第4週目 『偽りの幸運』エイビィの一週間
◆日記
『ライズラック』がビルの影から飛び出し、ブレードをゴーストへ向かって突き上げるのに、一呼吸もかからない。
ゴーストは避ける動作をとるが、明らかに遅い。
「死人にそんなこと言われちゃあね!」
エイビィが叫ぶと同時に、ゴーストの腕がライフルもろとも切り飛ばされる。切断面から火花が散ることはなかった。すでに朽ちた機体なのだ。
《お前は死んだはずだ》
ゴーストの残った腕が振り上げられる。何も持っていないうえに、動きも鈍い。
避けられる、と思った。
だが瞬間、衝撃が走り、『ライズラック』が地面に叩きつけられる。エイビィは息を詰め、『ライズラック』の『翅』を閉じた。『翅』を守るためだ。
「霊障……!」
忌々しげに叫んで、エイビィは『ライズラック』の体を起こした。正面に展開した画面が、計器のアラートを告げてくる。動きに支障がないことを確認して、すぐにエイビィはすぐさま表示を消した。
弾薬も尽き、刃も折れたウォーハイドラが、尋常ならざる力を発揮して生還することがある。
あるいは見えない手。
あるいは衝撃波。
あるいは壊乱の渦。
そしてあるいは、相手の動きを阻害する透明なゼリー。
現れ出る力は様々だが、霊障と呼ばれるこの現象は、残像領域では珍しいものではない。
失念していたのは、この霊障と呼ばれる現象が、機体と搭乗者が揃って初めて起こるものだという感覚があったからだ。
あの声を聞いてなお、朽ちかけたウォーハイドラに生身の人間が乗っていることはないと、エイビィは確信している。
だが、あのウォーハイドラが残像領域の、あるいはHCSによる"不可思議な力"によって動かされているのだとしたら、霊障を起こさない方が不自然とさえ言えるだろう。迂闊だった。
《お前は……死んだはずだぞ!》
雑音に塗れているのは変わらないものの、ゴーストの声は先ほどよりもずっと鮮明に聞こえるようになっている。
とは言え、同じ言葉を繰り返しているに過ぎない。エイビィは頭痛を覚えていた。死んだはずであるの相手がそこにいるなら、殺し直さねばならない。ゴーストの動きもまたそう言っている。
《死んだはず……》
ゴーストが再び手をこちらに向かって突き出した。こちらが『翅』を開く前にケリを付けようというつもりだろう。エイビィは舌打ちして、『ライズラック』を大きく後ろに下がらせる。
面倒なのは、相手の射程が把握できないことだ。大雑把な回避にならざるを得ず、反撃もやりづらい。
《お前は、死んだはずだ》
死んでいるのはそっちだと、怒鳴り返す間はなかった。不可視の波が濃霧をかき乱し、急激な変化に計器類が一斉にアラートを上げる。
残像領域を覆う霧に砂埃が混ざるのをカメラで視認し、エイビィは舌打ちする。ゴーストがセンサーに頼らずこちらを捕捉しているならば、視界が悪くなればなるほどこちらの分が悪い。しかも。
《お前は……》
言葉とともに霧と埃の向こうから押し寄せた衝撃を、『ライズラック』は避けることができなかった。ゴーストの姿が視認できない状態では、予備動作を確認するも何もあったものではない。姿勢を制御し、倒れないようにするのが精いっぱいだ。
《……死んだはずだ!》
足を止めた『ライズラック』の頭上から、打ち据えるように衝撃が襲った。
『ライズラック』は再び地に縫い止められ、操縦棺の中がランプで赤く染まる。
「ングッ……」
目が眩み、体中が軋みを上げるのを堪えながら、エイビィはなんとか操縦桿を握り直した。
衝撃によるものではない吐き気と違和感が、体中を支配しようとしていた。霊障による攻撃を受けた際、精神的なショックを受けてカウンセリングの世話になるハイドラライダーもいるという話だが、その類でもない。
ただ、ゴーストが、同じ言葉を繰り返している。
死んだはず、死んだはず、死んだはず。
……そんなわけはない、ばかなことを言っていると思っても、毒のように言葉が染み込んでいった。それが、堪えがたく、体中を掻き毟りたいような気分に陥らせる。
死んだはず。
もしそうならば、ここでばらばらにされるのが正しいのだろうか。
「……あたしは」
《エイビィ?》
思考を遮るように――
ヘッドフォンから聞こえた声は、ゴーストのものではなかった。舌ったらずな、少女の声。
エイビィは反射的に操縦桿を動かし、『ライズラック』をその場から飛びのかせた。それと同時に、衝撃波が先ほどまでいた場所を破壊していった。
「――ハル?」
《なにかあった? みんながいるところから、はなれてる」
「ああ――」
ブレードから速射砲へ武器をスイッチし、『ライズラック』は旋回しながら高度を上げる。Gに押しつぶされ、手ひどく叩きつけられた体が悲鳴を上げるが、止まるわけにはいかなかった。動き回りながら、ゴーストの方へ弾をばら撒いていく。
『キャットフィッシュ』はこの濃霧でも、『ライズラック』の反応だけは見失わないように設定されている。主戦場から離れ、留まり続ける『ライズラック』を見て、妙に思ったのだろう。
《どうした?》
「大丈夫。すぐに戻るわ」
訝しげな少女の声に短く返して、エイビィは大きく息を吐いた。
『ライズラック』の飛跡に追いすがるように、霧が歪み吹き散らされていく。こちらがばら撒いた弾に手ごたえはなく、声も先ほどから途切れてはいないが、こちらが上空にいるおかげで、砂埃の方はましになっていた。霧の向こうに、壊れた人形のように腕を振るい続けるゴーストの姿が見える。
(ように、じゃないわね)
同じ言葉を繰り返し、同じ動作を繰り返し、片腕もなく頭もない。操縦棺が空のハイドラなど、ただの抜け殻、人形だ。それでも『ライズラック』を見失わないのは不気味であったが。
「ハル」
通信回線を『キャットフィッシュ』のものからだけに絞り、エイビィはハルへ声をかけた。
外部マイクから集音されるノイズが消えることはなかったが、ゴーストの声はふつりと途切れる。
《なに?》
「もう一度、名前を呼んでもらえる?」
《え?》
「いいから、もう一回だけ。あたしの名前を呼んで」
聞き返してくるハルに繰り返し、エイビィは残弾を残したまま、再び武器をブレードへとスイッチする。
少しの沈黙があった。迷うような少女の息遣いが、ヘッドフォンの向こう側から聞こえ、
《……エイビィ》
「ありがとう」
ハルに短く返して、エイビィは『ライズラック』をゴーストの方へ突っ込ませた。『翅』を閉じ、まっすぐに相手へ突っ込んでいく。
隻腕の巨人は、なんの動揺もなく腕を振るった。だが、霊障が『ライズラック』を捉えることは、もうない。エイビィは、既にゴーストの霊障の効果範囲を把握していた。
衝撃波をかいくぐり、『ライズラック』はブレードを頭部を失ったゴーストの首のジョイントへ突き立てる。粒子ブレードが操縦棺ごと、ゴーストを縦に刺し貫いた。
瞬間、ノイズが大きく膨れ上がり、そしてすぐさま途切れる。
「…………」
機体が傾ぐのを感じ取って、エイビィはブレードを引き抜いた。『翅』を開き、『ライズラック』を後退させる。
ゴーストはそのまま、糸が切れたようにゆっくりと倒れていった。地響きとともに砂埃が舞い上がり、そのまま、ピクリとも動かなくなる。
「はあーっ……」
ようやく大きく息を吐いて、エイビィはシートに沈み込んだ。
気づけば、汗みずくになっていた。骨折はないようだが、相変わらず体のいたるところが痛い。『ライズラック』もところどころガタついている。だが、戦場に戻らないわけにはいかない。レーダーの光点を確認しながら、エイビィは『ライズラック』を上昇させた。
《エイビィ、何だったの?》
「なんでもない。今から戻るわ。……幽霊と、戦っていただけ」
旨味が残っていればいいけれど、などと考えながら、エイビィは通信回線をそっと開く。
ノイズは、もう聞こえなかった。
◇ ◆ ◇
戦闘が終わった後にエイビィはゴーストの機体をあらためたが、やはり操縦棺は空だった。
シートには古く乾いた血がわずかにこびりついていただけ。死体さえない。
そもそも機体も、よく見ればずいぶんと古いもので、記憶にある男が乗っていたウォーハイドラかも怪しかった。
(……でも、あの時聞いたウォーハイドラの駆動音、確かに聞き覚えがあった)
タオルで髪を拭きながら、エイビィはぼんやりと考え込む。聞き間違えとは思わない。自分の感覚と記憶によって、今まで生き残ってきたからだ。
いずれにしても、よくあることで済ませられることといえば、そうだった。ただ、自分が初めてそれに遭遇しただけで。
死んだ男が、朽ちたウォーハイドラを無理矢理動かして、自分と同じ場所へ引きずり込もうとした。よくある怪談。そして、残像領域はそれが起こりうる場所なのだ。
「……エイビィ」
洗面台の鏡を見やって、映る自分の像に小さく呼びかける。鏡の中の男は、顔色が悪かった。見慣れている自分の顔。
空気の抜けるような音が耳に届いた。Se=Bassの腕が天井から降りてきて、トレーをテーブルに置くところだった。並んでいるのはパスタに、パンプキンスープ、そしてコーヒー。
エイビィは唇を歪める。
「Se=Bass、コーヒーに塩は入っていないわよね?」
問いかけると、Se=Bassの腕についたランプが赤く明滅し、否定を示す。安堵の息をついて手を振ると、腕は滑らかに天井へと戻っていった。
鏡を振り返ると、そこには相変わらず青白い顔が映っている。その腰に、古い手術痕が残っているのが目に入る。……
エイビィは鏡から顔を背けた。
ゴーストは避ける動作をとるが、明らかに遅い。
「死人にそんなこと言われちゃあね!」
エイビィが叫ぶと同時に、ゴーストの腕がライフルもろとも切り飛ばされる。切断面から火花が散ることはなかった。すでに朽ちた機体なのだ。
《お前は死んだはずだ》
ゴーストの残った腕が振り上げられる。何も持っていないうえに、動きも鈍い。
避けられる、と思った。
だが瞬間、衝撃が走り、『ライズラック』が地面に叩きつけられる。エイビィは息を詰め、『ライズラック』の『翅』を閉じた。『翅』を守るためだ。
「霊障……!」
忌々しげに叫んで、エイビィは『ライズラック』の体を起こした。正面に展開した画面が、計器のアラートを告げてくる。動きに支障がないことを確認して、すぐにエイビィはすぐさま表示を消した。
弾薬も尽き、刃も折れたウォーハイドラが、尋常ならざる力を発揮して生還することがある。
あるいは見えない手。
あるいは衝撃波。
あるいは壊乱の渦。
そしてあるいは、相手の動きを阻害する透明なゼリー。
現れ出る力は様々だが、霊障と呼ばれるこの現象は、残像領域では珍しいものではない。
失念していたのは、この霊障と呼ばれる現象が、機体と搭乗者が揃って初めて起こるものだという感覚があったからだ。
あの声を聞いてなお、朽ちかけたウォーハイドラに生身の人間が乗っていることはないと、エイビィは確信している。
だが、あのウォーハイドラが残像領域の、あるいはHCSによる"不可思議な力"によって動かされているのだとしたら、霊障を起こさない方が不自然とさえ言えるだろう。迂闊だった。
《お前は……死んだはずだぞ!》
雑音に塗れているのは変わらないものの、ゴーストの声は先ほどよりもずっと鮮明に聞こえるようになっている。
とは言え、同じ言葉を繰り返しているに過ぎない。エイビィは頭痛を覚えていた。死んだはずであるの相手がそこにいるなら、殺し直さねばならない。ゴーストの動きもまたそう言っている。
《死んだはず……》
ゴーストが再び手をこちらに向かって突き出した。こちらが『翅』を開く前にケリを付けようというつもりだろう。エイビィは舌打ちして、『ライズラック』を大きく後ろに下がらせる。
面倒なのは、相手の射程が把握できないことだ。大雑把な回避にならざるを得ず、反撃もやりづらい。
《お前は、死んだはずだ》
死んでいるのはそっちだと、怒鳴り返す間はなかった。不可視の波が濃霧をかき乱し、急激な変化に計器類が一斉にアラートを上げる。
残像領域を覆う霧に砂埃が混ざるのをカメラで視認し、エイビィは舌打ちする。ゴーストがセンサーに頼らずこちらを捕捉しているならば、視界が悪くなればなるほどこちらの分が悪い。しかも。
《お前は……》
言葉とともに霧と埃の向こうから押し寄せた衝撃を、『ライズラック』は避けることができなかった。ゴーストの姿が視認できない状態では、予備動作を確認するも何もあったものではない。姿勢を制御し、倒れないようにするのが精いっぱいだ。
《……死んだはずだ!》
足を止めた『ライズラック』の頭上から、打ち据えるように衝撃が襲った。
『ライズラック』は再び地に縫い止められ、操縦棺の中がランプで赤く染まる。
「ングッ……」
目が眩み、体中が軋みを上げるのを堪えながら、エイビィはなんとか操縦桿を握り直した。
衝撃によるものではない吐き気と違和感が、体中を支配しようとしていた。霊障による攻撃を受けた際、精神的なショックを受けてカウンセリングの世話になるハイドラライダーもいるという話だが、その類でもない。
ただ、ゴーストが、同じ言葉を繰り返している。
死んだはず、死んだはず、死んだはず。
……そんなわけはない、ばかなことを言っていると思っても、毒のように言葉が染み込んでいった。それが、堪えがたく、体中を掻き毟りたいような気分に陥らせる。
死んだはず。
もしそうならば、ここでばらばらにされるのが正しいのだろうか。
「……あたしは」
《エイビィ?》
思考を遮るように――
ヘッドフォンから聞こえた声は、ゴーストのものではなかった。舌ったらずな、少女の声。
エイビィは反射的に操縦桿を動かし、『ライズラック』をその場から飛びのかせた。それと同時に、衝撃波が先ほどまでいた場所を破壊していった。
「――ハル?」
《なにかあった? みんながいるところから、はなれてる」
「ああ――」
ブレードから速射砲へ武器をスイッチし、『ライズラック』は旋回しながら高度を上げる。Gに押しつぶされ、手ひどく叩きつけられた体が悲鳴を上げるが、止まるわけにはいかなかった。動き回りながら、ゴーストの方へ弾をばら撒いていく。
『キャットフィッシュ』はこの濃霧でも、『ライズラック』の反応だけは見失わないように設定されている。主戦場から離れ、留まり続ける『ライズラック』を見て、妙に思ったのだろう。
《どうした?》
「大丈夫。すぐに戻るわ」
訝しげな少女の声に短く返して、エイビィは大きく息を吐いた。
『ライズラック』の飛跡に追いすがるように、霧が歪み吹き散らされていく。こちらがばら撒いた弾に手ごたえはなく、声も先ほどから途切れてはいないが、こちらが上空にいるおかげで、砂埃の方はましになっていた。霧の向こうに、壊れた人形のように腕を振るい続けるゴーストの姿が見える。
(ように、じゃないわね)
同じ言葉を繰り返し、同じ動作を繰り返し、片腕もなく頭もない。操縦棺が空のハイドラなど、ただの抜け殻、人形だ。それでも『ライズラック』を見失わないのは不気味であったが。
「ハル」
通信回線を『キャットフィッシュ』のものからだけに絞り、エイビィはハルへ声をかけた。
外部マイクから集音されるノイズが消えることはなかったが、ゴーストの声はふつりと途切れる。
《なに?》
「もう一度、名前を呼んでもらえる?」
《え?》
「いいから、もう一回だけ。あたしの名前を呼んで」
聞き返してくるハルに繰り返し、エイビィは残弾を残したまま、再び武器をブレードへとスイッチする。
少しの沈黙があった。迷うような少女の息遣いが、ヘッドフォンの向こう側から聞こえ、
《……エイビィ》
「ありがとう」
ハルに短く返して、エイビィは『ライズラック』をゴーストの方へ突っ込ませた。『翅』を閉じ、まっすぐに相手へ突っ込んでいく。
隻腕の巨人は、なんの動揺もなく腕を振るった。だが、霊障が『ライズラック』を捉えることは、もうない。エイビィは、既にゴーストの霊障の効果範囲を把握していた。
衝撃波をかいくぐり、『ライズラック』はブレードを頭部を失ったゴーストの首のジョイントへ突き立てる。粒子ブレードが操縦棺ごと、ゴーストを縦に刺し貫いた。
瞬間、ノイズが大きく膨れ上がり、そしてすぐさま途切れる。
「…………」
機体が傾ぐのを感じ取って、エイビィはブレードを引き抜いた。『翅』を開き、『ライズラック』を後退させる。
ゴーストはそのまま、糸が切れたようにゆっくりと倒れていった。地響きとともに砂埃が舞い上がり、そのまま、ピクリとも動かなくなる。
「はあーっ……」
ようやく大きく息を吐いて、エイビィはシートに沈み込んだ。
気づけば、汗みずくになっていた。骨折はないようだが、相変わらず体のいたるところが痛い。『ライズラック』もところどころガタついている。だが、戦場に戻らないわけにはいかない。レーダーの光点を確認しながら、エイビィは『ライズラック』を上昇させた。
《エイビィ、何だったの?》
「なんでもない。今から戻るわ。……幽霊と、戦っていただけ」
旨味が残っていればいいけれど、などと考えながら、エイビィは通信回線をそっと開く。
ノイズは、もう聞こえなかった。
◇ ◆ ◇
戦闘が終わった後にエイビィはゴーストの機体をあらためたが、やはり操縦棺は空だった。
シートには古く乾いた血がわずかにこびりついていただけ。死体さえない。
そもそも機体も、よく見ればずいぶんと古いもので、記憶にある男が乗っていたウォーハイドラかも怪しかった。
(……でも、あの時聞いたウォーハイドラの駆動音、確かに聞き覚えがあった)
タオルで髪を拭きながら、エイビィはぼんやりと考え込む。聞き間違えとは思わない。自分の感覚と記憶によって、今まで生き残ってきたからだ。
いずれにしても、よくあることで済ませられることといえば、そうだった。ただ、自分が初めてそれに遭遇しただけで。
死んだ男が、朽ちたウォーハイドラを無理矢理動かして、自分と同じ場所へ引きずり込もうとした。よくある怪談。そして、残像領域はそれが起こりうる場所なのだ。
「……エイビィ」
洗面台の鏡を見やって、映る自分の像に小さく呼びかける。鏡の中の男は、顔色が悪かった。見慣れている自分の顔。
空気の抜けるような音が耳に届いた。Se=Bassの腕が天井から降りてきて、トレーをテーブルに置くところだった。並んでいるのはパスタに、パンプキンスープ、そしてコーヒー。
エイビィは唇を歪める。
「Se=Bass、コーヒーに塩は入っていないわよね?」
問いかけると、Se=Bassの腕についたランプが赤く明滅し、否定を示す。安堵の息をついて手を振ると、腕は滑らかに天井へと戻っていった。
鏡を振り返ると、そこには相変わらず青白い顔が映っている。その腰に、古い手術痕が残っているのが目に入る。……
エイビィは鏡から顔を背けた。
NEWS
本日のニュースです企業連盟はついに≪月の谷≫に向けて進軍を開始しました
リソスフェア要塞攻略に向けて、企業連盟は3倍の兵員を動員しているといわれます
辺境軍閥は小規模な戦いを繰り返しながら後退し、リソスフェア要塞での決戦を目論んでいるようです
ただ、遺産技術を持つリソスフェア要塞の攻略戦で何が起こるかは未知数です
一方、ハイドラ大隊の総指揮を執る≪霧笛の塔≫は参戦を見送っています
あくまで契約は治安維持であるからということですが、企業連盟の圧力次第では……
ノラ 「こんにちは。霧笛の塔の派遣仲介人、ノラです。いつもお世話になっております」 |
ノラ 「暗いニュースが続いていますね……きっと、それでもあなたは勇敢に戦うのでしょう」 |
ノラ 「皮肉じゃないですよ。それは、誰にもできることじゃないです。地獄の冷たい川底で、燃えるように輝く柘榴石です」 |
ノラ 「私は解雇されます。企業連盟の圧力はそこまで来ています。後任者は連盟の方みたいです。でも、これでよかったんです」 |
ノラ 「私には夢があったんです。田舎で、子犬のブリーダーをやるっていう夢が。さ、残り1週間ですが、最後までサポートしていきますよ♪」 |
◆訓練
反応の訓練をしました反応が15上昇した
反応の訓練をしました経験値が足りない
反応の訓練をしました経験値が足りない
格闘の訓練をしました格闘が12上昇した
格闘の訓練をしました経験値が足りない
◆送品
エイビィはバハルギュルにアンテナ22を送品した
エイビィはニーユ=ニヒト・アルプトラに軽量化プラン22を送品した
エイビィはニーユ=ニヒト・アルプトラに消火装置21を送品した
ニーユからロボットアーム22が届いたクリスからロボットアーム22が届いた
ニーユから150moneyが送金された
◆送金
◆破棄
エイビィは簡易軽逆関節Aを破棄した!!
エイビィは簡易頭部を破棄した!!
エイビィは簡易腕部を破棄した!!
エイビィは簡易速射砲を破棄した!!
◆購入
エイビィは特製レーダー『ラヴァーズセンサー』を660cで購入した!!
エイビィは簡易操縦棺「ヴィブラフォン」を366cで購入した!!
エイビィは工業用粒子カッターを366cで購入した!!
◆作製
ロボットアーム22とロボットアーム22を素材にして戦術用鉄杭『ライノ』を作製した!!
◆戦闘システム決定
アサルト に決定!!
◆アセンブル
操縦棺1に簡易操縦棺「ヴィブラフォン」を装備した
脚部2に軽逆関節『バウンシングテイル』を装備した
スロット3にプロトレーヴェタイプヘッドを装備した
スロット4にBenediktを装備した
スロット5に戦術用鉄杭『ライノ』を装備した
スロット6に戦闘用鉄杭『ウッドペッカー』を装備した
スロット7に粒子エンジン『ウェルク』を装備した
スロット8に特製レーダー『ラヴァーズセンサー』を装備した
スロット9に工業用粒子カッターを装備した
スロット10に試作型エネルギー変換器『AR-001』を装備した
スロット11に飛行用パーツ 『スパロウ』を装備した
◆パーツ改名
◆パーツアイコン変更
◆僚機設定
◆意思表示設定
意志設定……生存優先
ユニオン活動
MP社関連企業所属の活動記録
マヴロス・フィニクス(MAVROS PHOENIX)社は残像領域に存在する複合企業(コングロマリット)
買収・分裂・独立、政争を繰り返した結果、関連会社同士で企業間戦争を行うこともあるほど混沌とした様相を呈す。
そのエンブレムは『黒い不死鳥』であるが、マヴロス・フィニクスがすべて灰になることはない。
マヴロス・フィニクスには頭はない。ハイドラが操縦棺というコアを有するのとは対照的に、どこを潰されても、どこかが生きていれば、黒い不死鳥は生き続ける。
このユニオンは、MP社に関連するハイドラライダーが加入する互助組織の一つ。
あなたは『本社』と呼ばれる複数の部門のどれかに囲われているかも知れない。
あるいは、小さな関連企業の大事な奥の手かも知れない。
いずれにせよあなたは企業の利益のために戦うことを命じられている。あなたの肚の裡は、誰にもわからないけれど。
買収・分裂・独立、政争を繰り返した結果、関連会社同士で企業間戦争を行うこともあるほど混沌とした様相を呈す。
そのエンブレムは『黒い不死鳥』であるが、マヴロス・フィニクスがすべて灰になることはない。
マヴロス・フィニクスには頭はない。ハイドラが操縦棺というコアを有するのとは対照的に、どこを潰されても、どこかが生きていれば、黒い不死鳥は生き続ける。
このユニオンは、MP社に関連するハイドラライダーが加入する互助組織の一つ。
あなたは『本社』と呼ばれる複数の部門のどれかに囲われているかも知れない。
あるいは、小さな関連企業の大事な奥の手かも知れない。
いずれにせよあなたは企業の利益のために戦うことを命じられている。あなたの肚の裡は、誰にもわからないけれど。
反応の訓練をしました
反応が1上昇した
反応の訓練をしました反応が1上昇した
反応の訓練をしました反応が1上昇した
格闘の訓練をしました格闘が1上昇した
格闘の訓練をしました格闘が1上昇した
メッセージ
ENo.2からのメッセージ>>
ENo.4からのメッセージ>>
スー(ぷるぷる)(お冷を持ってきた。二つ。)
スー(ぷるぷる)(サムズアップ!)
ENo.206からのメッセージ>>
モニカ
「あ、えっ、えっと――大丈夫です! す、すみませんっ」
(慌てて目元を袖で拭ってから、ぶんぶんと首を振ってエイビィを見返した。乱れた髪を両手で抑える。)
ENo.233からのメッセージ>>
ガクは声の方向をかけられその方向を振り向いた。随分とがたいがいい男が目の前に立っている。口調はそのがたいから予測されるものとは少々違ったが。
続く男の言葉に、ガクの口から「ほう…」と感心の呟きが零れる
ENo.256からのメッセージ>>
ENo.348からのメッセージ>>
メッセージを送信しました
>>Eno.2 >>Eno.101 >>Eno.235 >>Eno.255 >>Eno.276 >>Eno.286 >>Eno.340 >>Eno.348
キリト 「ああ、知っている」 |
キリト 「『偽りの幸運』エイビィ…あんたと同じ陣営でいれば必ず勝利する」 「ただ、味方陣営の被害は数えないで、な…」 |
キリト 「俺の名前…?ふん、どうせゴミ漁りとかクズ鉄拾いとか、そんなんだろう」 |
キリト 「別に、とくに思うところはない」 「そのまま晒せば錆鉄に、俺が拾えば金になる。それだけだ」 |
キリト 「…」 |
キリト 「ハイドラも気にはなるが、それより」 |
キリト 「エイビィ、あんたどうしてそんなに勝てるんだ?」 「それが不思議で、一度聞いてみたかった」 |
ニーユ 「……っと、すいません整備は今ちょっと後ろが詰まっていて……じゃあなくて、はい、休憩でしたらご自由に」 |
ニーユ 「うち、一応整備屋ってことでやらせてもらってるんですけれどね……“メニューのない”飯屋として妙に広まってしまいました(暗にメニューなどねえと切り返して、空いている席の椅子を引いた)」 |
ニーユ 「あ、でもポテトサラダはまだあったと思うので……サンドイッチならでき……スー、パンまだあった?無事なやつ」 |
ニーユ 「……サンドイッチでよければ。」 |
モニカ 「……う? え?」 |
「あ、えっ、えっと――大丈夫です! す、すみませんっ」
(慌てて目元を袖で拭ってから、ぶんぶんと首を振ってエイビィを見返した。乱れた髪を両手で抑える。)
モニカ 「……な、なんて言っても説得力ないですよね、えーと……その、ええと」 |
モニカ 「あの、私、お兄ちゃんがハイドラライダーやってて…… 死んじゃったんですけど、それで私もハイドラライダー始めて」 |
モニカ 「でも、ダメですね、やっぱ心細いし寂しいし、わかんないこととかたくさんあるんですけど」 |
モニカ 「……なんてことは、こんなとこで泣いてる理由には、ならないとは思うんですけど……」 |
ガクは声の方向をかけられその方向を振り向いた。随分とがたいがいい男が目の前に立っている。口調はそのがたいから予測されるものとは少々違ったが。
ガク 「ああ、あなたの言う通り。俺がこの機体のパイロットだけれど、何か用かな?」 |
ガク 「確かに、片腕の無い機体っていうのは案外珍しいかもしれない。景気よく両腕を外してしまってる機体はたまに見たりするけれどもね」 |
ガク 「そう、この機体は俺に合わせて調整されているからね。俺自身についてる左腕も満足に動かせないのに、こいつの左腕が動かせるわけが無い。そういうことだ」 |
ガク 「それにしても良く俺の左腕が上手く動かないってわかったね、お兄さん…いや、お嬢さん?」 |
ガク 「ガク=ワンショットだ。『偽りの幸運(ライズラック)』とはまた洒落た名前だね。宜しくエイビィ」 |
リタ 「ああ、それならよかった……お気遣い、ありがとうございます(心配してくれた様子に頭を下げて)」 |
リタ 「ええと、一緒に来てたのですけど気付いたらはぐれちゃった……というか向こうが勝手にどっかいっちゃって。ほっておいても帰って来れる人なんですけど、どこかでお酒飲んで面倒な事になってもこまるなあって……」 |
リタ 「赤毛で眼帯してる結構大柄な男の人なんです。ハイドラライダーやっていて、パーツ探しに一緒に来ていたんですけど……ああ、私のほうが付き添いです」 |
シリーマウス 「【攻撃失敗時】すごぉ~い、カッコイイ攻撃~! 姿勢だけは~!」 |
メッセージを送信しました
>>Eno.2 >>Eno.101 >>Eno.235 >>Eno.255 >>Eno.276 >>Eno.286 >>Eno.340 >>Eno.348
◆戦闘結果
戦闘報酬
明日の戦場
第23ブロック
ジャンク漁り
大型のカーゴが荒野で発見された。この貴重な物資を他のものに奪わせるわけにはいかない。すでに、ハゲワシが群がっているようだ。全員撃破してくれ
来週の霧濃度:128%
来週の電磁波:16%
『マーズファイヤー』コマンダー |
ヒト・ゴルドラブ |
"Canary" |
μ-nanico |
発明家ニトロ |
”燃やし屋” アシャワン |
ローウェル・リード |
クック・チョウコウ |
MR-Arecibo |
『偽りの幸運』エイビィ |
パイ・クアッド・ラズベリィ |
ペロ・カサドール |
レディア.A.ノクレール |
少年工士のクドゥウヘンヌ |
鼠花火 |
ルベラ=ルジェイラ |
アルフォンス |
クドラト・ジャファー |
小夜啼鳥 |
フィサリース |
『トーチカ』[物理] |
『トーチカ』[物理] |
『装甲車』[火炎] |
『戦闘ヘリ』[物理] |
『トーチカ』[物理] |
機動破壊兵器『テンペスト』[粒子] |
『装甲車』[火炎] |
『トーチカ』[物理] |
『トーチカ』[物理] |
自走砲『イーグル』[粒子] |
『戦闘ヘリ』[物理] |
『トーチカ』[物理] |
『トーチカ』[物理] |
機動破壊兵器『テンペスト』[粒子] |
自走砲『イーグル』[粒子] |
自走砲『イーグル』[粒子] |
『戦闘ヘリ』[物理] |
自走砲『イーグル』[粒子] |
機動破壊兵器『テンペスト』[粒子] |
自走砲『イーグル』[粒子] |
『戦闘ヘリ』[物理] |
『戦闘ヘリ』[物理] |
自走砲『イーグル』[粒子] |
キャラデータ
名前
『偽りの幸運』エイビィ
愛称
エイビィ
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プロフィール
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エイビィ 残像領域に存在する複合企業の中のひとつに所属するハイドラライダー。企業の利益を優先し、時に自分の命を棄てるような戦術さえ取ることもある、戦場の犬。 その名は、単純にアルファベットのAとBを意味する。 ハル エイビィがメカニックとして連れている少女。人間嫌い。 『キャットフィッシュ』 エイビィの母艦。居住性と安定性を重視した小型艦であり、通常自動操縦で航行する。 『ライズラック』 エイビィの乗機。抵抗の少ない流線型のフォルム。その顔はスズメバチを思わせる。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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機体データ |
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1 | 軽逆関節A | 軽逆関節『バウンシングテイル』 [20/旋回/重量軽減]《装備:2》 機動[606] 跳躍[235] AP[377] 旋回速度[963] 防御属性[粒子] 防御値[193] 貯水量[94] 積載量[2100] 消費EN[116] 金額[939] 重量[780] [逆関節] *作者* |
▼詳細 |
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2 | レーダーA | 特製レーダー『ラヴァーズセンサー』 [21/出力/旋回]《装備:8》 | ▼詳細 |
3 | 操縦棺B | 簡易操縦棺「ヴィブラフォン」 [21/装甲/耐物]《装備:1》 | ▼詳細 |
4 | 粒子ブレードA | 工業用粒子カッター [21/変形/旋回]《装備:9》 火力[1073] 連撃数[1] 旋回速度[21] 防御属性[電子] 防御値[549] 精度[89] 貯水量[178] 弾数[9999] 武器属性[漏出] 異常追加[30] 消費EN[366] 金額[366] 重量[150] [粒子格闘] *作者* |
▼詳細 |
5 | パイルA | 戦術用鉄杭『ライノ』 [22/臂力/臂力]《装備:5》 火力[1737] 連撃数[1] 防御属性[粒子] 防御値[743] 貯水量[271] 弾数[1] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[92] 金額[371] 弾薬費[140] 重量[100] [物理格闘] *作者* |
▼詳細 |
6 | 粒子ブレードA | 簡易粒子ブレード [20/---/---] 火力[1053] 連撃数[1] 防御属性[電子] 防御値[540] 精度[87] 貯水量[175] 弾数[9999] 武器属性[漏出] 異常追加[30] 消費EN[360] 金額[360] 重量[150] [粒子格闘] *作者* |
▼詳細 |
7 | 腕部B | Benedikt [20/重量軽減/精度]《装備:4》 | ▼詳細 |
8 | レーダーA | 簡易レーダー [20/---/---] | ▼詳細 |
9 | 飛行ユニットA | 飛行用パーツ 『スパロウ』 [20/旋回/---]《装備:11》 | ▼詳細 |
10 | エンジンB | 粒子エンジン『ウェルク』 [20/耐粒/耐粒]《装備:7》 | ▼詳細 |
11 | パイルA | 戦闘用鉄杭『ウッドペッカー』 [21/精度/保証]《装備:6》 火力[1704] 連撃数[1] 防御属性[粒子] 防御値[732] 精度[16] 貯水量[267] 弾数[1] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[91] 金額[366] 弾薬費[140] 重量[100] [物理格闘] *作者* |
▼詳細 |
12 | 素材 | バッテリー23 [23/出力/---] 特殊B[140] [素材] |
▼詳細 |
13 | 操縦棺B | デトリタスポッド [20/重量軽減/---] | ▼詳細 |
14 | エンジンA | 試作型エネルギー変換器『AR-001』 [20/重量軽減/---]《装備:10》 | ▼詳細 |
15 | 粒子ブレードA | 試作型高機動用粒子ブレード [20/機動/---] 火力[1053] 連撃数[1] 防御属性[電子] 防御値[540] 精度[87] 貯水量[175] 弾数[9999] 武器属性[漏出] 異常追加[30] 消費EN[360] 金額[360] 重量[150] [粒子格闘] *作者* |
▼詳細 |
16 | 素材 | 機械油23 [23/旋回/---] 特殊B[140] [素材] |
▼詳細 |
17 | 頭部B | プロトレーヴェタイプヘッド [20/耐粒/耐物]《装備:3》 | ▼詳細 |
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