのだ。
「ダリル! 前に!」
ハルが叱責するのに合わせて、ダリルは反射的に操縦桿を押し倒した。
今さら確認するまでもなく、小型の高速格闘機である『ライズラック』に比して、大型の『ステラヴァッシュ』の動きはあまりにも鈍重だ。周囲がよく見渡せるとは言え、『ステラヴァッシュ』の動きが速くなるわけではない。
それでも、回避行動によって相手の間合いを外すことは可能だ。『ライズラック』の電磁ブレードによって装甲が削られ、『ステラヴァッシュ』の機体が大きく揺れるが、直撃は何とか避けることができていた。
少女はこちらに背を向けたまま、せわしなく辺りを見回している。カメラが追いきれない『ライズラック』の動きを捉えているようだった。
――いつか、『ステラヴァッシュ』と『ライズラック』が戦った時に、エイビィとハルがこちらへ近づいてくるDRや戦闘機にいち早く気づいていたことを思い出す。見えている。以上に、『ライズラック』を把握している。
「ハルちゃん、俺は……」
「分かってる。エイビィをころそう」
ごく小さな声で答え、ハルはこちらを振り返る。
それが、ダリルの顔を見るためではないことはすぐに分かった。ハルの目の焦点は、こちらの背後、操縦棺を超えて、遠く『ライズラック』に合っている。眉根を寄せて、ハルはダリルの膝の上に乗せた指先へ力を込めた。
「あっち! うって!」
「……ッ」
躊躇いながらも、ダリルは『ステラヴァッシュ』の砲塔をハルの指差した方向へ差し向ける。
青い空の中、白々と目立つ『ライズラック』が霧の尾を曳きながらこちらの射撃を避けるのを画面の中に追い、ダリルは顔を歪めた。
ハルは『ライズラック』を捉えている。ハルの指示に従えば、ハルの言う通りにエイビィを殺すことが出来るのかも知れない。
……だが、それをしたくない。
「だめだ、ハルちゃん。あいつを殺す理由がない。あいつは、……あいつと戦う理由がないんだ、俺には!」
「エイビィにはある」
ハルの声はごく抑えられてはいたが、切りつけるような強さがあった。
小さな手が、操縦桿を握るダリルの手を上から握る。ハルの力を込めた方向へ、ダリルはされるがままに操縦桿を倒した。『ステラヴァッシュ』が、再び衝撃に揺れる。ハルの目は『ライズラック』を追っているが、ダリルはその姿を見失っていた。集中できない状態で追いかけられる機体ではない。
「エイビィが何をしたいか、分かる。
だからいっしょに、エイビィをころして」
「なに……」
「エイビィは、ハイドラライダーだから。……『ライズラック』も、分かってくれる」
その言葉の意味が、ダリルには分からない。分かるのは、ハルはもう決めているということだけだ。
そして、迷っている時間もない。
「そこ!」
「くそっ!」
ハルの指先に合わせ、ダリルは今度こそ躊躇いなくスイッチを押した。カメラを覗き込み、白い機体を再び視界に収める。
そもそも、迷うことなどできないのだ。『ライズラック』を相手に、『ステラヴァッシュ』の機動性では逃げることができない。戦うしかない。
「けど、エイビィ! 俺は……」
霧のない戦場は、確実に『ステラヴァッシュ』に有利に働いていた。
こちらの弾はまだ一度も当たっていない。だが、『ライズラック』の周囲を覆う霧は確実に薄れていたし、『ライズラック』を近づける回数は少しでも減らせている。そして、ハルは『ライズラック』を捉えている。こちらの装甲が削りきられるまでに、『ライズラック』を墜とせるかも知れない。自分が何も、覚悟も、決められていなくても。
「今――うって!」
ハルの言葉に従って、『ライズラック』を迎え撃つべく、『ステラヴァッシュ』から銃弾が放たれる。
だが、『ライズラック』は急激に横に軌道を変えて、その弾をあっさりと躱した。出鱈目な高機動。再び照準を合わせる前に、『ライズラック』はブレードを振り上げる。迎撃は、間に合わない。
「な――」
が、不意にその動きが止まる。
直後、『ライズラック』の背から爆炎が上がった。
「ダリル!」
ハルの声。ダリルは呆然としたまま、『ライズラック』に砲口を向ける。
『ライズラック』は、避けなかった。いや、避けられなかったのか。
焔を上げながら、白い機体が墜ちていく。
――その向こうに、『ヴォワイヤン』の姿が見えた。
NEWS
本日のニュースですイワシヤマ動物園で、元気なカピバラの赤ちゃんが誕生しました
動物園では、名付け親を募集しています
ファンからは、「ずっと見守っていました」との喜びの声が……
![]() | 辺境のレジスタンス『ルオシュ』 「ルオシュだ。イオノスフェア脱出プランを立てた……突破口を開き、全員を撤退させる」 |
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![]() | 辺境のレジスタンス『ルオシュ』 「残された兵は少ない。生き残った先に、何があるか分からない。正直、無謀な賭けかもしれない」 |
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![]() | 辺境のレジスタンス『ルオシュ』 「思えば、それでいいのかもしれない。霧の彼方に何も見えないように。明日というものは、全く分からない」 |
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![]() | 辺境のレジスタンス『ルオシュ』 「でも、俺は迷わない。なぜなら、俺は……戦い続けてきたからだ。今までも……そしてこれからも」 |
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![]() | 辺境のレジスタンス『ルオシュ』 「俺は戦い続ける! 前へ、前へと……俺は、霧と共にある!」 |
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![]() | メルサリアからのメッセージ 「もうすぐ、別れの時が来る。短い付き合いだったが、千年の時のように長く感じる」 |
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![]() | メルサリアからのメッセージ 「わたしの再起動は、昨日で不可能になった。繰り返しすぎたんだ。もう、このボディを最後にわたしの寿命は尽きる」 |
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![]() | メルサリアからのメッセージ 「最後に、君の願いでも聞いてやりたいところだが、残念ながら……わたしはここを一歩も動けないんだ」 |
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![]() | メルサリアからのメッセージ 「わたしはすでに、アンビエント・ユニットとしてドゥルガーに接続されている。不思議と……心地よい気分だ」 |
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![]() | 連盟残党のオペレーター『レンネニア』 「バルーナス様……どうやら、ここまでのようです。この管制も放棄せねばなりません」 |
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![]() | 連盟残党のオペレーター『レンネニア』 「辺境レジスタンス・連盟残党混成部隊は、すでに脱出に向けて動きました。私がここで皆を指揮し……最後に残ります」 |
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![]() | 連盟残党のオペレーター『レンネニア』 「私一人の犠牲で皆に貢献できるなら……私は……私は……」 |
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◆訓練
反応の訓練をしました反応が220上昇した
◆破棄
エイビィは軽装フライトプラン55を破棄した!!
100c相当の資材を手に入れた
100c相当の資材を手に入れた
エイビィは軽装フライトプラン57を破棄した!!
100c相当の資材を手に入れた
100c相当の資材を手に入れた
エイビィはピラミッド構造56を破棄した!!
100c相当の資材を手に入れた
100c相当の資材を手に入れた
エイビィは「ギルデンロウさん作製費用払って下さい」を破棄した!!
817c相当の資材を手に入れた
817c相当の資材を手に入れた
エイビィはロケットモーター57を破棄した!!
100c相当の資材を手に入れた
100c相当の資材を手に入れた
エイビィは追討用頭部A-02『ハイペリオンⅡ』を破棄した!!
646c相当の資材を手に入れた
646c相当の資材を手に入れた
エイビィはA-Magiを破棄した!!
534c相当の資材を手に入れた
534c相当の資材を手に入れた
エイビィはミリアサービス式薄装操縦棺『ガイナード』を破棄した!!
612c相当の資材を手に入れた
612c相当の資材を手に入れた
◆送品
エイビィはニーユ=ニヒト・アルプトラに中多脚『ライコスデイ』を送品した
◆送金
◆受品・入金ログ
ニーユからミリアサービス式薄装棺『コーテシア』が届いたニーユからVR-A.U.R.A.が届いた
ダイスからアロマミスト54が届いた
リーから2000cが送金された
◆購入
エイビィはfollia・molte・grandeを1464cで購入した!!
エイビィは天上天下弍を1464cで購入した!!
エイビィはAbfallを667cで購入した!!
エイビィは瞬間霊送箱『Donner』を576cで購入した!!
エイビィはLustを1464cで購入した!!
◆作製
資金を1000を投入した!!
作成時補助発動! 薄防!! 防御値が 57 減少!!
噴霧強化!
作成時補助発動! 薄防!! 防御値が 57 減少!!
噴霧強化!
VR-A.U.R.A.とアロマミスト54を素材にしてBN-BEYONDtheNOONTIDEを作製した!!
◆戦闘システム決定
バーサーク に決定!!
◆アセンブル
操縦棺1にミリアサービス式薄装棺『コーテシア』を装備した
脚部2に天上天下弍を装備した
スロット3にAbfallを装備した
スロット4に改良型エネルギーコアを装備した
スロット5に高握力エンジンA-07『イスヒスⅡ』を装備した
スロット6にCB-7を装備した
スロット7にLustを装備した
スロット8に瞬間霊送箱『Donner』を装備した
スロット9にfollia・molte・grandeを装備した
スロット10にCB-7を装備した
スロット11に星の晩鐘を装備した
◆パーツ改名
◆パーツアイコン変更
◆僚機設定
ニーユ=ニヒト・アルプトラとバディを結成した!!
◆意思表示設定
意志設定……生存優先
◆ミッション
ミッション設定……ミッションD
ルオシュからの信用……♦♦♦♦♦♦♦♦
ユニオン活動
MP社関連企業所属の活動記録
マヴロス・フィニクス(MAVROS PHOENIX)社は残像領域に存在する複合企業(コングロマリット)
買収・分裂・独立、政争を繰り返した結果、関連会社同士で企業間戦争を行うこともあるほど混沌とした様相を呈す。
そのエンブレムは『黒い不死鳥』であるが、マヴロス・フィニクスがすべて灰になることはない。
マヴロス・フィニクスには頭はない。ハイドラが操縦棺というコアを有するのとは対照的に、どこを潰されても、どこかが生きていれば、黒い不死鳥は生き続ける。
このユニオンは、MP社に関連するハイドラライダーが加入する互助組織の一つ。
あなたは『本社』と呼ばれる複数の部門のどれかに囲われているかも知れない。
あるいは、小さな関連企業の大事な奥の手かも知れない。
いずれにせよあなたは企業の利益のために戦うことを命じられている。あなたの肚の裡は、誰にもわからないけれど。
買収・分裂・独立、政争を繰り返した結果、関連会社同士で企業間戦争を行うこともあるほど混沌とした様相を呈す。
そのエンブレムは『黒い不死鳥』であるが、マヴロス・フィニクスがすべて灰になることはない。
マヴロス・フィニクスには頭はない。ハイドラが操縦棺というコアを有するのとは対照的に、どこを潰されても、どこかが生きていれば、黒い不死鳥は生き続ける。
このユニオンは、MP社に関連するハイドラライダーが加入する互助組織の一つ。
あなたは『本社』と呼ばれる複数の部門のどれかに囲われているかも知れない。
あるいは、小さな関連企業の大事な奥の手かも知れない。
いずれにせよあなたは企業の利益のために戦うことを命じられている。あなたの肚の裡は、誰にもわからないけれど。
ユニオン金庫……1000c
利子配当…………100c
反応の訓練をしました
反応が1上昇した
反応の訓練をしました反応が1上昇した
反応の訓練をしました反応が1上昇した
格闘の訓練をしました格闘が1上昇した
格闘の訓練をしました格闘が1上昇した
100c支払い、今回の戦闘において機動力を3%強化した
メッセージ
ENo.4からのメッセージ>>

軽快な動きで走り去っていく。
ENo.256からのメッセージ>>
ENo.286からのメッセージ>>
メッセージを送信しました
>>Eno.303 >>Eno.4
![]() | エルア 「……。」 |
---|
![]() | エルア 「何だ。それともあんたが然るべきところに運んでくれたか?」 |
---|
![]() | エルア 「後のことは俺がやる。あんたはせいぜい、残りも死なないように立ち回ってろ」 |
---|
![]() | エルア 「そのくらいやってもらわないと困るんだよなぁ、偽りの幸運さんよ」 |
---|
![]() | エルア 「――うるっせーな誰に聞いた!!」 |
---|
![]() | エルア 「……あんたより俺のほうが……やめたやめた。」 |
---|
![]() | エルア 「残りもよろしく頼みますよ、“僚機”」 |
---|

軽快な動きで走り去っていく。
ENo.256からのメッセージ>>
![]() | バルト 「今更あがいたってしょうがねえ。それならいつもどおり出来る事をするまでって話だよ。そんなおかしい話じゃねえだろ」 |
---|
![]() | バルト 「世界が変わっても場所があるならオレは走るし、戦うさ。それが必要とされるならいくらでもな」 |
---|
![]() | バルト 「お互い、縁がありゃまたどっかであえるだろ。あんま無茶すんなよ」 |
---|
![]() | エマ 「そうだ、ナ。幸い、まだこの指はグリップを握れル。 目はインジケーターに注意できるシ、耳は気配を潜めて近寄るウォーハイドラの駆動音を探れル」 |
---|
![]() | エマ 「どうやら私は、オマエの言う、ただ待ってはいられない者の一人らシイ。 たぶん、エイビィもそうだロウ? (少女は、絶対にそうだという確信に満ちた顔であなたを見た)」 |
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![]() | エマ 「黒鉄の咆哮を響かせよう。たとえ醜く、浅ましく、争うだけが我々の存在意義だとしても」 |
---|
![]() | エマ 「……ビデオの再生の仕方、教えてくれてありがとナ」 |
---|
![]() | エマ 「これで、通信を終える。……God bless you, good luck.」 |
---|
メッセージを送信しました
>>Eno.303 >>Eno.4
◆戦闘結果

戦闘報酬
明日の戦場
第27ブロック
最終性能評価試験
きみは、何を見つけた? 何と出会って、何を得て、何を失って――わたしは、もう十分に見つけたんだ。この霧の戦争で。だから、きみも――
来週の霧濃度:0%
来週の電磁波:0%
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キャラデータ
名前
『偽りの幸運』エイビィ
愛称
エイビィ
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プロフィール
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エイビィ 残像領域に存在する複合企業の中のひとつに所属するハイドラライダー。企業の利益を優先し、時に自分の命を棄てるような戦術さえ取ることもある、戦場の犬。 その名は、単純にアルファベットのAとBを意味する。 ハル エイビィがメカニックとして連れている少女。人間嫌い。 『キャットフィッシュ』 エイビィの母艦。居住性と安定性を重視した小型艦であり、通常自動操縦で航行する。 『ライズラック』 エイビィの乗機。抵抗の少ない流線型のフォルム。その顔はスズメバチを思わせる。 Mist of war Rejection アルファベットの境界線 http://irahara.sakura.ne.jp/ab/ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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機体データ |
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1 | 操縦棺A | ミリアサービス式薄装棺『コーテシア』 [56/薄装甲/薄装甲]《装備:1》 | ▼詳細 |
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2 | 軽逆関節A | BN-BEYONDtheNOONTIDE [57/幻想噴霧/幻想噴霧]![]() 機動[1345] 跳躍[570] AP[596] 旋回速度[2281] 防御属性[粒子] 防御値[190] 貯水量[148] 噴霧量[250] 積載量[2100] 消費EN[182] 金額[1479] 重量[800] [逆関節] *作者* |
▼詳細 |
3 | 素材 | バッテリー58 [58/出力/---] 特殊B[840] [素材] |
▼詳細 |
4 | 電磁アックスA | follia・molte・grande [56/高圧軽量/高圧軽量]《装備:9》 火力[5266] 連撃数[1] 防御属性[物理] 防御値[451] 貯水量[205] 弾数[9999] 武器属性[漏出] 異常追加[15] 消費EN[2222] 金額[1464] 重量[82] [電子格闘] *作者* |
▼詳細 |
5 | エンジンB | 黒鉄式無銘エンジン『虚骸』 [55/---/---] | ▼詳細 |
6 | 重ブースターA | CB-7 [55/出力/高握力]《装備:10》 | ▼詳細 |
7 | 噴霧機A | SolarEclipse [54/力場装甲/高圧回復] | ▼詳細 |
8 | ヒートソードA | 蹌踉刀ビフレスト [44/重圧応力/重圧応力] 火力[2665] 連撃数[1] 防御属性[火炎] 防御値[1088] 精度[206] 貯水量[362] 弾数[5] 武器属性[漏出] 異常追加[30] 消費EN[141] 金額[1289] 弾薬費[50] 重量[218] [火炎格闘] *作者* |
▼詳細 |
9 | エンジンB | 黒鉄式防衛エンジン『献身』 [54/装甲/AP回復] | ▼詳細 |
10 | 電磁アックスA | 情熱のアラビアータ~激辛~ [50/薄装甲/薄装甲] 火力[4330] 連撃数[1] AP[-100] 防御属性[物理] 防御値[425] 貯水量[193] 弾数[9999] 武器属性[漏出] 異常追加[15] 消費EN[1984] 金額[1377] 重量[100] [電子格闘] *作者* |
▼詳細 |
11 | エンジンA | 高握力エンジンA-07『イスヒスⅡ』 [52/高握力/高握力]《装備:5》 | ▼詳細 |
12 | 重ブースターA | CB-7 [55/出力/高握力]《装備:6》 | ▼詳細 |
13 | エンジンA | 複合式低奏エンジン『レクシーダ』 [44/高握力/高握力] | ▼詳細 |
14 | 軽二脚A | 軽二脚『ポーラーベアⅡ』 [54/重圧応力/重出力]![]() 機動[1500] 跳躍[414] AP[723] 旋回速度[1552] 防御属性[物理] 防御値[295] 貯水量[144] 積載量[1900] 消費EN[497] 金額[1435] 重量[808] [二脚] *作者* |
▼詳細 |
15 | エンジンC | 改良型エネルギーコア [55/重圧応力/重圧応力]《装備:4》 | ▼詳細 |
16 | 重ブースターA | [純正]ねこをかむ [51/重圧応力/高握力] | ▼詳細 |
17 | ナパーム砲A | ダイヤのクイーン [53/薄装甲/薄装甲]![]() 火力[663] 発射数[4] AP[-106] 防御属性[火炎] 防御値[821] 精度[723] 貯水量[13] 弾数[18] 武器属性[速射] 異常追加[40] 消費EN[7] 金額[646] 弾薬費[10] 重量[-28] [火炎射撃] *作者* |
▼詳細 |
18 | 腕部B | Suman-Teccoh-Rock [51/重圧応力/重圧応力] | ▼詳細 |
19 | 腕部B | 星の晩鐘 [55/重圧応力/重圧応力]《装備:11》 | ▼詳細 |
20 | レーダーB | 肆型レーダーユニット16 [52/薄装甲/薄装甲] | ▼詳細 |
21 | 飛行ユニットA | 天上天下弍 [56/重圧応力/重圧応力]《装備:2》 飛行[420] AP[734] 旋回速度[220] 防御属性[電子] 防御値[241] 貯水量[293] 噴霧量[294] 消費EN[654] 金額[1464] 重量[212] [飛行補助] *作者* |
▼詳細 |
22 | エンジンA | Abfall [56/高握力/高圧軽量]《装備:3》 | ▼詳細 |
23 | 領域瞬間霊送箱A | 瞬間霊送箱『Donner』 [56/薄装甲/薄装甲]《装備:8》 | ▼詳細 |
24 | 腕部B | Lust [56/幻想精密/幻想精密]《装備:7》 | ▼詳細 |
25 | 領域瞬間霊送箱A | 試製耐粒領域瞬間霊送箱A-0 [55/耐粒/高圧躍動] | ▼詳細 |
26 | ヒートソードA | 蹌踉刀ビフレスト [44/重圧応力/重圧応力] 火力[2665] 連撃数[1] 防御属性[火炎] 防御値[1088] 精度[206] 貯水量[362] 弾数[5] 武器属性[漏出] 異常追加[30] 消費EN[141] 金額[1289] 弾薬費[50] 重量[218] [火炎格闘] *作者* |
▼詳細 |
27 | 重ブースターA | [純正]ねこまんま [52/出力/高握力] | ▼詳細 |
28 | 素材 | 特殊合金58 [58/重装甲/---] 特殊B[840] [素材] |
▼詳細 |
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