ENo.0158　ルオルカ・マーマレイド

｢オーバーロード……？｣

薄暗い室内でほの光るモニターに映る文字を追っていると、ロドはぐるりと椅子を回しこちらを向いた。

｢前回の実験から、『急激な負荷に耐えつつ高速……否、光速で行動する技術を得た』とか｣
｢ああ、あの妙な……デバステイター・ユニットだったっけ、妙に動くけどあんまり当たらないやつ｣

開発部から突然押しつけられたユニット。よく動いた割にそこまで戦果はなかったような気はしたが。アレなら普段通りヒートソードなりを使っていた方が強い。

｢その動きを普段の攻撃……ブレードやらでの突撃で出来たとしたら？｣
｢そりゃあ強いに決まって……出来るの？｣
｢そういうことらしい。だが条件や制限が色々あってだな……｣
｢最高じゃないか！！もう大活躍間違いないよ｣

前回の戦場では自分達以外にも手練が多すぎた。中々活躍出来なかった分、今回は張り切っていきたい。そんな気持ちに声が弾む。

｢落ち着け、幾ら安全装置を完備しているとはいえ……｣
｢ちょっとアマくんたちにも言ってくるね！！｣
｢パーツ破損の可能性が極めて高……｣
｢アマくんアンフちゃん聞いてくれよー！！｣
｢……｣

ため息が一つこぼれた。

｢未確認機やらシャドウだとか、危険な戦場になる可能性が高いってのに……気楽なもんだな｣

何らかの理由によりハイドラに縛りつけられたライダーが集まる。掃き溜めとも言う。
　
一部メンバーの素行不良により世間からの評判は芳しくない。

音楽専念。