ENo.0276　ローデット・ダイス

先に一人で行ったのは正解だったと思う。
以前、フォスフォラスとヨシノに故郷を案内するという話を持ちかけた時のことをぼんやり思い出していた。
話をしていると、この二人は僚機を組んでいたということが後から知って、世間は狭いと感じたもんだ。
あの時は、危険性を伝えていればいいかぐらいの軽い認識だった。

「それが、これだもんな……」

故郷に戻った時、自分はこの眼を隠す為にサングラスをしていた。
一般人か故郷の人物か分からないこの状況で、『賽の眼』を探す奴らは攻撃なんて無差別で

（んで、この顔と腕……）

真っ先に目を狙われて、次に足を狙われ代わりに失ったのは左腕
案内すると言ったきり、そのまま案内しなくて良かった。
でも、そんな理由があるこそ故郷には戻れない、可能性があるものにかけるしかない。



（それが……）
（この残像領域……）

この霧の世界にならあるかもしれない、故郷にある"ヴァリアブル"と呼ばれる水銀。
それが必要だと言われていたのだが……


「……いや、切り替えていこう」


フォスフォラスとヨシノの二人は今どうしてるのだろうか
元気にしていればいいのだけれど――

とあるものを求める為の集まり場。
それが何であろうと構わない、情報収集の場でもある。


制御*5、ユニオン購入は適当