ENo.0214　エイプリル・ストーン

【ストーンズ・ログ05】
高出力レーザーガンを使うようになったのは、数か月前の事だ。
ある一件で手酷い精神ダメージを受けた私は、それからの回復後も若干の後遺症を残している。
（その一件が何だったのかは覚えていない。思い出してはいけない。
　そのために記憶を封鎖した）

その後遺症というのは、率直に言えば狂気だ。
元々は後方支援、及び諜報を得意とする私だが、後遺症の発現後は最前線に出る事に対し何の躊躇も無くなった。
最前線で受けるであろうリスクを無視し、ハイリターンを得る事に躊躇が無い。
つまりの所、ハイリスク・ハイリターンを好む性質へと変化している。

そのため、最前線に合った装備―――手に馴染むフォトン・アーマリー・ガンアームズ社の光学拳銃の、短射程高出力モデルを手にするようになった。
そして、ハイドラライダーとしても…エンジンを回し、最前線に出て敵を切り刻み、撃ち抜く戦闘スタイルを使う様になった。

正気じゃない、とは言われた。
どんな肝をしてるんです、と問われた。

それがどうした。
今の私にとってはこのありかたこそが正気だ。

移動型ガレージ。
この手の機種は本来、フリーランサーの稼ぎでは手が届きにくいとされている。
設備も上質な品が揃っており、これを調達するための金の流れに妙なものを感じるかもしれない。