ENo.0132　パド・パラドクス

「今回のコロッセオは物理レギュじゃないみたいだ」パドは言う。

「……だから？」トリッピ―は続きを促す。

「まずFCSを外して重ブーAを4つ積みます」

「……QDが増えて、機動力が上がる！」

「次に雷球領域と粒子爆雷を積みます」

「……非効率なシフト格闘を諦めて、連動攻撃狙いですね！」

「後は格闘の神に祈る。はい、出撃は明日！ もう寝るよ！」

「……もしコロッセオでいい成績を残せたら」

「ん？」

「……天然オイルです。約束ですよ？」無口なトリッピ―は、少し声を振り絞る。

「ああ。もちろん」笑うパド。

　その瞳は炎を宿したかのように燃え、やがて来る『未来』に備える。

「待っていろよアリューカ。必ず……故郷に帰るからな」

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ユニオン金庫が0cになると死亡する――そんな情報が流れてきたのは出撃の直前だった。

第7回用のブックを急いで取り消し、パドは借金取りから逃げるべく駆け出した。賭博はほとんど違法行為だ。霧のひとの好意で見逃されてきたにすぎない。スーハ―。何かに気付き、パドは裏通りに取って返し、呼吸を止める。取り立て屋たちが表通りを走っていく。明らかに、パドは狙われていた。八百長 is 死

パドは10倍ブックを開いて30000cを貯めるという作戦が、あっけなく瓦解したことを知っていた。そして次はブック自体への死亡リスクだ。賭場を開くこと自体がノーリスクのまま放置されるはずもない。帰還のためとはいえ、パドは焦りすぎていた。「作戦を変えるしかないな……」それは手痛い方針転換だった。

いやー霧5期は最高だったな。未来人の集う場所だよ。まあ、『リアルタイム』っていうのも、悪くないね