ENo.0266　フレデリック・ボウマン

「……」

「鋼の鬼か……」

静寂と冷気が格納庫を包む。

禁忌戦争から五年。その間には資源を、領土を限りあるものを奪い合い戦いが各所で散発的に起きていた。
時代が、世界が変わったということはそういうことなのだ。
新たなものが拓くというだけではない。新たなものが現れないものもある。
そして変わらないものもある。
ハイドラという”力”だけは、この世界では普遍のものであろう。

故に我々はミストではなく新たな実用に耐えうるエネルギーを開発することを目指した。
新たな世界を拓くために。新たな境地を目指すために。

ここ次世代エネルギー計画施設もそのひとつ。
禁忌戦争後に居場所を失ったミストエネルギーの研究者や方々で職を失ったもの達が集まって出来た組織である。

「……」

手袋越しの指で手すりを弾く。
聖なる鐘楼のごとく、金属を弾く音が格納庫に響いた。

研究中のユニットの調整稼動準備が始まる……

「此度の遺跡調査、そしてその最深部にあるもの如何ではまた世界は転ずるかもしれんな」

再び訪れた静寂の後に呼び出しの電子音が鳴る。
近くにいた研究者は二度三度、男に伝えれば男は静謐の間を後にしていく。
五年は長く、短かった。

民間教練大隊Division:Dは禁忌戦争後に高まるウォーハイドラとライダー需要から設立された
軍事教育と目的とした民間軍事会社です。

教練を受ける資格はライセンスの所有
また教練を行う資格もライセンスの所有です。

また教育をうけたライダーに仕事を斡旋することも業務に含まれており
現在は訓練及び実地訓練、そして遺跡への威力調査及び収集を目的としています。

尚、現在探査の都合上いくつかの地上艦艇が派遣作戦指揮所となっています。
業務上全て公示されているわけではありませんが【ラングレー】【Ａヒッパー】【インディアナポリス】の所有を公表しています。

・セクション

【残像領域本部】━【派遣事業部】━【各派遣調査部隊】
　　　　　　　　━【基本教練部】━【各教練部隊】

※格闘訓練特化ユニオンです。