第11週目 『偽りの幸運』エイビィの一週間
霊障見舞金として1000cの資金が送られました
◆日記
「ああ、久しぶり。
そうか、生きてたのか。それはよかった」
「――それ、別の人にも言われたわ。そんなに顔を出していなかった?」
問いに、カウンターを拭いていた壮年のバーテンは、ゆるく微笑んで手を止めた。その視線は、エイビィが後ろに連れている少女――ハルへ向けられている。目を合わせたハルが、ぎょっとして柱の影に逃げ込むまでがここのところのお約束だ。
「ふつうは子供を連れてくるような場所じゃないからね。そうだろ?」
「まあね。入店はお断りかしら」
「いや、最近はノンアルコールのカクテルも出してるんだ。どうぞ」
開店直後のバーには客もおらず、煙草の香りも酒のそれもまだ漂わせてはいない。
が、確かに、ほの暗い明かりに照らされた店内の空気は、ハルにはまだ早いかも知れなかった。エイビィはストールを外し、隠れっぱなしのハルを振り返って手招きをする。ハルは少し迷った後で、おずおずと柱の影から歩み出てきた。
「君が生きていて困るなんてことはないんだ。
ただ、馴染みの客が、それもハイドラライダーがだ、しばらく顔を出さなかったら、死んでると思う人間が大半さ」
滔々と語りながら、バーテンはナッツの乗った小皿をカウンターの上に置く。ハルをスツールの上に抱き上げて座らせ、エイビィはバーテンを見やった。眼鏡の奥の目が怪訝そうに瞬く。
「疲れた顔だな。何かあった?」
「ええ。どんなに親しい人間でも、しばらく顔を見なけりゃ死んだも同然。
ふつうはそう考えるものだと思ってたわ。ハイドラライダーは特にね」
「なに、死人にでも出くわしたの?」
「逆よ。死人だと思われているの」
カウンターに頬杖を突き、エイビィはハルの方へ目を向けた。
所在なさげにちょこんと腰かけたハルは、皿の上のナッツをじっと見つめている。
「食べていいわよ。――ロックバイツ、この子が飲めるもの、お願いね」
「いいよ。何が好きなんだ?」
「塩の入ったコーヒー」
ぶっきらぼうな口調で言ったのは、ナッツを口に放り込んだハルだった。
バーテンが再び目を瞬かせるのを見て、エイビィは首をすくめる。
「気にしなくていいのよ。ジュースやなんかで……」
「エチオピアン・モカだろ。渋い好みだな。淹れられるよ。でも、ミルクをたっぷり混ぜた方がいいな。眠れなくなるから」
「……あるの?」
「コーヒー通はそうやって飲むらしいよ。ミルクを入れたことはないけど、美味しいんじゃないかな」
エイビィの問いに笑いながら返し、バーテンは歯を見せて笑った。その歯は柔和な顔立ちに似合わず、岩を噛み砕けそうなほどに鋭い。
「エイビィ、君は何がいい? 久しぶりだから、好みが変わってるんじゃない?」
「……ギムレットをお願い」
「甘いやつね。かしこまりました」
言いながら、バーテンは店の奥の方へ向かって歩き出した。酒瓶のずらりと並ぶ棚の隅には、古びたコーヒーメーカーが置いてある。……少なくとも、コーヒーが出るのは間違いないようだ。しかも塩入りの。
ハルが珍しく上機嫌に足をぶらつかせているのを横目で見て、エイビィは首を竦めた。
◇ ◆ ◇
薄暗い店内に、深いコーヒーの香りが漂っている。
「それは、厄介な奴に絡まれたね」
エイビィにつきまとうハイドラライダー――ダリル=デュルケイムの話をひととおり聞いたバーテンは、そう言って苦笑した。エイビィはしかめ面を作って、グラスに口をつける。
「厄介なんてもんじゃないわ。あそこまで来ると営業妨害よ。方々つきまとわれて疲れるったら」
「だから子供を連れてこんなとこまでやって来たの――」
ストレートで入れたモカに、温めた牛乳をたっぷりと、塩をほんのひとつまみ。
バーテンの入れた『コーヒー』を、ハルはどうやらお気に召したらしい。カップを吹いて冷ましながら、もたもたと飲み下している。皿の上に載っていたナッツは、……こちらも珍しく気に入ったようで……もうほとんど食べてしまっていた。エイビィはグラスを置いて、ナッツの追加を頼む。
「逃げ込める場所がそんなになくてね。と言っても、ここもすぐ嗅ぎ付けられるでしょうけど」
「君、なにせ目立つからね。隠れるのは難しいだろうな。今じゃこの子もついてくるし」
「……ありがとう」
大人のつまらない話は聞き流しているのだろう。差し出されたナッツ入りの皿を見て、ハルはバーテンに小さく頭を下げた。バーテンは眉を下げて相好を崩し、どういたしまして、と腕を広げる。
「いい子だ」
「あなたのそういう顔、初めて見たわね」
「子供が好きでね。そのストーカーくんに感謝しないとな」
「ちょっと、よしてよ」
「とは言え、難儀だね。その――何だっけ? 行方不明の友人を連れてこなきゃ、ことは収まらなそうだ」
「ウィリアム=ブラッドバーンね……」
覚えた頭痛をごまかすように、エイビィはグラスを煽った。
焼け焦げた操縦棺、消えた死体、口をつぐむ病院。
乏しい根拠を無理矢理繋ぎ合わせて、生きているとも知れない友人を必死に探しているあの男は、亡霊に取りつかれて正気ではないように感ぜられた。いや、あそこまでいけば、亡者そのものといった方がいいだろう。
残像領域には亡霊が溢れている。体を持った亡霊がいたところで、おかしなことはない。
「でも、病院の対応なんかは確かにおかしい部分がある。聞いた限りじゃ、生きている可能性は捨てきれないだろ。
もしかしたら、死んでた方がましだったってケースかも知れないけれどさ」
「……あたしの方でもちょっと調べてはみたけれど、生きているとは思えないわ。よほど都合のいいことが起こらない限りはね。よくて臓器市場に横流しよ」
「それでも、足取りが掴めたら喜ぶんじゃないの?
ほら、こう言うやつもいるじゃないか、『死んでいても、かの心臓はだれかの中で生き続けている』――」
「やめて」
エイビィは鋭く言って、グラスをカウンターの上に置いた。
思ったよりも剣呑な声を出していたらしい。バーテンが驚いたように身を引いたのを見て、ため息をつく。
「あなたも直接話をしたら分かるわ、ロックバイツ。
話が通じるような男じゃないのよ。まともに取り合うだけ無駄なんだから」
「分かった、分かった」
両手を上げて、バーテンは苦笑した。
「君がうんざりしていることは痛いぐらい伝わって来たよ、エイビィ。
でもさ、だからと言ってどうするんだ? 逃げ回ってここで愚痴を言うだけ? らしくないな」
「……」
頭を押さえて、エイビィはバーテンから目を逸らす。
「……あちらの会社に抗議でもしてやろうかと思ったけれど、ハイドラライダー同士の個人的な諍いなんてありふれた面倒ごと、解決してくれるはずもないし。自力で解決しようにも、チャンスを逃してしまったから。
……そうね。確かに、らしくないかもね」
「『チャンス』をね。そりゃ業腹だ。でも、実際どうなんだい」
「実際って?」
言葉の意味を取りかねて、エイビィはバーテンを見上げる。バーテンはあの鮫のように鋭い歯を見せて笑って見せ、
「君、本当にウィリアム=ブラッドバーンじゃないんだよな?」
もったいぶった口調で言った。
わずかに色の入った眼鏡が、薄暗く気取った照明を反射し、その表情が見えなくなる。エイビィは思わず息を呑んだ。
「……そんなわけないでしょう。お酒がまずくなるようなことを言わないで」
少しの空白ののち、噛んで含めるように言い放つと、エイビィは眉根を寄せてバーテンの顔を下から覗き込んだ。その目がからかうような笑みに細められているのを確認して、口をとがらせて見せる。
バーテンは身を起こして笑い、空になったグラスに手をかけた。
「なら、輪郭をなぞって期待させるのはやめた方がいいんじゃない。
ただでさえ君は秘密が多いんだ。僕だって君が昔何してたかなんて聞いたことはないし、フォローはできない。言えないんだろ? で、次は何がいい?」
「あたしにもコーヒーをちょうだい。昔話を気軽に話すような仲だったかしら、あたしたち」
「でも、はぐらかすのが癖になってるんじゃないのかい?」
「かもね」
「ほら、そうやって」
「やめてよマスター。……節度を守って」
手を振って、エイビィはうんざりとした口調で言う。バーテンは首をすくめた。
「失礼。この辺にしておこうか。まずは毛布を出そう」
「毛布?」
おうむ返しに問うたエイビィは、そこで初めて隣に座っていたハルがテーブルに突っ伏しているのに気が付く。マグカップも皿も、もうすっかり空になっていた。
「これぐらいの子は、ちょっとでもコーヒーを飲むと眠れなくなるもんだけどな。そんなに早起きだった?」
「……どうだったかしら。この子、このところハイドラにつきっきりだったから」
「『ハイドラと話せる少女』ね。無理をさせすぎなんじゃないか」
「一体、そういう噂って誰が広めるのかしらね」
受け取った毛布を広げてハルにかけ、エイビィは渋面を作った。バーテンは歯を見せてへらへらと笑う。
「誰ともなく、どこからともなくさ。君、自分が目立つって自覚はしているんだろう?
でも、聞いていたより仲がよさそうだ」
「これでも落ち着いたのよ。…前はもう少し、ひどかった」
「彼女の話はできるんだろう? オフレコで聞かせてくれよ」
腕を広げるバーテンに、エイビィは半眼を向ける。バーテンの顔に、悪びれるような色はない。
「……、いいわ。オフレコでね。あれは――」
少し悩んだ後、エイビィはため息交じりに話しだす。
ハルの小さな寝息が、横で聞こえていた。
そうか、生きてたのか。それはよかった」
「――それ、別の人にも言われたわ。そんなに顔を出していなかった?」
問いに、カウンターを拭いていた壮年のバーテンは、ゆるく微笑んで手を止めた。その視線は、エイビィが後ろに連れている少女――ハルへ向けられている。目を合わせたハルが、ぎょっとして柱の影に逃げ込むまでがここのところのお約束だ。
「ふつうは子供を連れてくるような場所じゃないからね。そうだろ?」
「まあね。入店はお断りかしら」
「いや、最近はノンアルコールのカクテルも出してるんだ。どうぞ」
開店直後のバーには客もおらず、煙草の香りも酒のそれもまだ漂わせてはいない。
が、確かに、ほの暗い明かりに照らされた店内の空気は、ハルにはまだ早いかも知れなかった。エイビィはストールを外し、隠れっぱなしのハルを振り返って手招きをする。ハルは少し迷った後で、おずおずと柱の影から歩み出てきた。
「君が生きていて困るなんてことはないんだ。
ただ、馴染みの客が、それもハイドラライダーがだ、しばらく顔を出さなかったら、死んでると思う人間が大半さ」
滔々と語りながら、バーテンはナッツの乗った小皿をカウンターの上に置く。ハルをスツールの上に抱き上げて座らせ、エイビィはバーテンを見やった。眼鏡の奥の目が怪訝そうに瞬く。
「疲れた顔だな。何かあった?」
「ええ。どんなに親しい人間でも、しばらく顔を見なけりゃ死んだも同然。
ふつうはそう考えるものだと思ってたわ。ハイドラライダーは特にね」
「なに、死人にでも出くわしたの?」
「逆よ。死人だと思われているの」
カウンターに頬杖を突き、エイビィはハルの方へ目を向けた。
所在なさげにちょこんと腰かけたハルは、皿の上のナッツをじっと見つめている。
「食べていいわよ。――ロックバイツ、この子が飲めるもの、お願いね」
「いいよ。何が好きなんだ?」
「塩の入ったコーヒー」
ぶっきらぼうな口調で言ったのは、ナッツを口に放り込んだハルだった。
バーテンが再び目を瞬かせるのを見て、エイビィは首をすくめる。
「気にしなくていいのよ。ジュースやなんかで……」
「エチオピアン・モカだろ。渋い好みだな。淹れられるよ。でも、ミルクをたっぷり混ぜた方がいいな。眠れなくなるから」
「……あるの?」
「コーヒー通はそうやって飲むらしいよ。ミルクを入れたことはないけど、美味しいんじゃないかな」
エイビィの問いに笑いながら返し、バーテンは歯を見せて笑った。その歯は柔和な顔立ちに似合わず、岩を噛み砕けそうなほどに鋭い。
「エイビィ、君は何がいい? 久しぶりだから、好みが変わってるんじゃない?」
「……ギムレットをお願い」
「甘いやつね。かしこまりました」
言いながら、バーテンは店の奥の方へ向かって歩き出した。酒瓶のずらりと並ぶ棚の隅には、古びたコーヒーメーカーが置いてある。……少なくとも、コーヒーが出るのは間違いないようだ。しかも塩入りの。
ハルが珍しく上機嫌に足をぶらつかせているのを横目で見て、エイビィは首を竦めた。
◇ ◆ ◇
薄暗い店内に、深いコーヒーの香りが漂っている。
「それは、厄介な奴に絡まれたね」
エイビィにつきまとうハイドラライダー――ダリル=デュルケイムの話をひととおり聞いたバーテンは、そう言って苦笑した。エイビィはしかめ面を作って、グラスに口をつける。
「厄介なんてもんじゃないわ。あそこまで来ると営業妨害よ。方々つきまとわれて疲れるったら」
「だから子供を連れてこんなとこまでやって来たの――」
ストレートで入れたモカに、温めた牛乳をたっぷりと、塩をほんのひとつまみ。
バーテンの入れた『コーヒー』を、ハルはどうやらお気に召したらしい。カップを吹いて冷ましながら、もたもたと飲み下している。皿の上に載っていたナッツは、……こちらも珍しく気に入ったようで……もうほとんど食べてしまっていた。エイビィはグラスを置いて、ナッツの追加を頼む。
「逃げ込める場所がそんなになくてね。と言っても、ここもすぐ嗅ぎ付けられるでしょうけど」
「君、なにせ目立つからね。隠れるのは難しいだろうな。今じゃこの子もついてくるし」
「……ありがとう」
大人のつまらない話は聞き流しているのだろう。差し出されたナッツ入りの皿を見て、ハルはバーテンに小さく頭を下げた。バーテンは眉を下げて相好を崩し、どういたしまして、と腕を広げる。
「いい子だ」
「あなたのそういう顔、初めて見たわね」
「子供が好きでね。そのストーカーくんに感謝しないとな」
「ちょっと、よしてよ」
「とは言え、難儀だね。その――何だっけ? 行方不明の友人を連れてこなきゃ、ことは収まらなそうだ」
「ウィリアム=ブラッドバーンね……」
覚えた頭痛をごまかすように、エイビィはグラスを煽った。
焼け焦げた操縦棺、消えた死体、口をつぐむ病院。
乏しい根拠を無理矢理繋ぎ合わせて、生きているとも知れない友人を必死に探しているあの男は、亡霊に取りつかれて正気ではないように感ぜられた。いや、あそこまでいけば、亡者そのものといった方がいいだろう。
残像領域には亡霊が溢れている。体を持った亡霊がいたところで、おかしなことはない。
「でも、病院の対応なんかは確かにおかしい部分がある。聞いた限りじゃ、生きている可能性は捨てきれないだろ。
もしかしたら、死んでた方がましだったってケースかも知れないけれどさ」
「……あたしの方でもちょっと調べてはみたけれど、生きているとは思えないわ。よほど都合のいいことが起こらない限りはね。よくて臓器市場に横流しよ」
「それでも、足取りが掴めたら喜ぶんじゃないの?
ほら、こう言うやつもいるじゃないか、『死んでいても、かの心臓はだれかの中で生き続けている』――」
「やめて」
エイビィは鋭く言って、グラスをカウンターの上に置いた。
思ったよりも剣呑な声を出していたらしい。バーテンが驚いたように身を引いたのを見て、ため息をつく。
「あなたも直接話をしたら分かるわ、ロックバイツ。
話が通じるような男じゃないのよ。まともに取り合うだけ無駄なんだから」
「分かった、分かった」
両手を上げて、バーテンは苦笑した。
「君がうんざりしていることは痛いぐらい伝わって来たよ、エイビィ。
でもさ、だからと言ってどうするんだ? 逃げ回ってここで愚痴を言うだけ? らしくないな」
「……」
頭を押さえて、エイビィはバーテンから目を逸らす。
「……あちらの会社に抗議でもしてやろうかと思ったけれど、ハイドラライダー同士の個人的な諍いなんてありふれた面倒ごと、解決してくれるはずもないし。自力で解決しようにも、チャンスを逃してしまったから。
……そうね。確かに、らしくないかもね」
「『チャンス』をね。そりゃ業腹だ。でも、実際どうなんだい」
「実際って?」
言葉の意味を取りかねて、エイビィはバーテンを見上げる。バーテンはあの鮫のように鋭い歯を見せて笑って見せ、
「君、本当にウィリアム=ブラッドバーンじゃないんだよな?」
もったいぶった口調で言った。
わずかに色の入った眼鏡が、薄暗く気取った照明を反射し、その表情が見えなくなる。エイビィは思わず息を呑んだ。
「……そんなわけないでしょう。お酒がまずくなるようなことを言わないで」
少しの空白ののち、噛んで含めるように言い放つと、エイビィは眉根を寄せてバーテンの顔を下から覗き込んだ。その目がからかうような笑みに細められているのを確認して、口をとがらせて見せる。
バーテンは身を起こして笑い、空になったグラスに手をかけた。
「なら、輪郭をなぞって期待させるのはやめた方がいいんじゃない。
ただでさえ君は秘密が多いんだ。僕だって君が昔何してたかなんて聞いたことはないし、フォローはできない。言えないんだろ? で、次は何がいい?」
「あたしにもコーヒーをちょうだい。昔話を気軽に話すような仲だったかしら、あたしたち」
「でも、はぐらかすのが癖になってるんじゃないのかい?」
「かもね」
「ほら、そうやって」
「やめてよマスター。……節度を守って」
手を振って、エイビィはうんざりとした口調で言う。バーテンは首をすくめた。
「失礼。この辺にしておこうか。まずは毛布を出そう」
「毛布?」
おうむ返しに問うたエイビィは、そこで初めて隣に座っていたハルがテーブルに突っ伏しているのに気が付く。マグカップも皿も、もうすっかり空になっていた。
「これぐらいの子は、ちょっとでもコーヒーを飲むと眠れなくなるもんだけどな。そんなに早起きだった?」
「……どうだったかしら。この子、このところハイドラにつきっきりだったから」
「『ハイドラと話せる少女』ね。無理をさせすぎなんじゃないか」
「一体、そういう噂って誰が広めるのかしらね」
受け取った毛布を広げてハルにかけ、エイビィは渋面を作った。バーテンは歯を見せてへらへらと笑う。
「誰ともなく、どこからともなくさ。君、自分が目立つって自覚はしているんだろう?
でも、聞いていたより仲がよさそうだ」
「これでも落ち着いたのよ。…前はもう少し、ひどかった」
「彼女の話はできるんだろう? オフレコで聞かせてくれよ」
腕を広げるバーテンに、エイビィは半眼を向ける。バーテンの顔に、悪びれるような色はない。
「……、いいわ。オフレコでね。あれは――」
少し悩んだ後、エイビィはため息交じりに話しだす。
ハルの小さな寝息が、横で聞こえていた。
NEWS
本日のニュースです企業連盟の派閥抗争が活発化している模様です
≪霧笛の塔≫を吸収して得られた利益は大きく、その権利をめぐって企業間の衝突が拡大しました
ハイドラ大隊の指揮権も、多数の企業が名乗りを上げ……
メフィルクライア 「おはようございます。大隊指揮補佐官のメフィルクライアです」 |
メフィルクライア 「なんだか雲行きが怪しいですね。企業同士の同士討ちとかにならなければいいんですけど」 |
メフィルクライア 「バイオスフェアの偵察画像が出ました。画質は悪いですが、やはり防衛部隊は影も形もありません」 |
メフィルクライア 「ただ無数の残骸?らしきものと……巨大な白い塊が映っていました。これが何なのかは依然不明です」 |
メフィルクライア 「わたしは巨大マシュマロだと思うんですけどね。はは、冗談です」 |
◆訓練
反応の訓練をしました反応が32上昇した
反応の訓練をしました経験値が足りない
反応の訓練をしました経験値が足りない
制御の訓練をしました制御が10上昇した
制御の訓練をしました制御が11上昇した
◆送品
◆送金
◆破棄
エイビィは反応スプリング28を破棄した!!
エイビィは姿勢制御装置28を破棄した!!
エイビィは照準装置27を破棄した!!
◆購入
エイビィは高機動ブースター【突撃仕様】を602cで購入した!!
エイビィはCASTRUMを1056cで購入した!!
エイビィは星の嵐を475cで購入した!!
◆作製
作成時補助発動! 加重!! パーツ重量が 29 増加!!
AP強化!
AP強化!
特殊合金29と簡易操縦棺「ヴィブラフォン」を素材にして操縦棺『ペンゴリン』を作製した!!
◆戦闘システム決定
バーサーク に決定!!
◆アセンブル
操縦棺1に操縦棺『ペンゴリン』を装備した
脚部2にTHSG-RRL-01を装備した
スロット3に星の嵐を装備した
スロット4に/▲▼▲▼▲▼▲\を装備した
スロット5に粒子エンジン『ウェルク』を装備した
スロット6に高機動ブースター【突撃仕様】を装備した
スロット7にCASTRUMを装備した
スロット8に試製耐火ヒートソードA-0を装備した
スロット9にプロトレーヴェタイプヘッドを装備した
スロット10に重ブースター『ワイルドビースト』を装備した
スロット11にArm-01[コンキスタドール]を装備した
◆パーツ改名
◆パーツアイコン変更
◆僚機設定
◆意思表示設定
意志設定……生存優先
◆ミッション
ミッション設定……ミッションD
ユニオン活動
MP社関連企業所属の活動記録
マヴロス・フィニクス(MAVROS PHOENIX)社は残像領域に存在する複合企業(コングロマリット)
買収・分裂・独立、政争を繰り返した結果、関連会社同士で企業間戦争を行うこともあるほど混沌とした様相を呈す。
そのエンブレムは『黒い不死鳥』であるが、マヴロス・フィニクスがすべて灰になることはない。
マヴロス・フィニクスには頭はない。ハイドラが操縦棺というコアを有するのとは対照的に、どこを潰されても、どこかが生きていれば、黒い不死鳥は生き続ける。
このユニオンは、MP社に関連するハイドラライダーが加入する互助組織の一つ。
あなたは『本社』と呼ばれる複数の部門のどれかに囲われているかも知れない。
あるいは、小さな関連企業の大事な奥の手かも知れない。
いずれにせよあなたは企業の利益のために戦うことを命じられている。あなたの肚の裡は、誰にもわからないけれど。
買収・分裂・独立、政争を繰り返した結果、関連会社同士で企業間戦争を行うこともあるほど混沌とした様相を呈す。
そのエンブレムは『黒い不死鳥』であるが、マヴロス・フィニクスがすべて灰になることはない。
マヴロス・フィニクスには頭はない。ハイドラが操縦棺というコアを有するのとは対照的に、どこを潰されても、どこかが生きていれば、黒い不死鳥は生き続ける。
このユニオンは、MP社に関連するハイドラライダーが加入する互助組織の一つ。
あなたは『本社』と呼ばれる複数の部門のどれかに囲われているかも知れない。
あるいは、小さな関連企業の大事な奥の手かも知れない。
いずれにせよあなたは企業の利益のために戦うことを命じられている。あなたの肚の裡は、誰にもわからないけれど。
反応の訓練をしました
反応が1上昇した
反応の訓練をしました反応が1上昇した
反応の訓練をしました反応が1上昇した
格闘の訓練をしました格闘が1上昇した
格闘の訓練をしました格闘が1上昇した
100c支払い、今回の戦闘において機動力を3%強化した
メッセージ
ENo.4からのメッセージ>>
(20mの巨体が、キャットフィッシュの指示通りに動いていく。案内があれば見覚えのある男が搭乗してくるだろう)
ENo.235からのメッセージ>>
「あなたにはまだ早すぎる」。
男の言葉を受けて少女へと視線を向ける。
ENo.255からのメッセージ>>
ENo.286からのメッセージ>>
ENo.340からのメッセージ>>
メッセージを送信しました
>>Eno.2 >>Eno.4 >>Eno.206 >>Eno.208 >>Eno.233 >>Eno.256
ニーユ 「……。……すいません。完全に頭にありませんでした……次があるのなら、そうします。ないのが一番ですけれど」 |
ニーユ 「はい。了解しました。ベルベット、指示のとおりに」 |
「(電子音声。少女の声だ)了解よ!ごめんなさいね“偽りの幸運”さん、あたしは事前に連絡入れるべきだと思ったのだけど、ニーユがぜんっぜん話聞いてくれなかったのよ!」 |
ニーユ 「うわっちょっベルベット!余計なことを言うな!!」 |
ENo.235からのメッセージ>>
モート 「ライズラック――あなたの所属する部隊、またはスポンサーのことでしょうか?」 |
マルス 「ん。ボクくらいのテストライダーは多分ボクだけかな。ボクは特別だから」 |
男の言葉を受けて少女へと視線を向ける。
マルス 「キミはテストライダーになりたいの?強いの?」 |
モート 「事情ですか。マルスも似たようなものです。人間には全くと言っていいほど興味がなく。 機械やハイドラに囲まれて育ったせいかと思いますが。 ――ですのでエィビィ様の言葉には私としても賛成です。ハル様がよろしければですが」 |
マルス 「……なかよく、って言われても。キミ弱っちそうだもん。 ボクハイドラも人間も、強いのがスキなんだよね」 |
マヒロ 「……俺は、全部の物事に理由があるとは思わない。 あんたも、そうと考えてるわけではないんだろうけどよ」 |
マヒロ 「理由より、理不尽の方が、世の中にはあるだろう。 だから、そういうのを考えるのは好きじゃない。」 |
マヒロ 「……まあ、ハイドラのことを考えるのは……、……。 (楽しい、とでも続きそうだったが、最後まで言葉が紡がれることはなく。)」 |
マヒロ 「あんたの『ライズラック』には、意味があるのか? (と、そう訊いた。)」 |
エマ 「……そうカ。エイビィはずっと狩人なのだナ。それもイイ」 |
エマ 「ああ、案外残像領域には面白いトコロ、あるゾ。墜落した宇宙船とか、誰が作ったのかもわからん遺跡とか。 今度案内しようカ?」 |
エマ 「幻を見たことはないナ。生まれついて、そういう“適正”がまるでないらしイ」 |
エマ 「でぃすく、私も買ったコトあるんだが、再生の仕方がわからナイ……」 |
パンプキンヘッド 「とっても、とてもとても大真面目ですよ。ささやかな抵抗って奴、ですよ。 ……死にたくないです、ですから」 |
パンプキンヘッド 「えぇ、えぇえぇ。それはいいことです。もし御不調ならいつでもご連絡くださいー。自分、ハイドラの整備の真似事はしてますけど。本職は義肢の面倒なんで。吹っ飛んじゃったらいつでもおよびください。サービスしますよー」 |
パンプキンヘッド 「――――……アハ。そう、そうですね。こんなところじゃ、心が冷えるばかりですからね。 そうですねー……。自分のペンは、どうやら銃には勝てないです、ですから。だから気にせず振り回せるのかもしれません」 |
メッセージを送信しました
>>Eno.2 >>Eno.4 >>Eno.206 >>Eno.208 >>Eno.233 >>Eno.256
◆戦闘結果
戦闘報酬
戦闘収入 1550
攻撃戦果補正6.12%
支援戦果補正5.27%
防衛戦果補正7.05%
撃墜数補正 0.3%
フリー補正 2%
合計現金収入1896
整備費 -146
ユニオン費 -98
◆経験値が60増加しました……
◆素材が組織から支給されました……
攻撃戦果補正6.12%
支援戦果補正5.27%
防衛戦果補正7.05%
撃墜数補正 0.3%
フリー補正 2%
合計現金収入1896
整備費 -146
ユニオン費 -98
◆経験値が60増加しました……
◆素材が組織から支給されました……
エイビィは貯水タンク30を入手した!
エイビィはロボットアーム30を入手した!
明日の戦場
第24ブロック
地下空間探索
都市の地下に巨大な空間が発見された。謎の部隊が調査に向かっているらしい。奴らを妨害し、撃破してほしい
来週の霧濃度:11%
来週の電磁波:28%
昼と夜のパトリック |
NANAKA14-σ |
『偽りの幸運』エイビィ |
マスクメロンパンマン |
マルガナ |
ディルアムⅠ |
ムジカ・ネネウ |
コルヴス・コラクス |
タカムラ=カミツ |
ベティ・ヴィーナス |
オーモリ・シン |
フリズルシズル |
GrinBoy |
ガロンド・ディア |
全宇宙救済ロボイカメシア |
エステル・クリスティーナ |
フォーダイス |
フィサリース |
#4682b4 -Steelblue- |
ラキ=シャノアール |
Mew |
未確認機『ブラック・サンブーカ』[物理] |
未確認機『ブラック・サンブーカ』[物理] |
重装甲DR『ルーク』[物理] |
未確認機『レッドドラゴン』[火炎] |
重装甲DR『ルーク』[物理] |
自走砲『イーグル』[粒子] |
重装甲DR『ルーク』[物理] |
重装甲DR『ルーク』[物理] |
未確認機『レッドドラゴン』[火炎] |
キャラデータ
名前
『偽りの幸運』エイビィ
愛称
エイビィ
|
| |||||||||||||||||||||||||||||||||
プロフィール
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||
エイビィ 残像領域に存在する複合企業の中のひとつに所属するハイドラライダー。企業の利益を優先し、時に自分の命を棄てるような戦術さえ取ることもある、戦場の犬。 その名は、単純にアルファベットのAとBを意味する。 ハル エイビィがメカニックとして連れている少女。人間嫌い。 『キャットフィッシュ』 エイビィの母艦。居住性と安定性を重視した小型艦であり、通常自動操縦で航行する。 『ライズラック』 エイビィの乗機。抵抗の少ない流線型のフォルム。その顔はスズメバチを思わせる。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
_0_1_2_3_4_5_6_7 _8_9101112131415 1617181920212223 |
機体データ |
|
|
1 | 軽ブースターA | 排気筒 [27/機動/機動] | ▼詳細 |
---|---|---|---|
2 | エンジンB | /▲▼▲▼▲▼▲\ [26/旋回/旋回]《装備:4》 | ▼詳細 |
3 | 操縦棺A | 操縦棺『ペンゴリン』 [29/重装甲/装甲]《装備:1》 | ▼詳細 |
4 | 頭部B | サーチアイII [24/索敵/精度] | ▼詳細 |
5 | パイルA | 戦術用鉄杭『ライノ』 [22/臂力/臂力] 火力[1911] 連撃数[1] 防御属性[粒子] 防御値[798] 貯水量[271] 弾数[1] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[92] 金額[371] 弾薬費[140] 重量[100] [物理格闘] *作者* |
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6 | パイルA | X/P.B04『デッドエンドⅢ』 [24/臂力/臂力] 火力[2120] 連撃数[1] 防御属性[粒子] 防御値[869] 貯水量[295] 弾数[1] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[101] 金額[750] 弾薬費[140] 重量[100] [物理格闘] *作者* |
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7 | エンジンA | 軽量型エンジン『ハミングバード』 [26/高圧軽量/重量軽減] | ▼詳細 |
8 | 軽逆関節A | THSG-RRL-01 [24/機動/高機動]《装備:2》 機動[658] 跳躍[250] AP[400] 旋回速度[1002] 防御属性[粒子] 防御値[205] 貯水量[99] 積載量[2100] 消費EN[147] 金額[998] 重量[800] [逆関節] *作者* |
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9 | 素材 | ロボットアーム26 [26/臂力/---] 特殊B[200] [素材] |
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10 | エンジンB | 粒子エンジン『ウェルク』 [20/耐粒/耐粒]《装備:5》 | ▼詳細 |
11 | パイルA | アリーリル [27/耐霊/高圧軽量] 火力[2186] 連撃数[1] 防御属性[霊障] 防御値[903] 貯水量[303] 弾数[1] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[129] 金額[468] 弾薬費[140] 重量[60] [物理格闘] *作者* |
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12 | パイルA | アリーリル [27/耐霊/高圧軽量] 火力[2186] 連撃数[1] 防御属性[霊障] 防御値[903] 貯水量[303] 弾数[1] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[129] 金額[468] 弾薬費[140] 重量[60] [物理格闘] *作者* |
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13 | 電磁ブレードA | 電磁ブレード『ソウシャーク』 [24/機動/重量軽減] 火力[1669] 連撃数[1] 防御属性[物理] 防御値[729] 精度[74] 貯水量[235] 弾数[9999] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[1152] 金額[384] 重量[176] [電子格闘] *作者* |
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14 | 操縦棺B | 違法操縦棺"ノスフェラトゥ" [26/機動/高機動] | ▼詳細 |
15 | ヒートソードA | 火炎放出器『サラマンダ』 [27/耐電/重量軽減] 火力[1211] 連撃数[1] 防御属性[電子] 防御値[844] 精度[156] 貯水量[275] 弾数[5] 武器属性[漏出] 異常追加[30] 消費EN[40] 金額[401] 弾薬費[50] 重量[103] [火炎格闘] *作者* |
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16 | 重ブースターA | 高機動ブースター【突撃仕様】 [28/突撃態勢/突撃態勢]《装備:6》 | ▼詳細 |
17 | 頭部B | プロトレーヴェタイプヘッド [20/耐粒/耐物]《装備:9》 | ▼詳細 |
18 | ヒートソードA | 試製耐火ヒートソードA-0 [22/耐火/旋回]《装備:8》 火力[1102] 連撃数[1] 旋回速度[22] 防御属性[火炎] 防御値[778] 精度[145] 貯水量[254] 弾数[5] 武器属性[漏出] 異常追加[30] 消費EN[37] 金額[371] 弾薬費[50] 重量[130] [火炎格闘] *作者* |
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19 | 重ブースターA | 重ブースター『ワイルドビースト』 [28/機動/機動]《装備:10》 | ▼詳細 |
20 | ヒートソードA | CASTRUM [28/耐物/機動]《装備:7》 火力[1375] 連撃数[1] 防御属性[物理] 防御値[913] 精度[169] 貯水量[296] 弾数[5] 武器属性[漏出] 異常追加[30] 消費EN[43] 金額[1056] 弾薬費[50] 重量[130] [火炎格闘] *作者* |
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21 | 粒子ブレードA | 研がれた前歯 [23/高機動/跳躍] 火力[1290] 連撃数[1] 防御属性[電子] 防御値[647] 精度[95] 貯水量[191] 弾数[9999] 武器属性[漏出] 異常追加[30] 消費EN[415] 金額[560] 重量[150] [粒子格闘] *作者* |
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22 | 素材 | 貯水タンク30 [30/貯水/---] 特殊B[280] [素材] |
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23 | 素材 | マニュピレーター29 [29/高握力/---] 特殊B[260] [素材] |
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24 | パイルA | 星の嵐 [28/耐物/重量軽減]《装備:3》 火力[2290] 連撃数[1] 防御属性[物理] 防御値[917] 貯水量[304] 弾数[1] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[104] 金額[475] 弾薬費[140] 重量[72] [物理格闘] *作者* |
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25 | レーダーA | 耐火レーダー『アクアスフィア』 [25/耐火/索敵] | ▼詳細 |
26 | 腕部B | Arm-01[コンキスタドール] [25/高握力/高握力]《装備:11》 | ▼詳細 |
27 | 素材 | ロボットアーム30 [30/臂力/---] 特殊B[280] [素材] |
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