ENo.0101　ベティ・ヴィーナス

　まず私は新たな戦闘スタイル、インヴォークが追加されたことに、魅力と期待を感じていた。どんなに鈍足な機体であっても、耐え忍び続ければ覚醒したかのような行動が可能になる。そう謳われていたスタイルは、重逆関節というジャンプしたいのかしたくないのかわからない、やや役割が不明瞭な脚部にマッチしていると考えたからだ。
　その為まずはインヴォークとして出撃することを表明し、バディであるオーモリ・シン――私はシンさんと呼んでいる――に、電子攻撃に対する防御を高めるよう伝えた。彼の機体は私の機体と比べとても素早く攻撃回数も多いものの、装甲の薄さがどうも気になっていた。そこにコロッソスという電子射撃を何十発も撃ち込んでくる未確認機がいるとわかれば、そいつの攻撃で沈むような真似は避けたかった。
　結果、シンさんは頼みを受け入れてくれた。お互いどのようにアセンブルを変えるか情報交換はしなかったが、最終的に彼の機体の電子防御は数値だけで見れば私より1.5倍ほど高かった。

　これで準備は万端。あとは出撃して依頼を成功させるだけ――だったはずなのだが、頭の中に残っている記憶と事実とが食い違う現象が起きた。

　私の記憶では、インヴォークを選択した恩恵はとても大きく、荒れ狂う獣のように動き、いつも以上に攻撃を繰り返していた。
　愛機のウグイスが動けば動くほどミシミシと嫌な音を立てたが、操縦に専念しているせいか、操縦棺を覆う装甲が悲鳴を上げようとも髪の毛が擦れる音にしか聞こえなかった。
　いや、一種のトランス状態に入っていたのだろうか……私の耳に入る音は全て、水中にいるかのようなくぐもった感じにしか聞こえなかったのだ。それはまるでメインメロディーが消え失せバックの重低音のみ響き渡る音楽のようでもあった。そのせいか周囲に気を配れず、機体のカメラで捉えた攻撃目標しか目に入っていない危険状態にもなっていた。
　あと一発被弾したら私諸共吹っ飛ぶ、というギリギリの状態を保ちながら狂戦士（バーサーカー）以上に凶暴化したウグイスの姿に、同じブロックにいたライダーはもちろん他のブロックのライダーも驚いていた。

　だが実際はそんなに戦闘機動することもなく、素直にバーサークで出撃すれば良かったと思われるほど、あまり芳しくない動きをしていたらしい。なのに私の全身に襲いかかる疲労は普段より激しく、WCSの戦闘システムをオフにするや否や座席の背もたれへもたれかかり、暫しボーッとすることしかできなかった。
　虚ろな意識のまま自分の足先を見つめていると、次第に視界が鮮明になり、耳を通る音もクリアになる。やはりトランス状態のようなものに入っていたことは事実だったようだ。
　こんなにも代償が大きいのなら、インヴォークはバーサークより気軽に選べる戦闘システムではないじゃないか。心の中でそう悪態をつきながら、大きな溜め息を吐き出した。けれども、私はインヴォークへの魅力と期待を捨て切れることはできなかった。

マーケットの片隅に存在する、トタン屋根の小さな休憩所。
入り口は常に開け放たれており、その横には「タバコは外でお願いします」と書かれた貼り紙と共に
「白刃」と刻まれた金属製のプレートが取り付けられている。
部屋の中央には鉄の花が挿された花瓶が乗った大きなテーブルと、それを囲むように置かれた椅子があり、
壁側の棚にはウォーターサーバーやコーヒーメーカーなどが設置されている。
ここを訪れたハイドラライダーは、皆思い思いの時間を過ごしているようだ――

格闘火器使いのライダーが集う休憩所が賑わい、情報交換の場となった……というイメージです。
情報交換の他にも雑談や休憩など、ゆるめのRPも歓迎します。
設定上同じ場所に集まってダベるだけなので、RP上特定の企業や集団への所属を強制するものではありません。

◆説明
├格闘型同士わいわいやれたらいいね！という方針のユニオンです。
├ユニオン活動はずっと【格闘*5】、ユニオン購入はずっと【機動力+3%】。
│ユニオン購入費は参加者人数によって変動しますが、恐らく【100-(設立者除く人数*2)c】。
├メンバーの誰かが死亡してしまった場合、該当者の参加許可を外し、
│空いた枠で随時新たな参加者を募集する可能性があります。ご了承ください。
├【101ユニオン】での交流も歓迎いたします。
└詳細・参加申請・設立者への連絡は下記URLにて。
　http://privatter.net/p/2238181