第25週目 『偽りの幸運』エイビィの一週間
◆日記
繋いだ手に滲んでいる汗が、自分のものなのかチャーリーのものなのか分からない。マーケットには相変わらずひんやりとした深い霧が漂っていたけれど、この人いきれではそれもすぐに温められ汗ばむような熱気に変わっていた。
爆発が起こり、霧の中にきな臭い煙が混じっても、それほど騒ぎが起きることがないのは、ハイドラライダーやその仲介人たちが集まるマーケットならではだろう。ただ、さすがにこの霧もあって、避難は順調には進んでいない。煙に咳き込みながら、ハルは空を仰ぐ。薄暗い白い空が閃光に照らし出されて瞬き、目を灼いた。
マーケットで戦闘行動を起こす馬鹿がいるかよ、と誰かが毒づく。まったくかれの言う通りなのだろうだけれど、言ってみたところでもう戦いが始まってしまっているには違いなかった。一秒先には、こちらにハイドラの銃弾が飛んできて、ここにいる人間が吹き飛ばされてしまう可能性もある。
怖くはなかった。ハルはチャーリーに手を引かれながら、その背を見上げる。こういう時、怖いと思った時はなかった。きょうだいたちが『ライズラック』――エイビィに潰されていった時さえ、怒りや悲しみを感じても、恐怖を覚えたことはなかった。エイビィの、あの何を考えているか分からない表情の方が、よほど――
(エイビィ)
そう。エイビィだ。
かれも、まだこのマーケットのどこかにいるはずだ。ハルに愛想を尽かせて帰ってしまっていない限りは――あり得ないとは思っていたけれど、いっそそうであればいいのにとも思った。ここから立ち去っていれば、戦闘に巻き込まれている可能性もない。
だが、エイビィはまだこの戦場のどこかにいる。ハイドラに押し潰されて、『ライズラック』に乗らないまま死んでしまっている可能性だってある。
そうなったら、自分はどうすればいいのだろう。エイビィを自分で殺せないまま、父やきょうだいたちの仇を取れないまま、同じようにここで死んでいくだけか。
そう思うと、気が遠くなる。
恐ろしいのではない。ただ、ひどい焦燥感だけがあった。
「――」
気が付くと、その場に立ちすくんでいた。
汗ばんだ指がずるりと滑って、チャーリーの手が離れる。チャーリーがこちらを振り返り、人混みも構わずに屈み込んだ。死にたいのか、と誰かが怒鳴った。ハルもそう思う。けれど、動けなかった。
「エイビィが」
ハルの言葉から、チャーリーが何をどう読み取ったのかは分からない。無言のまま、ハルの方へ手を伸ばし、硬直したハルを抱き上げる。
「エイビィが……!」
「彼なら自分で何とかするわ。今は自分たちのことを考えるしかないのよ」
チャーリーの抑えられ、落ち着いた声音は、そうかも知れないと思わせる強さがあった。少なくとも、ハルの口を噤ませる程度には。チャーリーはそれ以上何も言わず、ハルを抱えたまま人の波の中を早足に歩いていった。ハルもまた黙りこくったまま、チャーリーにしがみつく。
開放された検問を抜け、色分けされたように広がる不毛の荒野を歩いてしばし。『ヴォワイヤン』は、廃墟の影に巧妙に隠されていた。その平べったい頭部を見上げて、ハルはチャーリーの腕の中で身を硬くする。
「大丈夫、この機体はあんまり動き回らないから」
何気ない口調で言って、チャーリーはほどけるように操縦棺を開いた『ヴォワイヤン』へ、足早に歩いて行った。
『ヴォワイヤン』の操縦棺の中は、『ライズラック』のそれとはかなり趣が異なっていた。シートの形状はゆったりとしており、操縦桿の類もない。操縦盤の代わりにキーボードが置かれている。画面が大きくとられていて数が多く、違う企業のハイドラであることを差し引いても、まったく役割の違う機体であることは感じ取れた。
虫の羽音めいた音を立てながら、『ヴォワイヤン』の画面に光が灯る。ぼんやりと明るくなった操縦棺の中、ハルは画面を避けるようにひっそりと貼られた写真を見つけて、目を瞬かせた。
「破滅的ね」
ハルを膝の上に座らせたチャーリーは、手元に浮かんだウィンドウを見てそうつぶやいた。ハルの訝しげな顔に気が付いたのだろう、微笑んで続ける。
「マーケットに手を出した連中のことよ。多勢に無勢だわ」
チャーリーがキーボードに指を走らせるとともに、ハルを浮遊感が襲う。『ヴォワイヤン』には『ライズラック』が以前アセンブルしていたような『翅』のようなものはついていなかったが、恐らく飛行ユニットが積まれているのだろう。
次いで正面の大きな画面に表示されたのは、霧に覆われていない鮮明な外部の映像だ。もちろん、いきなり霧が晴れたわけではない。『ヴォワイヤン』の機能だろう。コンピュータ・グラフィクスだ。
遠くに飛び交うハイドラと、炎の上がるマーケットの様子が鮮明に視認できる。ただし、ハイドラの姿までは正確には映せないようだった。ぼやけ、黒い影になっている。
視覚映像の向かって左に、以前『ライズラック』に送られてきたのと同じ配置図が表示された。この濃霧をものともしない、強力な索敵能力。
「さ、煙の中を走らされたぶんはお返ししないとね。
みんな、マーケットに当てないように気を付けてくれればいいんだけれど」
キーボードを叩くとともに、レーダーに表示された光点にマークが追加された。
最初十数個しかなかった光点は、瞬く間にマーケットを取り囲むように二十、三十と増えていく。マーケットまで、自分のハイドラを操縦してやって来るハイドラライダーは少なくない。マーケットに手を出せば、最終的にこういうことになるのは当然だ。
そこからは早かった。マーケットに近づくまでもなく、チャーリーに敵の識別を振られた光点が次々消えていく。
「味方側に、足の速い格闘機がいるわね。彼かは分からないけれど」
眉根を寄せて、チャーリーが物憂げにつぶやく。ハルは言われて、視覚映像に目を凝らしたが、もちろん、ハイドラの姿はみな影のようにぼやけて見えることはなかった。
「心配しなくても、戦闘はもう終わるわ。そっちの方がすぐ……どうしたの?」
言葉を止めて、チャーリーが訝しげな顔をする。ハルも恐らく、似たような顔をしていた。
操縦棺の中を見回し、レーダーの表示を確認する。『ヴォワイヤン』の近くには、ハイドラの姿はない。一瞬、気配を感じたような気がしたのだが、気のせいだったのか。
「……なんでもない。大丈夫、おわるまで待ってる……」
言ううちにも、レーダー上に敵影はほとんどなくなっている。エイビィがもし、死んでいたら。
「ハル、こっちに向かってくる機体がある。さっきの格闘機よ」
ほっとしたようなチャーリーの声に、ハルはぱっと顔を上げた。
身を乗り出して、レーダーと視覚映像を見比べる。確かに、こちらにまっすぐ飛んでくる機影が見えた。チャーリーがキーボードに指を走らせると、その影が鮮明さを増していく。
果たして、確かにそれは、『ライズラック』だった。だが、様子がおかしい。こちらに近づくスピードが速すぎる。
チャーリーが息を呑み、身を硬くするのが背中越しに感じ取れた。
レーダー上で敵の表示が消え、戦闘の終了を告げてくる。だが、『ライズラック』は依然、猛スピードでこちらへ突っ込んでくる。その手には、粒子スピアが握られていた。『ヴォワイヤン』に、『ライズラック』を避けるような運動性はない。
『ライズラック』が画面の中で粒子スピアを振りかぶった。視覚映像の中いっぱいに、スズメバチに似た『ライズラック』の顔が表示される。
「オーガスト! あなたやっぱり……!」
チャーリーが鋭く叫んだのは、ハルの知らない名前だった。
ハルは、遺跡の中で殺されたきょうだいたちのことを思った。そこに行けるのだろうか、と。
次の瞬間、けたたましい音を立てて、アラートが上がった。
レーダー上、『ヴォワイヤン』の背後に、敵を示す光点が一瞬表示され、すぐさま消える。
『ヴォワイヤン』に爆発の衝撃が伝わったが、それだけだ。『ライズラック』は粒子スピアを引き、こちらから緩やかに離れる。
「次元潜航……」
震える声でチャーリーが言葉を紡ぎ、ぐったりと脱力した。ハルは息を詰めたまま、『ライズラック』を見つめていた。
◇ ◆ ◇
「ハル!」
『ライズラック』から降りたエイビィは、ハルを見てひどく安堵した顔になった。いつものエイビィだ、と思う。ハルはチャーリーから離れ、エイビィにおずおずと歩み寄った。
「無事でよかった。怪我はない?」
「うん……」
ハルは一方的に叫んでエイビィの前から逃げたことを今さら思い出して、目を逸らす。エイビィは眉尻を下げて、チャーリーの方へ目を向けた。
「あなたが助けてくれていたのね、ありがとう」
「お礼を言うのはこちらの方でしょ。……危ないところだった」
「あら、あなたのおかげよ。レーダー図がちらついたんで気が付けたんだもの。
……さて、ゆっくり話をしているって感じじゃないわね。あたしたちはさっさと帰ることにするわ」
霧の向こう、いまだ煙の立ち上るマーケットを振り返り、エイビィは肩を竦める。チャーリーは何か言いかけたように口を開いたが、すぐに閉じた。小さく頷く。
「私もそうする。――機会があればまた」
エイビィはそれに答えなかった。ハルに視線を向けて、手を差し伸べてくる。
ハルは逡巡した後、その手を掴んだ。『ライズラック』を見上げながら、ハルは『ヴォワイヤン』に貼ってあった写真のことを思い出す。そこに映っていた男性の顔は、どこかエイビィに似ていた。
……チャーリーには、恐らくまた会う必要がある。
ハルは黙りこくったまま、エイビィの手を握る手に力を込めた。
爆発が起こり、霧の中にきな臭い煙が混じっても、それほど騒ぎが起きることがないのは、ハイドラライダーやその仲介人たちが集まるマーケットならではだろう。ただ、さすがにこの霧もあって、避難は順調には進んでいない。煙に咳き込みながら、ハルは空を仰ぐ。薄暗い白い空が閃光に照らし出されて瞬き、目を灼いた。
マーケットで戦闘行動を起こす馬鹿がいるかよ、と誰かが毒づく。まったくかれの言う通りなのだろうだけれど、言ってみたところでもう戦いが始まってしまっているには違いなかった。一秒先には、こちらにハイドラの銃弾が飛んできて、ここにいる人間が吹き飛ばされてしまう可能性もある。
怖くはなかった。ハルはチャーリーに手を引かれながら、その背を見上げる。こういう時、怖いと思った時はなかった。きょうだいたちが『ライズラック』――エイビィに潰されていった時さえ、怒りや悲しみを感じても、恐怖を覚えたことはなかった。エイビィの、あの何を考えているか分からない表情の方が、よほど――
(エイビィ)
そう。エイビィだ。
かれも、まだこのマーケットのどこかにいるはずだ。ハルに愛想を尽かせて帰ってしまっていない限りは――あり得ないとは思っていたけれど、いっそそうであればいいのにとも思った。ここから立ち去っていれば、戦闘に巻き込まれている可能性もない。
だが、エイビィはまだこの戦場のどこかにいる。ハイドラに押し潰されて、『ライズラック』に乗らないまま死んでしまっている可能性だってある。
そうなったら、自分はどうすればいいのだろう。エイビィを自分で殺せないまま、父やきょうだいたちの仇を取れないまま、同じようにここで死んでいくだけか。
そう思うと、気が遠くなる。
恐ろしいのではない。ただ、ひどい焦燥感だけがあった。
「――」
気が付くと、その場に立ちすくんでいた。
汗ばんだ指がずるりと滑って、チャーリーの手が離れる。チャーリーがこちらを振り返り、人混みも構わずに屈み込んだ。死にたいのか、と誰かが怒鳴った。ハルもそう思う。けれど、動けなかった。
「エイビィが」
ハルの言葉から、チャーリーが何をどう読み取ったのかは分からない。無言のまま、ハルの方へ手を伸ばし、硬直したハルを抱き上げる。
「エイビィが……!」
「彼なら自分で何とかするわ。今は自分たちのことを考えるしかないのよ」
チャーリーの抑えられ、落ち着いた声音は、そうかも知れないと思わせる強さがあった。少なくとも、ハルの口を噤ませる程度には。チャーリーはそれ以上何も言わず、ハルを抱えたまま人の波の中を早足に歩いていった。ハルもまた黙りこくったまま、チャーリーにしがみつく。
開放された検問を抜け、色分けされたように広がる不毛の荒野を歩いてしばし。『ヴォワイヤン』は、廃墟の影に巧妙に隠されていた。その平べったい頭部を見上げて、ハルはチャーリーの腕の中で身を硬くする。
「大丈夫、この機体はあんまり動き回らないから」
何気ない口調で言って、チャーリーはほどけるように操縦棺を開いた『ヴォワイヤン』へ、足早に歩いて行った。
『ヴォワイヤン』の操縦棺の中は、『ライズラック』のそれとはかなり趣が異なっていた。シートの形状はゆったりとしており、操縦桿の類もない。操縦盤の代わりにキーボードが置かれている。画面が大きくとられていて数が多く、違う企業のハイドラであることを差し引いても、まったく役割の違う機体であることは感じ取れた。
虫の羽音めいた音を立てながら、『ヴォワイヤン』の画面に光が灯る。ぼんやりと明るくなった操縦棺の中、ハルは画面を避けるようにひっそりと貼られた写真を見つけて、目を瞬かせた。
「破滅的ね」
ハルを膝の上に座らせたチャーリーは、手元に浮かんだウィンドウを見てそうつぶやいた。ハルの訝しげな顔に気が付いたのだろう、微笑んで続ける。
「マーケットに手を出した連中のことよ。多勢に無勢だわ」
チャーリーがキーボードに指を走らせるとともに、ハルを浮遊感が襲う。『ヴォワイヤン』には『ライズラック』が以前アセンブルしていたような『翅』のようなものはついていなかったが、恐らく飛行ユニットが積まれているのだろう。
次いで正面の大きな画面に表示されたのは、霧に覆われていない鮮明な外部の映像だ。もちろん、いきなり霧が晴れたわけではない。『ヴォワイヤン』の機能だろう。コンピュータ・グラフィクスだ。
遠くに飛び交うハイドラと、炎の上がるマーケットの様子が鮮明に視認できる。ただし、ハイドラの姿までは正確には映せないようだった。ぼやけ、黒い影になっている。
視覚映像の向かって左に、以前『ライズラック』に送られてきたのと同じ配置図が表示された。この濃霧をものともしない、強力な索敵能力。
「さ、煙の中を走らされたぶんはお返ししないとね。
みんな、マーケットに当てないように気を付けてくれればいいんだけれど」
キーボードを叩くとともに、レーダーに表示された光点にマークが追加された。
最初十数個しかなかった光点は、瞬く間にマーケットを取り囲むように二十、三十と増えていく。マーケットまで、自分のハイドラを操縦してやって来るハイドラライダーは少なくない。マーケットに手を出せば、最終的にこういうことになるのは当然だ。
そこからは早かった。マーケットに近づくまでもなく、チャーリーに敵の識別を振られた光点が次々消えていく。
「味方側に、足の速い格闘機がいるわね。彼かは分からないけれど」
眉根を寄せて、チャーリーが物憂げにつぶやく。ハルは言われて、視覚映像に目を凝らしたが、もちろん、ハイドラの姿はみな影のようにぼやけて見えることはなかった。
「心配しなくても、戦闘はもう終わるわ。そっちの方がすぐ……どうしたの?」
言葉を止めて、チャーリーが訝しげな顔をする。ハルも恐らく、似たような顔をしていた。
操縦棺の中を見回し、レーダーの表示を確認する。『ヴォワイヤン』の近くには、ハイドラの姿はない。一瞬、気配を感じたような気がしたのだが、気のせいだったのか。
「……なんでもない。大丈夫、おわるまで待ってる……」
言ううちにも、レーダー上に敵影はほとんどなくなっている。エイビィがもし、死んでいたら。
「ハル、こっちに向かってくる機体がある。さっきの格闘機よ」
ほっとしたようなチャーリーの声に、ハルはぱっと顔を上げた。
身を乗り出して、レーダーと視覚映像を見比べる。確かに、こちらにまっすぐ飛んでくる機影が見えた。チャーリーがキーボードに指を走らせると、その影が鮮明さを増していく。
果たして、確かにそれは、『ライズラック』だった。だが、様子がおかしい。こちらに近づくスピードが速すぎる。
チャーリーが息を呑み、身を硬くするのが背中越しに感じ取れた。
レーダー上で敵の表示が消え、戦闘の終了を告げてくる。だが、『ライズラック』は依然、猛スピードでこちらへ突っ込んでくる。その手には、粒子スピアが握られていた。『ヴォワイヤン』に、『ライズラック』を避けるような運動性はない。
『ライズラック』が画面の中で粒子スピアを振りかぶった。視覚映像の中いっぱいに、スズメバチに似た『ライズラック』の顔が表示される。
「オーガスト! あなたやっぱり……!」
チャーリーが鋭く叫んだのは、ハルの知らない名前だった。
ハルは、遺跡の中で殺されたきょうだいたちのことを思った。そこに行けるのだろうか、と。
次の瞬間、けたたましい音を立てて、アラートが上がった。
レーダー上、『ヴォワイヤン』の背後に、敵を示す光点が一瞬表示され、すぐさま消える。
『ヴォワイヤン』に爆発の衝撃が伝わったが、それだけだ。『ライズラック』は粒子スピアを引き、こちらから緩やかに離れる。
「次元潜航……」
震える声でチャーリーが言葉を紡ぎ、ぐったりと脱力した。ハルは息を詰めたまま、『ライズラック』を見つめていた。
◇ ◆ ◇
「ハル!」
『ライズラック』から降りたエイビィは、ハルを見てひどく安堵した顔になった。いつものエイビィだ、と思う。ハルはチャーリーから離れ、エイビィにおずおずと歩み寄った。
「無事でよかった。怪我はない?」
「うん……」
ハルは一方的に叫んでエイビィの前から逃げたことを今さら思い出して、目を逸らす。エイビィは眉尻を下げて、チャーリーの方へ目を向けた。
「あなたが助けてくれていたのね、ありがとう」
「お礼を言うのはこちらの方でしょ。……危ないところだった」
「あら、あなたのおかげよ。レーダー図がちらついたんで気が付けたんだもの。
……さて、ゆっくり話をしているって感じじゃないわね。あたしたちはさっさと帰ることにするわ」
霧の向こう、いまだ煙の立ち上るマーケットを振り返り、エイビィは肩を竦める。チャーリーは何か言いかけたように口を開いたが、すぐに閉じた。小さく頷く。
「私もそうする。――機会があればまた」
エイビィはそれに答えなかった。ハルに視線を向けて、手を差し伸べてくる。
ハルは逡巡した後、その手を掴んだ。『ライズラック』を見上げながら、ハルは『ヴォワイヤン』に貼ってあった写真のことを思い出す。そこに映っていた男性の顔は、どこかエイビィに似ていた。
……チャーリーには、恐らくまた会う必要がある。
ハルは黙りこくったまま、エイビィの手を握る手に力を込めた。
NEWS
……番組は御覧のスポンサーの提供でお送りしました――重厚な思いを、明日へ――デ ス ケ ル 重 工
辺境のレジスタンス『ルオシュ』からのメッセージ 「ルオシュだ。要塞戦に関してメフィルクライアからメッセージを受け取った」 |
辺境のレジスタンス『ルオシュ』からのメッセージ 「何の思惑があるか分からんが……とにかく、俺は進むだけ。ただ、それだけだ」 |
メフィルクライア 「おはようございます。メフィルクライアです!」 |
メフィルクライア 「『ミサイルキャリアー』は超高速で領域離脱と領域復帰を繰り返します。スキャンによる追尾でも射程に捉えることは不可能です」 |
メフィルクライア 「ただ、護衛をすべて破壊してしまえば、逃げるわけにもいかないので、あとは通常通りでしょう」 |
メフィルクライア 「あなたたちの、力……私はそれが、この世界をどう変えてしまうか。それだけが気になります。この領域を焼き尽くすのか、それとも……」 |
◆訓練
反応の訓練をしました反応が82上昇した
格闘の訓練をしました経験値が足りない
格闘の訓練をしました経験値が足りない
格闘の訓練をしました経験値が足りない
格闘の訓練をしました経験値が足りない
◆破棄
エイビィは反動吸収機構43を破棄した!!
エイビィはCA-2を破棄した!!
エイビィは噴霧器『スクイード』を破棄した!!
エイビィは高速化プラン43を破棄した!!
エイビィはdroimarAis:T/M_v2を破棄した!!
エイビィは飛行ユニット『カイトⅡ』を破棄した!!
エイビィは戦術用対霊パイル『アイアンニードル』を破棄した!!
◆送品
エイビィはAI-弐式に軽逆関節『オックスラッシュ』を送品した
◆送金
◆購入
エイビィは複合式高奏エンジン『ヤマダノオロチ』を571cで購入した!!
エイビィはArm-04[コンキスタドールⅢ]を648cで購入した!!
エイビィは白兵機動用補助車輪を1260cで購入した!!
◆作製
作成時補助発動! 高圧!! 消費ENが 43 増加!!
作成時補助発動! 加重!! パーツ重量が 43 増加!!
強襲『スペクターズ・オンスロート』と『善意』を素材にして硬質ダガー『リザーズ・テイルⅡ』を作製した!!
◆戦闘システム決定
バーサーク に決定!!
◆アセンブル
操縦棺1に防霧操縦棺『ソーンツェワ』を装備した
脚部2に試作脚部フレーム(軽量型)を装備した
スロット3に重度汚染エンジン"ニドヘグ"を装備した
スロット4にエンジンB『火男』を装備した
スロット5に重ブースター『セイルフィッシュ』を装備した
スロット6にArm-04[コンキスタドールⅢ]を装備した
スロット7に白兵機動用補助車輪を装備した
スロット8にヴァン・エセルタインを装備した
スロット9にZH-lb/CC03R:RaccoonⅢを装備した
スロット10に重装電磁杭射出装置〈耐霊〉を装備した
スロット11に硬質ダガー『リザーズ・テイルⅡ』を装備した
◆パーツ改名
◆パーツアイコン変更
◆僚機設定
◆意思表示設定
意志設定……生存優先
◆ミッション
ミッション設定……ミッションD
ユニオン活動
MP社関連企業所属の活動記録
マヴロス・フィニクス(MAVROS PHOENIX)社は残像領域に存在する複合企業(コングロマリット)
買収・分裂・独立、政争を繰り返した結果、関連会社同士で企業間戦争を行うこともあるほど混沌とした様相を呈す。
そのエンブレムは『黒い不死鳥』であるが、マヴロス・フィニクスがすべて灰になることはない。
マヴロス・フィニクスには頭はない。ハイドラが操縦棺というコアを有するのとは対照的に、どこを潰されても、どこかが生きていれば、黒い不死鳥は生き続ける。
このユニオンは、MP社に関連するハイドラライダーが加入する互助組織の一つ。
あなたは『本社』と呼ばれる複数の部門のどれかに囲われているかも知れない。
あるいは、小さな関連企業の大事な奥の手かも知れない。
いずれにせよあなたは企業の利益のために戦うことを命じられている。あなたの肚の裡は、誰にもわからないけれど。
買収・分裂・独立、政争を繰り返した結果、関連会社同士で企業間戦争を行うこともあるほど混沌とした様相を呈す。
そのエンブレムは『黒い不死鳥』であるが、マヴロス・フィニクスがすべて灰になることはない。
マヴロス・フィニクスには頭はない。ハイドラが操縦棺というコアを有するのとは対照的に、どこを潰されても、どこかが生きていれば、黒い不死鳥は生き続ける。
このユニオンは、MP社に関連するハイドラライダーが加入する互助組織の一つ。
あなたは『本社』と呼ばれる複数の部門のどれかに囲われているかも知れない。
あるいは、小さな関連企業の大事な奥の手かも知れない。
いずれにせよあなたは企業の利益のために戦うことを命じられている。あなたの肚の裡は、誰にもわからないけれど。
反応の訓練をしました
反応が1上昇した
反応の訓練をしました反応が1上昇した
反応の訓練をしました反応が1上昇した
格闘の訓練をしました格闘が1上昇した
格闘の訓練をしました格闘が1上昇した
100c支払い、今回の戦闘において機動力を3%強化した
メッセージ
ENo.4からのメッセージ>>
ENo.61からのメッセージ>>
ENo.286からのメッセージ>>
ENo.513からのメッセージ>>
少女は小首を傾げたが、気を取り直したように話を続ける。
メッセージを送信しました
>>Eno.276 >>Eno.291
ニーユ 「へ、あ」 |
ニーユ 「……(めっちゃ恥ずかしい。俯いた。)」 |
ニーユ 「そう、そうですね、仰る通りで……今この場でやましいことがあるわけではないですけれど、やらずに済むなら私はそのほうがうれしいです」 |
ニーユ 「……ああ、そうか。選ぶ権利もある、わけですからね……そっか、そうだよなあ……」 |
ニーユ 「あ、はい。そうです。」 |
ニーユ 「雑に説明すると、人工筋肉を外骨格で覆っている……という感じになるんでしょうか。中身の密度が基本的に高いので、見た目以上に重いですね」 |
ニーユ 「人工筋肉、とは言いましたけど、実際はスライムなので……袋詰めしたスライムがついてるみたいな……(自分で言っといて表現的にどうなんだ、と渋い顔をした。)」 |
パロット 「おう、安心しろよ! 俺様は祟ったり呪ったりしねーからな! もちろん霊障攻撃もできません!」 |
コルヴス 「それ、幽霊として存在してる意味あるのかな……」 |
パロット 「存在全否定やめてくんねーかな???」 |
コルヴス 「ふふ、そう大した理由はありませんよ。単に、元々名前が無いというだけです」 |
パロット 「それはそれで、めちゃくちゃ特殊な例だと思うけどなぁ……」 |
コルヴス 「『向こう側』から来たボクからすれば、残像領域における『企業』の持つ力や、ハイドラライダーの在り方の方がよっぽど興味深いですがね。……もちろん、あなたを含めて」 |
コルヴス 「それでは、ボクはこれで。またどこかの戦場でお会いできれば……その時に」 |
エマ 「なんにせヨ、死亡を許容して無茶に立ち回らるカ、生存を優先するカ、の違いなんだろうナ。 ……戦いが始まってしばらく経つガ、未だにエイビィと通信ができているコト、ありがたく感じるナ」 |
エマ 「そーだナ、ライダーはいろいろ大変ダ。 イイ移住先を探さねばならないシ、操縦士として力もつけて、立派な戦士にならないとイカン」 |
エマ 「私が勉強してムラの連中に文字を教えてやれレバ、隊商にボッたくられるコトもなくなるシ、都市の連中にナメられなくなる……」 |
エマ 「……しかし、文字の読み書きだけでもムズカシイナ……。エイビィは、勉強できるカ?」 |
ベル 「そのすじ?」 |
ベル 「ええっと、ファミリーっていうのは、ボクの故郷なんです! ハイドラに乗るのが得意な人や、野菜を作るのが上手な人、生き物のお世話するのが好きな人、いっつも機械をいじってる人、鉄砲でボクの頭の上のリンゴを撃ち抜いちゃう人……」 |
ベル 「そういう人たちがお互いに助け合って、暮らしているところなんです!」 |
ベル 「ちょっとコワい感じの人もいるけど…………」 |
ベル 「……っとと、ボクもそろそろお仕事の時間なのでおいとましないとです! もしまた戦場で会ったらよろしくですよ、お姐さん!!」 |
メッセージを送信しました
>>Eno.276 >>Eno.291
◆戦闘結果
戦闘報酬
明日の戦場
第28ブロック
遺産兵器発掘[フラッグ]
古代の遺産兵器が発見されたらしい。敵企業の部隊が向かっている。奴らを一人残らず撃退してくれ。部隊の指揮官を発見した。撃破してくれ
来週の霧濃度:87%
来週の電磁波:113%
フェリックス・アロースミス |
相崎ナナ |
立方躰 |
竜御子 |
テツテツ |
factpus |
彩香=クライシス |
時雨崎くぐい |
四月一日 飾 |
キース・コリンズ |
岡崎 花澄 |
フィフェリさん |
ぐりんてぃ |
ボンボンバー・ボンボンバー |
竜胆 菫 |
『偽りの幸運』エイビィ |
グレン・ブラフォード |
水枷 葉月 |
アウトーレ・ディ・フィアーバ |
レイシア |
添泉豆子 |
--- | --- | --- | --- |
--- | --- | - vs - | --- | --- |
戦闘機『デボンレックス』[物理] |
戦闘機『デボンレックス』[物理] |
戦闘機『デボンレックス』[物理] |
『中古装甲車』[電子] |
『中古装甲車』[電子] |
『装甲車』[火炎] |
『トーチカ』[物理] |
『トーチカ』[物理] |
戦闘機『デボンレックス』[物理] |
電撃型WH『テスラ』[電子] |
『装甲車』[火炎] |
『トーチカ』[物理] |
電撃型WH『テスラ』[電子] |
『トーチカ』[物理] |
『中古装甲車』[電子] |
戦闘機『デボンレックス』[物理] |
戦闘機『デボンレックス』[物理] |
『装甲車』[火炎] |
キャラデータ
名前
『偽りの幸運』エイビィ
愛称
エイビィ
|
| |||||||||||||||||||||||||||||||||
プロフィール
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||
エイビィ 残像領域に存在する複合企業の中のひとつに所属するハイドラライダー。企業の利益を優先し、時に自分の命を棄てるような戦術さえ取ることもある、戦場の犬。 その名は、単純にアルファベットのAとBを意味する。 ハル エイビィがメカニックとして連れている少女。人間嫌い。 『キャットフィッシュ』 エイビィの母艦。居住性と安定性を重視した小型艦であり、通常自動操縦で航行する。 『ライズラック』 エイビィの乗機。抵抗の少ない流線型のフォルム。その顔はスズメバチを思わせる。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
__0__1__2__3__4__5__6__7 __8__9_10_11_12_13_14_15 _16_17_18_19_20_21_22_23 |
機体データ |
|
|
1 | 操縦棺C | 防霧操縦棺『ソーンツェワ』 [39/薄装減霧/薄装減霧]《装備:1》 | ▼詳細 |
---|---|---|---|
2 | 硬質ダガーA | 硬質ダガー『リザーズ・テイルⅡ』 [43/高握力/重暴力]《装備:11》 火力[809] 連撃数[3] 防御属性[粒子] 防御値[323] 精度[242] 貯水量[194] 弾数[12] 武器属性[速射] 異常追加[40] 消費EN[59] 金額[498] 弾薬費[10] 重量[93] [物理格闘] *作者* |
▼詳細 |
3 | 素材 | 艦載用レドーム44 [44/重索敵/---] 特殊B[560] [素材] |
▼詳細 |
4 | 操縦棺A | 耐霊操縦棺『蜘蛛の巣』 [34/耐霊/重量軽減] | ▼詳細 |
5 | レーダーA | 格闘補助レーダー『ドラゴンフライ・アイ』 [40/高握力/高握力] | ▼詳細 |
6 | 重ブースターA | 重ブースター『セイルフィッシュ』 [40/幻想機動/幻想機動]《装備:5》 | ▼詳細 |
7 | エンジンB | 複合式高奏エンジン『ヤマダノオロチ』 [42/高握力/高握力] | ▼詳細 |
8 | 重ブースターA | [純正]排気ジェット [39/高握力/突撃態勢] | ▼詳細 |
9 | エンジンB | 高握力エンジンA-03『イスヒス』 [33/高握力/高握力] | ▼詳細 |
10 | 腕部B | Arm-04[コンキスタドールⅢ] [42/高握力/高握力]《装備:6》 | ▼詳細 |
11 | 補助輪A | 白兵機動用補助車輪 [42/高握力/高握力]《装備:7》 | ▼詳細 |
12 | 素材 | コンデンサー44 [44/減圧/---] 特殊B[560] [素材] |
▼詳細 |
13 | エンジンB | エンジンB『火男』 [38/出力/出力]《装備:4》 | ▼詳細 |
14 | エンジンC | 重度汚染エンジン"ニドヘグ" [41/重暴力/高握力]《装備:3》 | ▼詳細 |
15 | パイルA | 重装電磁杭射出装置〈耐霊〉 [39/重暴力/耐霊]《装備:10》 火力[3259] 連撃数[1] 防御属性[霊障] 防御値[1108] 貯水量[367] 弾数[1] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[125] 金額[1216] 弾薬費[140] 重量[139] [物理格闘] *作者* |
▼詳細 |
16 | 重ブースターA | 高機動ブースター【突撃仕様】 [28/突撃態勢/突撃態勢] | ▼詳細 |
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18 | 硬質ダガーA | 硬質ダガー『リザーズ・テイル』 [35/高握力/高握力] 火力[648] 連撃数[3] 防御属性[粒子] 防御値[292] 精度[219] 貯水量[176] 弾数[12] 武器属性[速射] 異常追加[40] 消費EN[85] 金額[450] 弾薬費[10] 重量[50] [物理格闘] *作者* |
▼詳細 |
19 | ヒートソードA | ZH-lb/CC03R:RaccoonⅢ [40/重暴力/高握力]《装備:9》 火力[1860] 連撃数[1] 防御属性[火炎] 防御値[1014] 精度[192] 貯水量[345] 弾数[5] 武器属性[漏出] 異常追加[30] 消費EN[89] 金額[705] 弾薬費[50] 重量[170] [火炎格闘] *作者* |
▼詳細 |
20 | 補助輪A | Daoine“AG”rith [35/突撃態勢/突撃態勢] | ▼詳細 |
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22 | 粒子スピアA | 改良型粒子ハルバード [41/高握力/高握力] 火力[2305] 連撃数[1] 防御属性[電子] 防御値[696] 精度[181] 貯水量[181] 弾数[9999] 武器属性[貫通] 異常追加[40] 消費EN[455] 金額[640] 重量[200] [粒子格闘] *作者* |
▼詳細 |
23 | 軽二脚A | 試作脚部フレーム(軽量型) [40/高握力/高握力]《装備:2》 機動[1205] 跳躍[248] AP[619] 旋回速度[929] 防御属性[物理] 防御値[253] 貯水量[123] 積載量[1900] 消費EN[460] 金額[1231] 重量[700] [二脚] *作者* |
▼詳細 |
24 | 操縦棺A | ミリアサービス式薄装操縦棺『エフェメラ』 [40/薄装甲/薄装甲] | ▼詳細 |
25 | パイルA | メスレー [41/耐物/高握力] 火力[3277] 連撃数[1] 防御属性[物理] 防御値[1095] 貯水量[366] 弾数[1] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[164] 金額[564] 弾薬費[140] 重量[100] [物理格闘] *作者* |
▼詳細 |
26 | 重ブースターA | [純正]ファントムスピード [32/突撃態勢/突撃態勢] | ▼詳細 |
27 | パイルA | ヴァン・エセルタイン [38/出力/突撃態勢]《装備:8》 火力[3018] 連撃数[1] AP[-38] 防御属性[粒子] 防御値[1024] 貯水量[353] 弾数[1] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[119] 金額[544] 弾薬費[140] 重量[100] [物理格闘] *作者* |
▼詳細 |
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