ENo.0235　マルス・H・アテナ

マルスに母の研究を適用するまでに、悩む時間は短かった。
治療法もない。ただ死ぬのを待つばかりなら。
何か、しなくては。今度こそ。後悔しないために。

最初は反対していた父と夫も、結局は私の迫力に根負けし承諾した。
ただし適応できても一定の期間、義体の安定期を過ぎるまでは人目にさらさないという条件下で。
マルスのことについては、すでに世間には公表していたが、体が弱くしばらくは外に出られないと、マルスの姿が表に出ることはなかった。

母の記録には、閉鎖された地下研究室のマップも残されていた。
映像と同じ、真っ白な部屋。その中心に、映像では見切れていたのだろう――巨大なポッドがあった。

母ナヴィの残したデータを頼りに、研究を私一人で完成させる必要があった。夫も時々手を貸してくれたが、なるべく仕事を優先させるようにした。
世間にあまり不信感を抱かせたくなかった。無事に治った後も、この子を好奇の目に晒したくなかった。

研究を進めるたび、母もこんな気持ちで研究をしていたのだろうか、と胸が締め付けられた。
父親も、義体の研究については母が死ぬまで知らなかった。父が反対するのは、私にも目に見えていたから。


そうして3ヶ月。
私はマルスの義体を完成させた。


「……本当に、いいんだな」
「今更止める気なんてない。この子を助けるには、もうこれしかないのよ」
「……ああ、俺たちの子供だ」

荒れた丘陵地に住み着いた子どもたちが、夜な夜な的を立てている。
ハイドラライダーは各自が利用料を払って訓練に使用している

--- 8＜ ---

ユニオン活動：射撃*5 固定
ユニオン購入：経験値+1
ロールプレイ：やる気なし
参加脱退：自由（先着