ENo.0121　ジャバロスとオプロトポ子

新たな方針として俺とトポ子は可能な限り行動を共にするよう指示を受けた。
狭い仮設操縦棺を用いた前回の戦いが予想より良い結果に終わったことを受けての実験と聞いている。
俺は反対したがトポ子は乗り気で、運営チームの連中が結果を重視したこともあって結局押し切られてしまった。
上の判断では俺にはどうしようもない。

だが数日が経過して、俺は反対から大反対に意見を改めることとなった。
トポ子は四六時中俺に付き纏い、部屋に入り浸り、秘蔵の合成蜂蜜酒を掠め取って行く。
挙句に、少し目を離すとすぐ部屋の中にたくさんの下着が散乱しているのだ。
中には俺のも混ざっているし、あるいはトポ子の、もしくは整備士や運営チーム、さらに誰のものかわからないのまでどこからか入手し、俺の部屋に保管しようとする。
正直、勘弁して欲しい。

トポ子の性格はトリガラノスに乗る上でのパートナーとして俺と最も相性が良くなるように作られているらしいが、あいつのことを知れば知るほど信じられないような事実だ。
一体何がどうなったらこうなるのか、疑問は尽きない。


「そう言えば、いつもどこからあんなに大量の下着を入手してるんだ？」

「そりゃあ独自のルートですよ」

「いや、その独自のルートとやらが何なのかを聞いてるんだが……」

「それってつまり……ジャバルも集めたいってことですか？」

「そんなわけがないだろう！ 俺が言いたいのは――」



『トリガラノス、準備完了。搭乗者は第一ハンガーへ移動願います』



「あらら、もう行かなきゃですね」

「とにかく、俺の部屋で集めるのはやめてもらうからな……おい、待て、聞いてるのか？」

「ほらほら、はやくしないと一人で出ちゃいますよ～～～」


絶対に、やめてもらうぞ。

ブリクトム社が新たな事業のために新設したハンガー。

設備は十分に整えられているがそのほとんどが中古品で見た目は汚い。
時折脱ぎ散らかされた衣類が転がっていることもあり、清潔感のなさに拍車をかけている。