ENo.0649　アキラ・ハリアエトゥス

俺のコロッセオ初挑戦が終了した。
結果は……被撃墜、かつ、判定負け。

手数を稼ぎながら空襲を繰り返し、かすり傷だけで凌いでいたのだが……
不可視の霊障攻撃をもろに浴びてしまい、一撃で戦闘不能になるという情けない結果で終わってしまった。

戦績は概ね平均的。一人分以上の活躍は出来ているというわけだが……意気込みの割には物足りない。

「生命保護の保険付きでこれだ……稼ぎ欲しさで死亡許容しちゃ死ぬな、こりゃ」

コロッセオでは撃墜されても一定以上の成果を上げているランカーであれば治療を受け、死にはしないという。
しかし、それは最低ランクだろうとランカー入りしている者だけ。今の俺では治療する価値なしと切り捨てられるだけだろう。

次は大規模な要塞攻略戦らしい。レジスタンス側に付き、要塞を外部から直接叩く……前線での戦闘になる。
なんでも目標は空中要塞で、それを防衛するミサイル・キャリアーが難敵なのだとか。

「空を飛ぶ要塞に、高速のミサイル兵器……こいつにはうってつけの相手のはずだ」

対するこちらは高機動・高旋回（高旋回かには疑問もあるが）の、空中戦型のハイドラだ。
配置表をみたところ俺の戦場となる第14ブロックには飛行能力を持つハイドラは“パンディオン”を含めて3機。
その内で最も機動性の高いのは……“パンディオン”、だろう。

つまり、ここは俺と俺の“パンディオン”にとっての絶好の戦場。
つまり、ここで戦果を上げられなければ俺はそこまでのライダーだった、ということだ。

「ハードルは高いが……なかなか燃えるな。空戦なんてめったにない機会だ」

コロッセオのときから武装を調整し、やや重量は増したが火力は大きく増加した。
今のこいつであれば火力不足で撃破しきれない、なんてこともあまりないだろう。
多数連ねた重ブースター、空中での機動を可能とする飛行ユニット。これらによるクイックドライブにより直撃を受けることはほぼない、だろう。

「ないだろう……が。“死亡許容”か……ありゃ怖いな」

そうそう死にはしないというが、今の俺には少々まだ、ハードルが高いように感じられた。



「……僚機募集、の張り紙なんてのが確かあったな、確か」
「もう一度……挑んでみるか、コロッセオに」