ENo.0026　ウラカタ・キョウジ

「髪はまとめないのですか？」
「はい？　……あー、僕は図面触る方が多いんですよね。なんで別に」
「なるほど」
「そもそも髪の毛一本で不具合出す部品とか作りませんけど。
　霧と密林にブチ込んだら確実に壊れるじゃないですか」
「それもそうです」

「っていうかそうだ社長、コレ僚機と連携するなら次元潜航ダメじゃないですか？」
「だめですね。社長もそう思うので、あの部品はアセンブルから外した方がよいです」
「ですよね！？　……いや有用パーツなのはわかりますよ。
　こっちの運用方針に沿えねえってだけなんですよ」
「エンジンも含めて基本部品をできうる限り軽くしたいのですが、箱で賄っていた分が増えてしまいます。
　なのでエネルギー消費が多くても軽いものにします。
　そうするとエネルギー枯渇の問題が出てしまうのです。ままなりませんね」
「そういや生体電池って社長が許可出したんですか？　なんか手術通ってましたけど」
「そうです。ウラカタくんは、寝てても働いてるカウントに入りそうだからと言っていました」
「ブレねえなあの人」

「手を伸ばしすぎたなら、分ければよいのです。
　もともと人員の派遣業務が主だったのですから、
　パーツやウォーハイドラ本体の設計・開発・試験起動は
　こちらでやればよいということです！」