ENo.0559　Love Brain Second Season

残像領域より帰還して数年。
私が持ち帰ったハイドラ、データを基に人類は最終決戦兵器を開発。
長きに渡る戦争に終止符を打つために、初めて人類側から打って出る事となった。
私は残像領域での経験を買われ、Peacemaker部隊を指揮する立場となった。
私は単独行動の方が得意なのだが、もしかしたら最後の任務になるかもしれない……
私が適切だと上層部が判断したのならば、黙って遂行するのみだ。



……だが、ああ……
やはり、私は命令を下す器ではないな……



一人、また一人撃墜されていく私達。私の、妹達……
妹達が命を賭けて切り開いてくれた道。
そう簡単に塞がせはしない……無駄になどするものか。
叫びたくなる心を抑え付けて、私は敵の中枢部へと進んでいく。



……私がセカンドとなった意味。
それは、この日のためだったのかもしれない……



私は敵の頭脳部へと到達した。
多大なる犠牲を払って……
何人、妹達は生き残っているか……それすらも判別が出来ない。



どうか、どうか、少しでも多く生きていてくれ……



私は薄れ行く意識の中で願った。
残像領域から持ち帰ったハイドラを改修した機体も、厚い弾幕により装甲はボロボロ。生命維持装置も後数分で停止する事だろう。
敵の手に渡らぬよう、自爆機能を追加しておいてよかった。
霧が消えた今、残像領域に戻る術は残されていない。
私の機体が消滅すれば、ハイドラを復元する手段も完全に失われる。
これからの私達が、私の妹達が生きていく未来に、強力な兵器を継承せずに済む。
平和な時代にこんな兵器は必要ない。
そんなものなどなくとも、人類は生きていける。
そう、信じている……
私もまた戦乱の時代と共に消えよう。
私一人の犠牲で敵の指揮系統を壊す。



……またいつか、なんて……私には少し贅沢だったか……



――――



…………



……、……――――



…………？



……ったく……――――



だ、れ……？





全く……やっぱり、お姉ちゃんが居ないとダメみたいね！――――





ファースト……？










――長きに渡る人類と機械との戦争は、人類側の勝利で終結した。
出撃した制御用生体ユニット『Peacemaker』シリーズは全滅。
上層部は生産途中の数体を残し、計画の凍結を決定。
新たなる計画『Humanrestart』を開始した。





散っていった者達に平穏を
遺された者達に安寧を

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