ENo.0265　ジュネリア＝ハーヴェスト

ジュネリアはアクラネシアに搭乗し自身の待機ゲートで出番を待っている。
ゲートの向こうには霧に包まれた戦場が待っている。
いつもと違うのはただひとつ、敵も企業に雇われ戦場を駆けるジュネリアと同じライダーということだけだ。

　私が追っているWHの操縦者の情報はいつまでたってもみつからなかった。
　ならば新しいところで情報を集めるのがよい。

　ここは金に飢え、戦いを望む者が集まる場所だ。
　コロッセオで雇ったライダーたちに殺し合わせるなんて、そこまで企業が力をもったのか。

　自分たちでライダーを雇い、殺し合わせて、能力の高いものだけを治療して、報酬を支払い、弾薬費用を補填する。そしてそれ　をどんなときでも繰り返す･･････。
　趣味の悪い貴族でももう少しましなお遊びをしていたように思う。

　今回の戦場はエキシビジョンだと聞いている。
　コロッセオで声をかけてきたベティ言っていたな。
　彼女のことは、そう、覚えている。彼女は、グラウコノメと同様に、覚えている。以前もこの世界であったことがある。

　わかる。そして違う。だからこそ僚機として快くOKを出したのだ。

そしてコロッセオはひらかれる･･････。

--------------------------------------------

ジュネリアのコロッセオの初陣はかなりの好戦果であった。そして多くのランカーをその手で沈めることにも成功した。
あれだけの戦果が出れば、ジュネリアもここにのることだろう。

コロッセオにはコロッセオでのランキングがあり、それは実力者であるとともに命を保証されたものの名簿でもある。
ジュネリアはそれを熱心に見つめる。

　カラミティ、ギルデンロウ、如月、無名･･････。
　同じ戦場にいたが、違う。あれらではないように思う。
　違う気がする。もっとあいつは･･････どうなのだろうか？

ジュネリアが選ばれた戦場は、偶然にもランカーを多く含んでいた。その時点で彼の目的は多く達成されたし、また目的には何一つ近づかなかった。
ランキングをじっと見つめる。そこにはWHとライダーの姿や情報が事細かに記載されている。

もっともWHに関してはアセンブルですぐに情報が変わってしまうが。

その中で一人、かたくなに情報を秘匿するランカーがいることに、ジュネリアは気づいた。

リー・イン

WHブライトネイルを駆るコロッセオランカーだ。

端末を操作する手が、ぴたりと止まった。

ただ無言で射撃する