ENo.0023　眠れぬ遊園地の人形達

「今日のところはこれで終わり＿＿っと。」

今日も、手紙を認めていた。

味気ない日々。

しばし微睡んで、あの日々ことを思い出した。

ーーー

僕に発言した『物語』は、異能ではなく、呪いだった。
“仕事”をする度に、自身の身体の一部が腐り落ちていった。

義手義足の様なものを付けても、変わらず腐り落ちる。
ただ、唯一その呪いの影響を受けなかったのが＿＿ブリキだった。
知り合いの人形師に頼み、ブリキの代替部品を工面してもらって、身体に当てていった。

……甘かったのだ。
それで安心していた、自分は。

腕を替えて、物に触れる楽しみを忘れた。
脚を替えて、地を踏みしめる喜びを忘れた。
耳も、目も随分と歪になってしまった。

そして＿＿心臓の動きが、どんどん鈍くなっていった。

この可能性に至らなかったのは、やはり平穏な暮らしを夢見過ぎていたせいなのだろう。
自分が発現した、『物語』の名前は＿＿

＿＿＿＿“ブリキの木こり”。