ENo.0276　ローデット・ダイス

『中車輪、接続解除しました』『重タンク、接続開始します――』

見える画面は以前自分がウォーハイドラに乗っていたときと似た画面。
擬似訓練に近いといえばいいだろうか。
つまり、自分のウォーハイドラは無人だが、ウォーハイドラは動く、別の部屋で操作しているのだ。
ただし自分も思うようには動けない、左腕の損傷部分からケーブルが繋がっていて動きが限られているのだ。
ダメージを喰らえば痛みもある。
画面は目の前の『これ』が映し出してくれる、一体どうなっているのやら。

「おいおい、こりゃあどういう仕組みだ？
　　　　　　……というより、こんなんできるんだったら前からやってくれよ」

「お前さんの左腕がぶっ壊れてるからそこから接続できるんだよ。
前の仕様だといちいち取り外すのが面倒だったからな」

「言ってくれるぜ。
　　　　　　ったく、つまり戦争中は私はここから動けないってことか」

「動けなくはないが、無理矢理ケーブルを外そうもんなら強制終了するかもしれないな」

「おいおい、勘弁してくれよ……」

まあ、他の奴らよりは生存率が高いと思えばラッキーといったところか。
そうは言っても一度は既に死んだ体だ、ラッキーなんて言えるのかわからないが



「目的のものが見つかるまでの辛抱、か――」