ENo.0195　ココロ持つ機械『ドラーゲ』

Drage-Diary.log No.ILDRA_04

通信ログを確認して、今回も黄金さんのメッセージがあることを確認。今回で３回目。いつ見ても『嬉しい』という気持ちを抱く。……そういえば、皆にここでの娯楽についてまだ未確認。今回聞いてみることにしよう。

次はいよいよセクション３。ただ……本機の中で『この残業領域は幻』に類する音声データが何度も再生されている。もし幻なら……私はどうなるのだろうか。消えた上に存在抹消だけはないと願いたい……。せっかく持った『私』を、また失うのは。その上、誰からも、特に黄金さんからも忘れ去られるのは、一番嫌だから。元が兵器なのにこう願うのは……いや、既に『感情』を持ってしまった時点で兵器としておかしいか。

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発　Drage
宛　黄金さん

こちらドラーゲ、これよりメールを発信、サンプル品も添付する。今回は解析済み。本機……私が一番長く使っているパーツ故にデータも多。確認されたし。
[添付ファイルには日付と共に多くのデータが記載されている。……時折背部のアーム部分を外して接続している時もあるようだ。……主にハイドラ脱出時に]

今回のサンプル品は飛行ユニット。開発元は……黄金さんの記録によれば5年前に新しくできた『コロッセオ・レギュレータ社』の模様。ちなみに今回の品の一つ新しいタイプを現在使用中。以前あった飛行ユニットに比べ、消費ENが多いものの、旋回性能が高い。あと、本機に接続しても今のところ問題なく動作。揚力飛行とは違う飛行方式のため、意外と融通が利く。……欠点は当然、これをつけていると対空機体に弱くなることか。

そちらからのメールを受信。感謝を感謝……何か変？　こちらこそ、『ありがとう』。AIだけは破壊されないように気を付ける。一応、ハイドラのシステムでもその辺りを保護するシステムがあるので大丈夫とは推察。でも過信も禁物故に。何が原因で、かは分からないが保護されていても死亡するケースがあるとの報告もある。実例は見たことないが（※破産死のこと）

エイプリル氏に関しては本人のIDデータも受信済み。何かあればそちらにお願いされたし、とのこと。理想の身体……今まで検討したことなし、まだまだデータも定義も不足。AIさえ同一なら、例え蒼火型でも大丈夫とは推察。ただ……しばらくは背部のオプションパーツのみに留める予定。理想の機体についてはまだまだ要求スペックデータも定義も、必要機能の情報も不足。ただ……もし作ることがあれば、その時は黄金さんに一番早く見せたいと思う。約束……可能？　おそらくはそちらに帰還後になると思われる。

他、残像領域でロケットの打ち上げを確認。ただ……爆発もなく消失という失敗結果を残した模様。黄金さんの世界とは事情が異なる可能性高。当時の生放送データも添付する。
[律儀に見ていたのだろうか、その時には打ち上げ時の生放送のデータがある。そして、軌道上で爆発も何もなく『消失』という事実も含めて]

私はこれからセクション３。設計は以前と同じ。まだまだ軽量化が必要ではあるが……今回はこの設計で出撃予定。おそらくは前回同様、撃墜される可能性が高いが……今回はオーバーロードなる現象を確認してから離脱予定。一応、外装としてハイドラの装甲を装着、最悪でも救出を待つくらいには可能と推察。心配は無用。

以上、メール送信を終了する。次のメールには色々とオーバーロードのデータなどを添付する予定。期待されたし。Over。

追記
バイオ兵器をペットに、というのが今いるガレージで提案されているのだが……あれをペットに、なんて可能なのだろうか？

移動型ガレージ。
この手の機種は本来、フリーランサーの稼ぎでは手が届きにくいとされている。
設備も上質な品が揃っており、これを調達するための金の流れに妙なものを感じるかもしれない。