ENo.0440　ヴィラカティ

『こちら代行システムです――ユニオンの登録内容は以上で宜しいでしょうか？』
「えぇ　お願い」
『かしこまりました。またのご利用をお待ちしております』

デバステイター・センチネルを退け、ゲートは開かれた。
その先に待つのはセクション・５に続く暗闇の穴。

ヴィラカティは、自らのハイドラ”サンサーラ”のパーツを組み直し……
”アルダナリー”と新しく名付けた機体で、ゲートの先へ向かっていた。
ゲートからは暗闇にしか見えなかったその場所は、長い長い通路だ。
暫く進んでいれば、長く伸びた光が迫ってくる。それは壁だ。
その壁は、光を帯びた電子配線だった。

「…きれい」

アルダナリーに通信が入る。
消えた父を追い、トマスの整備工場に現れたヴィラカティが配属されたのは、
白兎生体化学の契約部隊。召集だろう。

　『4-4-0 応答されよ
　　……「散歩中」に悪いな　休暇だったんだろ』

「構わないわ　なにかしら」

　『そのまま通路を進んでくれ。少ししたら他の部隊も合流する。
　　補給路を確保し、敵を撃破し、安全を確保するんだ』

「了解」

　『…声が野太いな　風邪か？』

「いいえ　調子は良いわ　…とてもね」

「霧の先へ行こう」