ENo.0292　ディーヴァ

ジャンクヤード・ノイエ。
ガラクタの新参者、という意味を持つユニオンだ。
それは、このジャンクヤードに新しく来た、という意味なのか。
それとも、日々続く戦線にてジャンクとなり果てていく者たちへの皮肉か。

どちらにせよ、彼女はここの責任者である。
普段の生活もここでしていることが多いらしい。

「いつでも　いらして　くださいね」

…という言葉を思い出し、あなたは興味本位で教えられた座標へ足を向けた。

-------------♪

打ちっぱなしのコンクリート。無数に走る傷やこびりついて取れない汚れ。
それらを何とか押さえつけるように隠し、清掃し、体裁を整えてある場所。
照明は薄く落とされ、どこからか静かなピアノ曲が流れている。

その中を通り、あなたはとある一室を見つけて入っていった。



「ようこそ　ジャンクヤード・ノイエ　へ」

「…　いい　ところ　でしょう？　会いに　来て　下さって　嬉しい　です」



壁に様々な器具や、義肢が置かれている。
装着用アーム、手入れ用の清掃機械、充電用のケーブル等が静かに並ぶ。
そんな人形のパーツの中央に据えられるように彼女はいた。
薄暗い部屋。絞られた照明の中、浮かび上がる彼女とそのパーツの群れはどこかセットアップされた人形を思わせた。
今現在、彼女は義肢を装着しておらず、リラックスした状態であなたに応対している。


…さて、何を話そう？（残り３）



普段の生活の話
このユニオン拠点の話
義肢の話
戦場の話
パンツァークリンゲの話
硬質ダガーの話
⇒今日の天気の話



「…」

「今日も　一面　霧　です　よね」

「ふふ　いつでも　一緒　なのに　小粋な　ジョーク　です」


少女は楽し気に体を揺らした。
笑っているのだろうが、声を出力しないと作り出せないため、それに声は伴わない。

（好感度＋５　フラグ解放）



…さて、他に何を話そう？（残り２）



普段の生活の話
⇒このユニオン拠点の話
義肢の話
戦場の話
パンツァークリンゲの話
硬質ダガーの話
×今日の天気の話



「ここは　私たちの　ユニオンです」

「僭越ながら　責任者　を　任せて　頂いて　細々と　活動を」

「広さ　だけは　あるから　射撃　を　メインとした　訓練を　行いながら」

「使える　資源を　サルベージ　して　いるんです」

「宝　探し　みたいで　楽しい　ですよ」

「興味が　あれば　是非　どうぞ」



にこやかに答えが帰ってくる。
確かに、ここに来るときに分かっていたことだが、とにかくこの一帯にはモノが無い―――否、モノしか無い。
人々の生活や、戦場でさえも不要とされたモノが行き着いた先の静かな墓場。
そんな印象を覚える場であった。

（好感度＋５）

…さて、本題に何を話そう？（残り１）



⇒普段の生活の話
×このユニオン拠点の話
義肢の話
戦場の話
パンツァークリンゲの話
硬質ダガーの話
×今日の天気の話



「メンテナンスが　ある時は　■■■の―――　あれ　また　データが　入ってない」

「まあ　あの　保護していただいてる　団体さん　に　お世話になって　いますが」

「普段は　生活を　ここで　しています」

「だから　こうして」

「お風呂や　整容　就寝を　行って　います」

「今日は　こんな　お風呂　状態でした　ので　お出迎え　も　無く　ごめんなさい」



…そう。
彼女は部屋の中、円筒状の洗浄装置に入っていた。
当然、全裸である。
惜しげもなく…恥ずかしげもなく、義肢接合部も合わせて素肌を全て晒していた。
首元にコードが伸び、洗浄装置のスピーカーに繋がっているのだろう。彼女の声はそこから響いていた。
不用意に部屋に入ってしまい、多少のフリーズを見せたあなたに構わず彼女は平然と応対してる。
これは流石に…



ごめんと謝る
まじまじと食い入るように見る
パンツァークリンゲの話をする
⇒恥ずかしくないのかと問う



「あ　えっと」

「見苦しい　ものを　見せて　すいません」



⇒そういう事じゃない
俺の肉体に比べれば何だって見劣りする
恥ずかしくないように自分も脱いであげる



「…？」

「ああ　そうか」

「ごめんなさい　私は」



少女は、言葉を出力する。



「手足を　無くした　事故で　そういった　感情も　ポンと　抜けちゃった　みたいで」



逡巡も無く、言いにくそうにする訳でもなく、言う。



「ぽんこつ　なんです」

「あっ　あっ　でも　でも」

「感じられない　のは　悪い　感情　だけ　なんで」

「嬉しい　とか　楽しい　とか　―――好き　とかは」

「ちゃんと　本物の　感情　です　よ」


…―――。
…――。
…―。



その後、何を話したのか。何をしたのか。あなたはあまり覚えていなかった。
最後に、いつものように。



「また　会えたら　嬉しい　です」



彼女はそう言った。

（好感度＋10　好感度合計　90）

「♪（ケチャが流れている　誰の仕業だろう）」
（射撃５　素材＋１）

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緩い空調にむき出しのコンクリートと配線。

人間用の火器練習用の的がやや離れた場所に見える。

人数分のイスが用意され、それ以外は壁際に積まれている。

軋む扉を二枚抜ければ、ただ広い荒野と、いくつか点在したジャンクで出来た的。

戦場のジャンクが一時的に集められる場所のすぐ近く。練習にそれらを吹き飛ばせば、幾らか使えるものくらいは見つかるだろう。

新しく、ブースター付きのベッド、スプリングがよく効いたベッド、噴霧機能の付いたベッドが置かれている…