ENo.0034　アンフィニ&許多

北部調査にあたっては、突発的に企業勢力同士あるいは現地の違法資源発掘業者などとの武力衝突が起こる可能性があるということです。
みんなが戦場に出なくてよくなったと喜んでいたのに、とても雲行きが怪しくなってきてしまい私はぷんぷんどころではありません。たいへん遺憾です。

今回は兄さんが筏さんを本社のお仕事に使うということなので、私の機体は探索無人機として新しく造ってもらえることになりました。
機体名を「Balar（バラル）」といいます。
全てを見通す魔眼を持つという、ある神話の神様が由来です。
探索機にはぴったりだと思います。
今週ようやくレーダーが搭載されて、探索機らしい働きができるようになりました。


ロウシャさんが開発に関わったハイドラパーツは全て、同じ神話の神様や地名などに由来するものだったそうです。
バラルの開発に彼は直接関わってはいませんが、欲しい機能の要望書をまとめる際に相談に乗っていただいたので、その時に機体名もロウシャさんと一緒に決めました。
ロウシャさんは「お前の機体なんだからお前だけで決めろよ、アンフィニ」と笑っておられましたが。

(Special Thanks:@ayautaginrei)

――作戦会議室、あるいは各々の端末に通信が入る――



「みなさん！休暇はどうでしたか？」

「僕は本社とのデータ同期の通信確立に手間をとられて…こほん」

「休暇気分もそこそこに、今回は初めての実戦になる方も多いと思います」

「戦闘サポートこそできませんが、こういった情報の共有はお手伝いさせていただきますよ！」

「各大隊、さまざまなルートで北進するのですが、どうやら今回は会敵する相手はおおむね似たような構成のようですね」

「こちらの『戦闘ヘリ』と『テンペスト』という敵個体が強敵のようです。気を付けてくださいね」


「あ！あと連日暑い日が続いています！みなさん…とくに残像領域出身の方は日差しに気を付けましょう！帰ったら新作のアイスが待ってますよ！」