第3週目 王 零式の一週間
霊障見舞金として300cの資金が送られました
◆日記
「お前さん、子供を取って食うのか?」
冷や水を浴びせられたかと思うような背筋の寒さ。確かに例のこども二人について、人間関係を頭に入れようとハンガーのハシゴだとかラックだとかを遊び場にさせて観察していた。思わず視線をやった先でアリョーシャが苦っている。
「何だ、診療中に気に触ることでも言われたかね。やだねェ、若いのはすーぐムキになるんだから」
「そういうことじゃねぇ」
耳ざといガキが一人でも居たら今日のうちに「狩り取って」しまわなければならない薄氷に、この質量の狂った足は踏み込んできた。
同時に、あの肉の味を思い出した。口のなかは唾液だらけで、それを飲み込む。何でもいいから噛み殺したい。自制の為に珍しく人前で目を瞑った。
他の誰かを食って、あの味がする訳がない。
目を開けて、笑う。どうにかコレをシャレのうちに収めなければ自分の首が絞まる。
「食うってペドかって言ってんのか?」
そうやって体を支配下に置いて笑うという顔と呼吸を作り感情をそれに従わせる。
「はぁ?そりゃねェだろ、こんな『美少女』に手ェ出さねえ奴がよォ!」
ガサツだ。防衛的にならないよう掌を上にする。そこに。
「カニバリストだって言ってる方がまだ頷けるぜ」
薄氷を思い切り踏み抜いてくる。このオッサンは本当に分厚い分厚い氷の上で暮らし過ぎて薄氷ってものを知らないに違いない。さて、王先生は子攫いの人喰い。ガキどもが聞いたらアリョーシャちゃんがオトモダチを無くす。いや、亡くす。
力が入るのは無意識の仕事だが、それを抜くのは技術だ。呆れた顔をして見せてガキどもを視線で示す。
「趣味の良いジョークだな。白兎で買いつけてきたのか? 俺は気にしないがこどもの耳に入るのはよくねぇな」
ハイドラにはさわれないようにしてあるが、梯子類は良いジャングルジムだ。楽しげな声と、ついていけないチビの泣き声が響き渡る。盾に取るのはガキに限る。
「は、お前さんも俺から見りゃまだまだ子供みてェなモンだよ」
あそこは確かに悪趣味だがな、と独り言のように付け加えた。
俺は裏しか知らない世間知らずだ。こども未満だが、その目はなんだ。なぜ楽しそうなんだ?
「『腹が減った』って、それぐらい正直に言えよ。俺ァ、子供じゃねえんだぞ。必要なら、知り合いに聞いてみるさ。買うのが肉にしろ、情報にしろ、な。生きてる限り、腹は減るモンだ」
言葉の表面と中味が噛み合っていない。弱味を握ろうとしているようにも見えない。ただ、黙らせるためにはこちらが喋る必要がある。
「こどもとおとなの違いなんざ俺にはわからん。余命って砂が砂時計の上の方にたんまりあるってコトだけだ。そういう意味じゃあそりゃあ、アリョーシャに俺が追いつけたらソイツは砂時計がひっくり返っちまったせいだろう」
砂時計サナトリウム。黙った隙間に揶揄する声が挟まる。
「そこが分かんねェから子供扱いされんだよ、クソガキ」
こども扱いされたことなど一度もない。動物園で人間らしさを剥奪され続けて来た。何故こどもだと定義したがる?わからない。
わかるのは。これ以上は危険だ。
嘘をつくのも危険だし、事実を気持ちよくおしゃべり出来るお時間じゃない。禁止事項に話を絞る。
「記録の残る通信でこの話は一切ナシだ。他人が聞くとこでもナシだ。アンタんとこでどうだったか知らねぇが、人を狩ると追われるぞ」
もうアリョーシャの方は向かずに、置いていた茶を片方さしだす。飲んでる間は喋らねぇだろう。
「わーかってるよ。ヒトってのは、自分たちだけが特別だと思い込んでるからなァ」
茶を一息に飲み干す音がした。勿体ない。
「傲慢ないきものだなァ、人間って奴は」
その述懐だけはまったくだ、と思った。
_____________
アリョーシャはこちらが出したオーダーをあっさりこなした。レトログラードは索敵機として十分に広域をカバーしていたし、運動性能こそ欠けていたがよく動いていた。だが、射手として作り上げてくるのだろうと思っていたレトログラードは射撃の性能を搭載していないようだった。
訊いて良いのか悪いのか。口の滑りの良いヤツだが、大半は俺にはわかりにくいことばかりだった。説教たれることで空白を埋めて現在の自分について話さないでいるなら、頼んだ以上のことを訊くのは筋が違う。代償は契約破棄だ。
イーニーミーニーマイニーモー。
「アリョーシャ、なんで射撃武器を担がない? 」
「はぁ?俺が何でそんなモンを」
心底意外だという顔をした。感情を隠蔽しなければならないということがなかったのだな、と思う程にコントロールをしない。
「射撃ってあれだろ。パルス砲とか、FCSとかの。何だって俺がそんなの使わなきゃいけないんだよ」
何とは。動体視力と運動予測、弾道計算と狙定修正能力が期待できるから。
「使う気も無えし、興味も無えし……第一、俺に合わねェ」
いじけたように尻すぼみに消えた。
「狙いをつけて放つんだから弓と根本同じじゃねぇのか? 射撃ってのは射るに撃つって書くんだが」
アリョーシャに秘密を暴かれるような防衛は見受けられない。開示していいことのうちに入っていると確認する。追物射は獲物が来る先にタイムラグを合わせて撃つ。技術体系としては近い。
「……まあ、そうだろうよ。やるこたァ同じだ。だが、今の俺じゃあ道具に応えられねえよ」
自分の手を見つめるその顔は、例のネバーエンディングなお伽話と感傷でもって瑞々しい結びつきを見せ、演技性なく現在に繋がっているのだと俺にさとらせる。
「それに、あれは銃のでかい奴だろ。銃は嫌いだ」
コイツを訊いていい、大丈夫、と判断した誰かさんを心の底から恨んだ。俺だ。俺の手落ちだ。
「悪かったからそんな濡れたイヌみたいな顔すんな。確かに銃ってヤツは何かを殺すのに技術が軽すぎる。死に応えられる心が育たないままいくらでも殺せる……、無駄口きいちまった」
舌打ちが出た。
「わかった、アレクセイ。アンタに銃を持つことを俺は求めない」
屈んで目線をあわせ、手に手を伸ばす。
握手を求めようと。
「てめェ、何を勘違いしてやがる!」
手を跳ね除けられた。聞くべきじゃない事に踏み込んだのは俺だ。拒否されるのは仕方がない。
「いいか、銃は俺たちを迫害していた奴らの得物だ。だから俺は銃が嫌いだ」
座っていた椅子の上に立った高さから怒声が響く。
怒鳴り散らしてモップでもって殴ってきた掃除婦がフラッシュバックして二重写しになる。理由は何でもありだった。理由は何にもなしだった。
「それに、俺は5つの頃から狩りに出て、山を荒らす人間だって何人も殺してきたんだ。なのに、今の俺に残った狩人の力はこの目と耳だけだ。射手として、あんまりにもお粗末なんだよ、この体は!」
離人感。意志で身動きが出来ない。自動に任せる。
「そうだ、アンタは迫害されてた。大事なものを奪われて悲しかったから怒ってる。だから銃は持たない。俺はそのことを尊重しようっつってんだ。何か問題点があったか?」
手を広げて見せる。隠し事をしていない、というマイム。
「頼むから怒って見おろすのをやめてくれ。殺意が無くても怯えると俺は相手に配慮出来なくなる。怒ってるヤツが見おろしてくるのにいい思い出がねぇ」
恐怖を排除したがる体をおさえつけてフラッシュバックを切り落とすように掌で視界を塞ぐ。
「くそったれ、悲しかねェよ。怒ってンだ」
返ってきた悪態からは力が抜けていた。ストン、と腰が落とされた。視界を遮った手を自分も落とす。
「悪い……ヘロをやり始めてから、時々こうなってよ。詳しいなら分かるだろ、まともじゃねェ……」
目が合う。眼振。何故コレで自制出来る?
「あー、くそ……だめだ、痛ェ……」
痛い、と言った。離脱症状由来にしては速い。出来るだけ刺激しないよう催眠術師の使う音域で柔らかく声を出す。
「理解はするさ。ただ、俺は怖くても平気なツラをする。面白くさせちまったら無駄に殴られてたからな。ヘロを削ってジヒドロコデインとカクテルする。口から食っても血管で食ってもアリョーシャの自由だ。ベッドまで行くが、エスコートが居るか?姫様」
射手であることを踏み躙られて憎んでいるのに、残された目と耳まで手放すことになる。
俺の人生じゃない。
三度唱えてからアリョーシャの手に手の甲を持っていく。拒否されたらそれまでだ。
「殴られた、のか……可哀想に、な。それと、よく分からんけど……お前さんに任せる……」
背中に手を回されてキョトンとした。なんだコレは。こういうのがわかりにくい。
モニタを落として、そのまま持ち上げる。重い。
「任せてくれるんなら、アンタの目と耳をシクサウに足るままであるよう尽くしてやれる。俺の人生じゃなくてもな」
明けない夜に身を寄せ合ってしのぐようなものだった。お互いに凍えている。
「大丈夫だ……俺がいる限りは、守ってやる、から……そのために、白兎研に……」
うわ言の意図はさぐらなくていい。ベッドに運んで、点滴をかけて導入剤と緩和ケアに近い鎮痛剤、ヘロインをオピオイド置換。パーセンテージを選んでカクテル。
視界がやたらと滲んだが、手は間違いなく動いた。
「話す。必ず目を醒ましてくれ」
死にはしないと理解していても、小さな手首の脈を指先に取る。とく、とく、とく、とく、と途切れない事をただ確認しているだけの極夜だった。
冷や水を浴びせられたかと思うような背筋の寒さ。確かに例のこども二人について、人間関係を頭に入れようとハンガーのハシゴだとかラックだとかを遊び場にさせて観察していた。思わず視線をやった先でアリョーシャが苦っている。
「何だ、診療中に気に触ることでも言われたかね。やだねェ、若いのはすーぐムキになるんだから」
「そういうことじゃねぇ」
耳ざといガキが一人でも居たら今日のうちに「狩り取って」しまわなければならない薄氷に、この質量の狂った足は踏み込んできた。
同時に、あの肉の味を思い出した。口のなかは唾液だらけで、それを飲み込む。何でもいいから噛み殺したい。自制の為に珍しく人前で目を瞑った。
他の誰かを食って、あの味がする訳がない。
目を開けて、笑う。どうにかコレをシャレのうちに収めなければ自分の首が絞まる。
「食うってペドかって言ってんのか?」
そうやって体を支配下に置いて笑うという顔と呼吸を作り感情をそれに従わせる。
「はぁ?そりゃねェだろ、こんな『美少女』に手ェ出さねえ奴がよォ!」
ガサツだ。防衛的にならないよう掌を上にする。そこに。
「カニバリストだって言ってる方がまだ頷けるぜ」
薄氷を思い切り踏み抜いてくる。このオッサンは本当に分厚い分厚い氷の上で暮らし過ぎて薄氷ってものを知らないに違いない。さて、王先生は子攫いの人喰い。ガキどもが聞いたらアリョーシャちゃんがオトモダチを無くす。いや、亡くす。
力が入るのは無意識の仕事だが、それを抜くのは技術だ。呆れた顔をして見せてガキどもを視線で示す。
「趣味の良いジョークだな。白兎で買いつけてきたのか? 俺は気にしないがこどもの耳に入るのはよくねぇな」
ハイドラにはさわれないようにしてあるが、梯子類は良いジャングルジムだ。楽しげな声と、ついていけないチビの泣き声が響き渡る。盾に取るのはガキに限る。
「は、お前さんも俺から見りゃまだまだ子供みてェなモンだよ」
あそこは確かに悪趣味だがな、と独り言のように付け加えた。
俺は裏しか知らない世間知らずだ。こども未満だが、その目はなんだ。なぜ楽しそうなんだ?
「『腹が減った』って、それぐらい正直に言えよ。俺ァ、子供じゃねえんだぞ。必要なら、知り合いに聞いてみるさ。買うのが肉にしろ、情報にしろ、な。生きてる限り、腹は減るモンだ」
言葉の表面と中味が噛み合っていない。弱味を握ろうとしているようにも見えない。ただ、黙らせるためにはこちらが喋る必要がある。
「こどもとおとなの違いなんざ俺にはわからん。余命って砂が砂時計の上の方にたんまりあるってコトだけだ。そういう意味じゃあそりゃあ、アリョーシャに俺が追いつけたらソイツは砂時計がひっくり返っちまったせいだろう」
砂時計サナトリウム。黙った隙間に揶揄する声が挟まる。
「そこが分かんねェから子供扱いされんだよ、クソガキ」
こども扱いされたことなど一度もない。動物園で人間らしさを剥奪され続けて来た。何故こどもだと定義したがる?わからない。
わかるのは。これ以上は危険だ。
嘘をつくのも危険だし、事実を気持ちよくおしゃべり出来るお時間じゃない。禁止事項に話を絞る。
「記録の残る通信でこの話は一切ナシだ。他人が聞くとこでもナシだ。アンタんとこでどうだったか知らねぇが、人を狩ると追われるぞ」
もうアリョーシャの方は向かずに、置いていた茶を片方さしだす。飲んでる間は喋らねぇだろう。
「わーかってるよ。ヒトってのは、自分たちだけが特別だと思い込んでるからなァ」
茶を一息に飲み干す音がした。勿体ない。
「傲慢ないきものだなァ、人間って奴は」
その述懐だけはまったくだ、と思った。
_____________
アリョーシャはこちらが出したオーダーをあっさりこなした。レトログラードは索敵機として十分に広域をカバーしていたし、運動性能こそ欠けていたがよく動いていた。だが、射手として作り上げてくるのだろうと思っていたレトログラードは射撃の性能を搭載していないようだった。
訊いて良いのか悪いのか。口の滑りの良いヤツだが、大半は俺にはわかりにくいことばかりだった。説教たれることで空白を埋めて現在の自分について話さないでいるなら、頼んだ以上のことを訊くのは筋が違う。代償は契約破棄だ。
イーニーミーニーマイニーモー。
「アリョーシャ、なんで射撃武器を担がない? 」
「はぁ?俺が何でそんなモンを」
心底意外だという顔をした。感情を隠蔽しなければならないということがなかったのだな、と思う程にコントロールをしない。
「射撃ってあれだろ。パルス砲とか、FCSとかの。何だって俺がそんなの使わなきゃいけないんだよ」
何とは。動体視力と運動予測、弾道計算と狙定修正能力が期待できるから。
「使う気も無えし、興味も無えし……第一、俺に合わねェ」
いじけたように尻すぼみに消えた。
「狙いをつけて放つんだから弓と根本同じじゃねぇのか? 射撃ってのは射るに撃つって書くんだが」
アリョーシャに秘密を暴かれるような防衛は見受けられない。開示していいことのうちに入っていると確認する。追物射は獲物が来る先にタイムラグを合わせて撃つ。技術体系としては近い。
「……まあ、そうだろうよ。やるこたァ同じだ。だが、今の俺じゃあ道具に応えられねえよ」
自分の手を見つめるその顔は、例のネバーエンディングなお伽話と感傷でもって瑞々しい結びつきを見せ、演技性なく現在に繋がっているのだと俺にさとらせる。
「それに、あれは銃のでかい奴だろ。銃は嫌いだ」
コイツを訊いていい、大丈夫、と判断した誰かさんを心の底から恨んだ。俺だ。俺の手落ちだ。
「悪かったからそんな濡れたイヌみたいな顔すんな。確かに銃ってヤツは何かを殺すのに技術が軽すぎる。死に応えられる心が育たないままいくらでも殺せる……、無駄口きいちまった」
舌打ちが出た。
「わかった、アレクセイ。アンタに銃を持つことを俺は求めない」
屈んで目線をあわせ、手に手を伸ばす。
握手を求めようと。
「てめェ、何を勘違いしてやがる!」
手を跳ね除けられた。聞くべきじゃない事に踏み込んだのは俺だ。拒否されるのは仕方がない。
「いいか、銃は俺たちを迫害していた奴らの得物だ。だから俺は銃が嫌いだ」
座っていた椅子の上に立った高さから怒声が響く。
怒鳴り散らしてモップでもって殴ってきた掃除婦がフラッシュバックして二重写しになる。理由は何でもありだった。理由は何にもなしだった。
「それに、俺は5つの頃から狩りに出て、山を荒らす人間だって何人も殺してきたんだ。なのに、今の俺に残った狩人の力はこの目と耳だけだ。射手として、あんまりにもお粗末なんだよ、この体は!」
離人感。意志で身動きが出来ない。自動に任せる。
「そうだ、アンタは迫害されてた。大事なものを奪われて悲しかったから怒ってる。だから銃は持たない。俺はそのことを尊重しようっつってんだ。何か問題点があったか?」
手を広げて見せる。隠し事をしていない、というマイム。
「頼むから怒って見おろすのをやめてくれ。殺意が無くても怯えると俺は相手に配慮出来なくなる。怒ってるヤツが見おろしてくるのにいい思い出がねぇ」
恐怖を排除したがる体をおさえつけてフラッシュバックを切り落とすように掌で視界を塞ぐ。
「くそったれ、悲しかねェよ。怒ってンだ」
返ってきた悪態からは力が抜けていた。ストン、と腰が落とされた。視界を遮った手を自分も落とす。
「悪い……ヘロをやり始めてから、時々こうなってよ。詳しいなら分かるだろ、まともじゃねェ……」
目が合う。眼振。何故コレで自制出来る?
「あー、くそ……だめだ、痛ェ……」
痛い、と言った。離脱症状由来にしては速い。出来るだけ刺激しないよう催眠術師の使う音域で柔らかく声を出す。
「理解はするさ。ただ、俺は怖くても平気なツラをする。面白くさせちまったら無駄に殴られてたからな。ヘロを削ってジヒドロコデインとカクテルする。口から食っても血管で食ってもアリョーシャの自由だ。ベッドまで行くが、エスコートが居るか?姫様」
射手であることを踏み躙られて憎んでいるのに、残された目と耳まで手放すことになる。
俺の人生じゃない。
三度唱えてからアリョーシャの手に手の甲を持っていく。拒否されたらそれまでだ。
「殴られた、のか……可哀想に、な。それと、よく分からんけど……お前さんに任せる……」
背中に手を回されてキョトンとした。なんだコレは。こういうのがわかりにくい。
モニタを落として、そのまま持ち上げる。重い。
「任せてくれるんなら、アンタの目と耳をシクサウに足るままであるよう尽くしてやれる。俺の人生じゃなくてもな」
明けない夜に身を寄せ合ってしのぐようなものだった。お互いに凍えている。
「大丈夫だ……俺がいる限りは、守ってやる、から……そのために、白兎研に……」
うわ言の意図はさぐらなくていい。ベッドに運んで、点滴をかけて導入剤と緩和ケアに近い鎮痛剤、ヘロインをオピオイド置換。パーセンテージを選んでカクテル。
視界がやたらと滲んだが、手は間違いなく動いた。
「話す。必ず目を醒ましてくれ」
死にはしないと理解していても、小さな手首の脈を指先に取る。とく、とく、とく、とく、と途切れない事をただ確認しているだけの極夜だった。
NEWS
本日のニュースです先日壊滅したシルウェストリスの最新鋭部隊について
続報が入っています
シルウェストリス社は、遺跡探索を一時中断することを決定しました
これは、自社部隊の再編までの時間確保であり、
次の大侵攻へ向けての準備と見られています
いっぽうヒルコ教団は――
シルウェストリス航空担当『フィズ』からのメッセージ 「さて……まいったな。ニュースは見ているかい? そう、僕たちの部隊が壊滅的被害を受けた」 |
シルウェストリス航空担当『フィズ』からのメッセージ 「出る杭は打たれるってやつなんだ。他の勢力は黙って僕たちが勇み足を踏むのを待っていたんだ。意地が悪いよ」 |
シルウェストリス航空担当『フィズ』からのメッセージ 「でも、犠牲になった仲間の残した、貴重な情報を逃すわけにはいかない」 |
シルウェストリス航空担当『フィズ』からのメッセージ 「君に話せるくらいの情報としては……そうだね。デバステイター・センチネルは、セクションを進むごとに倍の強さになる」 |
シルウェストリス航空担当『フィズ』からのメッセージ 「セクション・5では、予測としておよそ半分の力になる。つまり、もう一回覚醒を残している。つまり、セクション・6があるかもしれないんだ」 |
デバステイター・センチネル≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫ 「まずは、君の力を見させてもらう。もし、脅威となるならば……世界を救命する、脅威となるならば――」 |
◆訓練
王 零式は出力低下誘発A設計書を600cで購入した!!
白兎生体化学と契約成功!!
シルウェストリスと契約成功!!
シルウェストリスと契約成功!!
王 零式はドゥームアームズを0cで購入した!!
王 零式はflyawayを360cで購入した!!
マテリアルベルト発動機と契約成功!!
金塊を200cに換金した!!
金塊を200cに換金した!!
金塊を200cに換金した!!
金塊を200cに換金した!!
◆作製
資金を10を投入した!!
テスラコイル21とテスラコイル20を素材にして四象を作製した!!
◆戦闘システム決定
アサルト に決定!!
◆アセンブル
操縦棺1に簡易操縦棺Dを装備した
脚部2に簡易軽逆関節Aを装備した
スロット3にflyawayを装備した
スロット4に軽身功を装備した
スロット5に軽身功を装備した
スロット6に四象を装備した
スロット7に簡易軽ブースターBを装備した
スロット8にたい焼き餡無しを装備した
スロット9にたい焼き餡無しを装備した
スロット10に簡易術導肢Bを装備した
スロット11に簡易術導肢Bを装備した
◆僚機設定
アレクセイ・エルステッドとバディを結成した!!
◆意思表示設定
意志設定……生存優先
◆ミッション
ミッション設定……ミッションC
ユニオン活動
四不像の檻の活動記録
ウーシュウだ。
失われつつあるそれらを囲う動物園がある。
御伽噺さ。
いや、診療所だよ。心霊手術?そうかもしれない。
人の殺し方と生かし方は同根だってことだ。それがわかるならまあ茶の一杯もふるまうが
失われつつあるそれらを囲う動物園がある。
御伽噺さ。
いや、診療所だよ。心霊手術?そうかもしれない。
人の殺し方と生かし方は同根だってことだ。それがわかるならまあ茶の一杯もふるまうが
ユニオン金庫……1000c
利子配当…………100c
生体電池『下村瘡子E』を対象に配当率を1.5に設定!!
ファティマを対象に配当率を1.5に設定!!
iを対象に配当率を1.5に設定!!
適性の訓練をしました
適性が1上昇した
適性の訓練をしました適性が1上昇した
適性の訓練をしました適性が1上昇した
適性の訓練をしました適性が1上昇した
適性の訓練をしました適性が1上昇した
100c支払い、今回の戦闘において機動力を3%強化した
ENo.128からのメッセージ>>(なにかきた)
メッセージ
ENo.48からのメッセージ>>
《不明瞭なノイズ》
メッセージを送信しました
>>Eno.48
DiMSANI 「あ……あの、零式さん?私、ネレティと申し……あ、えと……分からないですよね!レトログラードの制御AIの、ネレティです。」 |
DiMSANI 「その……独断で通信してしまってごめんなさい。 でも、マスターが……あなたに謝らないと、って言っていたので……」 |
DiMSANI 「その……マスターのこと、嫌わないであげてくださいね。 あなたのことを傷つけようなんて、思ってないはずですから。」 |
DiMSANI 「あっ、マスター帰って来ちゃっ……し、失礼しますね!」 |
メッセージを送信しました
>>Eno.48
◆戦闘結果
戦闘報酬
明日の戦場
第1ブロック
霧に消えた部隊[フラッグ]
とある部隊が霧に隠れて消息不明になった後、再び現れた。奇妙なことに、我々を敵だと思い攻撃を続けている。説得は不可能だ。全滅させてくれ。ノイズと点滅を繰り返す機体がある。あれが核のようだ
来週の霧濃度:89%
来週の電磁波:93%
来週の警戒値:260%
ケイト・アニュレ |
リコ |
ODE-30 |
闇 |
スタニスワフ・クビツァ |
シェリー |
エレライナ・マーラジカル |
アグロヴァル・エッフェンベルグ |
ブラッド・メルヴィル |
アンナロッテ |
HyD汎用接続子『北斗Ⅲ型』 |
アレクセイ・エルステッド |
王 零式 |
有澤 零砂 |
アリーシャ |
ティー |
和装の人形と蒸気の蛙 |
エイジ・アサヒ |
アキラ・ハリアエトゥス |
セレード・ハウエル |
--- | --- | --- | --- | --- |
--- | --- | - vs - | --- | --- |
『固定砲台』[物理] |
機動破壊兵器『テンペスト』[粒子] |
電子戦DR『ヘッジホック』[電子] |
電子戦DR『ヘッジホック』[電子] |
機動破壊兵器『テンペスト』[粒子] |
電子戦DR『ヘッジホック』[電子] |
『固定砲台』[物理] |
電子戦DR『ヘッジホック』[電子] |
『固定砲台』[物理] |
『固定砲台』[物理] |
電子戦DR『ヘッジホック』[電子] |
機動破壊兵器『テンペスト』[粒子] |
自走砲『イーグル』[粒子] |
機動DR『ウィンドベル』[粒子] |
『固定砲台』[物理] |
『固定砲台』[物理] |
機動DR『ウィンドベル』[粒子] |
電子戦DR『ヘッジホック』[電子] |
電子戦DR『ヘッジホック』[電子] |
電子戦DR『ヘッジホック』[電子] |
自走砲『イーグル』[粒子] |
自走砲『イーグル』[粒子] |
自走砲『イーグル』[粒子] |
機動破壊兵器『テンペスト』[粒子] |
キャラデータ
名前
王 零式
愛称
王 零式
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プロフィール
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王零式(ワンリンシー) 東洋人の外見をした28才の旧い旧い武術を修める男。166センチ童顔で体格に恵まれているとは言い難い。 礼儀正しく明るく、優しさを出し惜しみせず、武術で得た身体への知識で施療を無償で行うことも少なくない。 のは表向きの顔である。 そもそもは武術すべての失伝を危惧した一人の富豪が使える者を確保し、その理解の全てと身体の全てを保存し続けてきた、人間と武術の動物園に残された四不像がこの名前のない男の生まれである。 あまりに使えると管理者が扱いきれないために分割された一片の技術しか持たなかったが、猛烈な飢餓に襲われて園の旧友を食べた結果、彼は旧友の持つ技術体系を理解する。 それはプリオン病を意図的に「手懐け」脳とそれに載る「文献」を運ばせたこと、友人と戦い身体を解体して理解したことの両面から来る現象だった。 遁走した彼が行き着いたのは、威圧感のない外見ながら強力な殺人術を持ち、しかも武器のチェックに一切引っかからないことを最大に利用した稼業、暗殺者である。 だがそれでも隠された園の仲間のゆくえを調べ上げて食べるには足りない。 身元を問われず大きく稼ぎ、その金の行方があまり追求されない立場の一つとしてハイドラライダーのライセンスを取得することになる。 機械は効率を重んじれば人としてのなりたち、他の生き物に似てくるもので、そう弄り方は変わらず。 ハイドラ 阿飛(悪ガキ) 特別な仕様は何もない。人体の構造を自身の武器として役に立つ程度に拡大して再現しただけのものである。唯一、飛行だけが生物の論理から外れ、飛行によって真に丹田を中心とした動きが可能になっている。 これがハイドラとして戦うことにどう活かされてくるかは未知数。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
__0__1__2__3__4__5__6__7 __8__9_10_11_12_13_14_15 _16_17_18_19_20_21_22_23 |
機体データ |
|
|
13 | 重ブースターA | 重ブースターA設計書 [20/保証/---] 特殊B[80] [設計書] |
▼詳細 |
---|---|---|---|
29 | 出力低下誘発A | flyaway [20/誘発/誘発]《装備:3》 | ▼詳細 |
24 | 軽逆関節A
| 簡易軽逆関節A [20/飛行/---]《装備:2》 機動[581] 跳躍[219] AP[351] 旋回速度[877] 防御属性[粒子] 防御値[180] 貯水量[87] 積載量[2100] 消費EN[108] 金額[360] 重量[800] [逆関節] *作者* |
▼詳細 |
1 | 操縦棺D | 簡易操縦棺D [20/霊障/---]《装備:1》 | ▼詳細 |
2 | 飛行ユニットA | 簡易飛行ユニットA [20/霊障/---] 飛行[131] AP[438] 旋回速度[131] 防御属性[電子] 防御値[144] 貯水量[175] 噴霧量[182] 弾数[1] 消費EN[324] 金額[360] 重量[100] [飛行補助] *作者* |
▼詳細 |
3 | 素材 | 粒子吸着材21 [21/耐粒/---] [素材] |
▼詳細 |
4 | 素材 | 衝撃吸収板22 [22/耐物/---] 特殊B[120] [素材] |
▼詳細 |
5 | 素材 | 軽量化プラン22 [22/重量軽減/---] 特殊B[120] [素材] |
▼詳細 |
6 | 素材 | 反動吸収機構22 [22/変形/---] 特殊B[120] [素材] |
▼詳細 |
7 | 飛行ユニットA | 四象 [21/霊障/霊障]《装備:6》 飛行[136] AP[456] 旋回速度[136] 防御属性[電子] 防御値[149] 貯水量[182] 噴霧量[191] 弾数[1] 消費EN[337] 金額[427] 重量[100] [飛行補助] *作者* |
▼詳細 |
8 | 出力低下誘発A | 出力低下誘発A設計書 [20/---/---] 金額[600] [設計書] |
▼詳細 |
9 | 軽ブースターA | 簡易軽ブースターA [20/霊障/---] | ▼詳細 |
10 | 術導肢B | 簡易術導肢B [20/霊障/---]《装備:11》 | ▼詳細 |
11 | 術導肢B | 簡易術導肢B [20/霊障/---]《装備:10》 | ▼詳細 |
12 | 重ブースターA | 軽身功 [20/霊障/---]《装備:4》 | ▼詳細 |
14 | --- | --- | --- |
15 | 素材 | ブラックボックス20 [20/誘発/---] [素材] |
▼詳細 |
16 | エンジンB | たい焼き餡無し [20/重量軽減/---]《装備:8》 | ▼詳細 |
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20 | エンジンB | たい焼き餡無し [20/重量軽減/---]《装備:9》 | ▼詳細 |
21 | 軽ブースターB
| 簡易軽ブースターB [20/旋回/---]《装備:7》 | ▼詳細 |
22 | 重ブースターA | 軽身功 [20/霊障/---]《装備:5》 | ▼詳細 |
23 | 索敵障害誘発A | 合気術 [20/誘発/耐霊] | ▼詳細 |
25 | --- | --- | --- |
26 | 素材 | 対魔呪符20 [20/耐霊/---] [素材] |
▼詳細 |
27 | --- | --- | --- |
28 | 術導肢B | ドゥームアームズ [20/跳躍/精度] | ▼詳細 |
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