ENo.0196　アマレット

できたばかりの父さんが死んでしまった、また置いて行かれた、と思った。
なんか……なんかすごい事情でインシオンさんは生きていて、思わず泣いちゃっていま目も鼻も真っ赤だ。
こないだから泣いてる顔見せてばっかりだ。
戦場で死んでゆく人を悼む感覚とか、麻痺したものだと思ってたんだけど、ぜんぜんそんなことなかったみたいだ。

風穴があいた『チェルノボーグ』が、友達（兄弟と言ってもいいかもしれない）の最後と重なった。

コロニーの敵――それはもうとにかく厄介で厄介な――と戦うために作られた僕ら、のうち、いつもつるんでいる二人がいてさ。
その片方、背がでっかくて声もでかくてせっかちなミラベル。
乗り物バカで、コロニーが平和になったらコロニー内の全部の乗り物を制覇するって言ってた。

何もかもなくなっちゃった日、僕が残像領域に来た日の４日前だったっけな。５日だったかも。
どうにか回収されたミラの愛機にはぽっかりと風穴があいていて、あいつのものだったっぽい赤と黒と時々黄色の何か、どろっとしたものが、破損部分からべちゃって落ちた。機体の中は見せて貰えなかった。

そのうち、お墓を作ろうと思うんだ。
ミラと、一緒に暮らしていたみんなの。
あの時はとにかくみんな戦うだけでいっぱいいっぱいで、ゆっくり弔うこともできなかったから。

一人じゃ辛いから、早くグレンを探さないと。
たぶん僕と同じワームホールに呑まれた、もう一人の友達にして兄弟を。

無口なおばあちゃんがやってる駄菓子屋だよ～

品揃え豊富でどれもどこか懐かしい味！休憩テーブルつき！

駄菓子、やたら薬臭いって言われるけどそんなするかなあ？