ENo.0056　Silence

——おっす、爺さん。今日も来てやったぞ。
——来てくれと頼んだ覚えはないがな。今日は何にするんだ？
——今日の気分は……そうだな、塩。
——珍しいな。醤油派じゃなかったか？
——なんとなくだよ。というか、注文を聞いといてそれはどうなのさ。
——ハハ。常連の好みを覚えてたんだ、褒めてくれたっていいんだぜ？
——はいはい。……五勢力以外撤退、ねぇ。残った企業は何考えてんだか。
——そりゃあオマエ、遺跡にある『何か』を探してんだろ。
——何か、ねぇ。埋蔵金が埋まってる訳でもないだろうに。
——噂だと、ドゥルガーの素体の他にもなんかあるらしいな。
——ドゥルガー以上に凄いものがあるとは思えないけどなぁ。
——ま、追い求める何かを必死で探すってのは嫌いじゃないぜ。
——どこが何を見つけようが、俺達には関係ないんだけどな。
——それを言っちゃあおしまいだ。ホラよ、塩だ。
——ありがとさん。じゃ、いただくとしますかね。

もう、誰もいない