ENo.0193　インシオン

ＴＵＲＮ０９：遙か壮大なる、空振り

「……えー……」
「……………」
「俺、こないだの戦闘で、ドゥルガーに撃墜される気満々だった」
「だって前にドゥルガー出た時、戦場壊滅だったろ。今回も五体もいるし絶対落ちると思ったんだよ」
（ぱたぱた）
「それで俺のハンドアウト、じゃなくて、持ってる秘密を開示しようと思った……のにティタンフォートの壁は厚かった……と天のノイズは申しており」
『ハンドアウトとはテーブルトークＲＰＧで使用されるものです。適切な表現ではありません』
『また、天のノイズは、五年前の当機のメモリに記録が残されておりますが、当時のハイドラライダーの妄想と、ＡＩの誤認であった可能性は否めません』
「否めませんって、お前の元が言ってたんだろ、天のノイズ」
『当時のＡＩ「エルシス」と当ＡＩ「セイス」は、全くの別物です。「元」という表現は適切ではありません』
「あー……お前ほんっと、融通きかねえな」
「まあいい。次はまたデバステイター戦だ。本気出さねえと、今度こそマジで撃墜だからな」
（こくこく）
「……そういや、レッド・リーザリーのアセンブル案に従った結果、いつの間にかお前も生体電池になってたんだよな……。日記で触れ忘れてたんだよな……」
「『マジすまんかった』って、天のノイズが言ってるぞ」
（つーん）
『イン・イグリッド・フィン・イシャナの言動が破綻しています。発熱は治まりましたが、休息を強く推奨します』
「っせ！　『トリグラフ』当時の三人組と違ってツッコミ役不在だから、俺が言うしかねえんだよ！」
「あーもー、話の通じないＡＩと、人語喋らないドラゴンとか、それで三位一体とか、マジで勘弁してくれ……」
『当ＡＩは、サポート業務を十全にこなしていると判断します』
（ぼりぼり）
「あっ、てめえ！　『チェルノボーグ』の中で何食ってるんだよ！？　それ、間食用に買ったクッキーだろ！　やめろ、食べかすがシステムの隙間に入ったらブッ壊れるんだぞ、この機械ってやつは！？」
『当機には自動クリーニングシステムも搭載されております。食べかす程度でシステムに悪影響はありません』
「無いのかよ！？」
「って、俺今回本当にメタ話と漫才しかしてねえぞ！？　大丈夫なのか来週！　主に日記が！！」

To Be Continued...

Cafe ＆ Maintenance Mer-Millia

巨大樹木の中から、機械の大百足を探せば良い。
その樹の足元に、腕のいい整備士――あるいは料理人のいる店があるのだ。

カフェ＆メンテナンス『メル・ミリア』は、今日も密やかに営業を続けている。
禁忌戦争を生き抜き、霧とともに消えたとされたハイドラ大隊から戻ってきたと噂されている店主は、もはや多くを語らない。ただ、樹木に絡みつくように“眠っている”機械の大百足は、その時の店主のウォーハイドラだとされる。
時々たまに、思い出したように起き上がって、生きているかのように周りを歩き回るのだという。だから、この辺の木の根は金属の多脚にずたずたにされてしまって、あまり真っ当には育たないんだそうだ。店主はそう言って笑っていた。

今日のおすすめは、禁忌戦争で破壊されたと言われる要塞のひとつを模した店主手作りのケーキ。

！店および店主（ENo.7サブ）の既知可　4期既知（ENo.4）も可
！ユニオンに参加せずメッセで利用する体も歓迎
！ロールするキャラを推奨するかも

細かいこと：http://midnight.raindrop.jp/decoherence/union.html

（整備極ユニオンです。購入はユニオン主の独断。）