ENo.0188　ひよ子

えんぴつを耳にかけながら、設計書を眺めている。

「うーん、今日は何を作るっすかねえ。」

手持ちにある設計書はエンジンの設計書が２枚と重車輪の設計書が１枚。

それを机の上に雑に起きながら、他の者が出品している素材の情報が記載されている小さなモニタに目をやる。

ひよ子は真剣な眼差しでモニタを見ているが、あまり内容を理解していなかった。

まだこの世界に来てから日の浅いひよ子には、どれが需要のあるパーツなのかまだわからないようだ。


「そういえば、まだ昼飯を食べてなかったすね……。」
「めんどくさいので、携帯食料にしちゃいましょう！」

ひよ子は少し伸びをすると、適当なブロック状の携帯食料を手に取り、食べ始めた。

好みの味だったのか、少しごきげんである。

しばらくすると、口の中の水分を全て持っていってしまった携帯食料を水で無理やり流し込んだ。

「栄養バランスもばっちし、腹ごしらえにも最適！ただ、このパサパサなのはいただけないっすねー。」

「ふむ、今度これを使って料理でもして……いや、それだと肝心のお手軽というアイデンティティがなくなってしまうっす！！」

「うーむ、難しい問題っすね……、これは今度じっくり考えねば……。」

ひよ子は一度携帯食料のことはおいておき、再び設計書の方を眺めることにした。

「……ん？そういえば、まだ武器を作ったことってないっすよね……？」

「そうだ！いったん、この設計書は見なかったことにして新しいのでも１から考えてみるっすかね！！力こそが正義っす！」

乱雑に置かれていた設計書を雑にまとめ、棚へと放り込んだ。

新たに取り出したメモに”焼夷機関砲”と書き込み、再び小さなモニタとにらめっこをはじめるのだった。

頑張りましょう