ENo.0677　二戸 宙

初出撃、初戦闘が終わった。
結論から先に述べてしまえば、初陣としては上の上だろう。
粒子スピア１本のみの武装であっても抜ける装甲は抜けるし、
それでなくても、この戦場の霧を索敵によって払うことは
ただの情報にとどまらない価値があるということを、経験と報酬が教えてくれた。

しかし、今回は味方にも恵まれ大勝を収めることができたが、
次回もそうであるという保証はどこにもない。
自分自身が「頼れる味方」にならなければ、
そうでない戦場に出会う確率が跳ね上がるのは間違いない。
今回世話になったスピアが、次回予定されている戦闘では
ほぼ無力化されるという情報も含め、ハイドラの完成度を更に高めねば。

戦場の霧を隅々まで晴らす高機動・高索敵というコンセプトは問題ないことは確認できた。
それらの機能を充実させれば、必然的に武装に割けるリソースは少なくなる。
ならば、その絞った武装こそが基本にして究極の命綱となる。
その視点から、フレームの最適化とそれによる余剰出力の捻出、
その余剰出力を遺憾なく発揮できる格闘武装。
それを実現できるパーツを探すべく、マーケットを回るとしよう。

少なくとも、現状持てるリソースの中で最善と思えるような機体を組むことはできた。
腕に至っては、装着することで機体が軽くなる奇怪なシロモノを仕入れた。
原理は分からないが、そういう世界なのだと納得するしかないだろう。
……次回のコロッセオに参加者として掲示された名前の中に、
本機を組む上での情報やパーツの提供を行ってくれたものの名前が見えた気がした。
……ひとまず、ここは気のせいということにしておこう。
闘技形式ならば、最悪でも機体の修理に手間がかかるだけで済む。
いずれは他の仕事も請け負うことになるだろうが、今はリスク管理のときだ。