ENo.0047　『Unterlegene』

「ところで…本当に二人だけでここ運営する気だったのかい？」

「まさか…と言いたかったけれど…人が集まらないうちは、
とかは…ちょっと考えてた、改装費で貯めてたの全部吐くところだったし」

「それで一人で書類を今まで片付けてたのか、ヤシロは？」

「あの辺の空調とか…そこの発電機も全部彼の自作、ちゃんと動作も確認済みよ」

「なるほどね、でもアンタ等すこし休む時間を増やした方がいいぞ。
　ヤシロは…まあ、出撃を避けられないが…パーツなら俺だって作れる。
　書類だって片付いたんだろう」

「そうだけど…ううん、でも今日の分は終わってるし…じゃあ…
　うん、ちょっと休むことにする、明日…割り振り考えておくわね」

「ああそうしてくれ。
　…さて、パーツを作るんだったな、ヤシロにも言っとくか

　……―――…俺にはアンタ等が疲労してまで戦場に出る価値があるとは…
　いや、俺がこれ以上口出しできる立場でもないか…クソ、もどかしい…」

-----------------------------------------------
「はー…無事に撃墜されずに済んだ……えーと、端末…
　うわっ！なに…なんでそんなうきうきしてんの」

『んっ？え～っ、えへ、聞いてくれちゃいます？
　実は見覚えのある方がいたので応援してきたんです！』

「えっ…うわ、マジで勝手に送ってる…うん？
　でも全滅させた後…この機体どこにも見当たらなかったぞ、撃墜されてないか？」

『…………　*ﾌﾟﾂﾝ*』

「あっちょ、おまっ人の端末の電源落としたな！？」

―5年前、とあるハイドラライダーが拠点としていたガレージ。
現在はリリアナがガレージの所有権を持ち、ヤシロと相談した結果…宿泊施設に改装予定だった。
改装中の所へ遺跡出現のニュース、
途端に建設業者が別の仕事を捻じ込まれて改装は中止されちぐはぐな拠点になってしまった。

半分がハイドラを整備するガレージ。
半分が宿泊施設の客間や家具も何もない部屋がいくつか。
サボり…もとい休憩所として使われている様だ。