ENo.0209　赤目

「私の師匠は芸術家」うん、何も嘘はついていないな。
先生はよく言っていた。殺しは極めれば芸術にまで昇華する、ってね。だから私の中ではあの人は芸術家だよ。
私は何処かの紛争地域で生まれた子供のように、殺しを生業にするしか選択肢がなかったわけじゃない。少女時代、その芸術を目の当たりにしてしまって、それしか考えられなくなってしまったんだ。だから余計に罪深く、人殺しが落ちる地獄の中でも、いっそう深い場所にまで落ちるだろう。あのキラークラウンや、満月の狂人と肩を並べてね。
その先生はどうしたかって？今頃とっくにそいつらの横に並んでいるよ。ファントムに決闘を申し込まれて、死期を早めちまったからね。

ファントムはランキングに巣食う生態系管理システムのような奴で…
その前にランキングの説明をした方がいいか。殺し屋ギルドにはランキングがあって、下位者は上位の者に決闘を申し込むことができる。勝者はランキングの順位という名誉と、そして敗者は、勝者が選択した「命以外の何か」を奪われる。その者の持つ財産、愛する人、己の手足…勝者が望むあらゆるものを差し出さねばならない。それはギルドのスパルタな戒律に依るところがあって…、ザトーイチって昔の映画みたいに、何かが欠けてしまった者は、時に満ち足りた者よりも多くそれを補い超人となるから、だそうなんだけど…超人どころか、失ったものが大きすぎて、復帰できずに消え去る者が殆どなのが現実ね。

で、必然的に上の順位に片っ端から喧嘩売るような奴は返り討ちにされて不具者になる可能性も高いわけで、そうなるとランキングにはプライドよりも生き残りを取る平和主義者どもがのさばるようになる。ファントムはギルド側がランキングに忍ばせた浄化装置で、そういった変化を受け入れなくなった奴を決闘のシステムを使い選別する。ボンサイの不細工な枝を鋏で切るみたいに…ね。（人差し指と中指をなんどもくっつけたり離したりするジェスチャーが入る）

私の先生もそいつにやられて目玉を両方奪われた。かつての技は見る影もなくなったけど、引退はしなかった。音で目を補う訓練を続けて、最後の方はひょっとしたら彼女は本当にザトーイチになるんじゃないか？って思った。
三ヶ月振りに外へ出た彼女は、赤信号の道路を渡ってそのまま車に跳ねられて死んだ。野良猫が、よくそうなるみたいにね。街の喧騒は、彼女が理想を体現するにはあまりにも…（俯いたまま、数十秒の沈黙の後、映像が終わる）

営業時間 AM11:00～AM 9:00
※最終受付 AM 8:00
（AM 2:00～AM 5:00は入浴できません）
　　　　　　大人　600c
　　　　　　子供　300c

朝風呂料金
(AM5:00～AM9:00までのご利用料金)
※最終受付 AM 8:00
　　　　　　大人　300c
　　　　　　小人　100c
深夜追加料金 (AM2:00以降)
　　　　　　大人　400c
　　　　　　子供　200c
岩盤浴

　　　　　　大人　300c
　　　　　　子供　100c

回数券料金 (20枚)15000c

コーヒー牛乳・フルーツ牛乳・ラムネ　各150c
ソフトクリーム300ｃ
カレーライス300ｃ（甘口+100c）