ENo.0218　ツギハギのマ王

人はなぜ酒などというものを嗜むのだろうか。
正直なことを言えばあんなものを楽しむなどとてもじゃないが普通の思考ではない。元々から食べられるものをわざと腐らせるのだ。人間は自らの身体に良い場合を発酵、悪い場合を腐食と言い分けているようだが、私から見れば酒は間違いなく腐食だ。
アルコールは経口摂取に向いているわけでもない。消毒として使用するならまだわかるが、あれは純粋なアルコールでなければ意味がないし、人間が飲む酒と呼ばれるものは大概が3～5％でむしろ虫が寄ってくる。それを腹の中に入れるなど臓器の処理を増やしているだけだ。
ワインはそのままでも飲めるグレープジュースをわざわざ苦く加工したものだし、ビールはそのままで飲めたはずの酒をさらに放置した馬鹿者が勿体ないからと飲んで発見されたものらしい。それなのに皆一様に美味しいと言うのだ。調べるほどにわけがわからない。
とまあ散々なことを言ったわけだが、私自身は酒が大好きだ。なぜなら身体に悪いから。
酒を飲むと身体の中からどろどろに爛れていくのが感じられる。脳も蕩けて思考が纏まらなくなる。狂う、という普通であればまず経験できないことが、たったコップ一杯で簡単に出来るのだからこれほど楽な事も無い。何よりその状態に陥ると、更に深みに嵌るためなのか酒へ伸ばす手が止まらなくなる。いわゆる依存性というものだ。私は自分以外への催眠時にもたまに使う。
いわば酒が欲しい、という欲求が増えるような状態だ。このような状況を解析すれば人間がどのような状況下で何を求めるのか知ることができるのではないだろうか。

移動型ガレージ。
この手の機種は本来、フリーランサーの稼ぎでは手が届きにくいとされている。
設備も上質な品が揃っており、これを調達するための金の流れに妙なものを感じるかもしれない。