ENo.0068　リュミドラ・カラビネル・レギナルト

【12週目】

「ーーーーーー死になさい」




あの時の、カーミラの殺意の篭った柔らかな声と、放たれたミサイルがブラック・サンブーカを粉微塵に吹き飛ばしたのが脳裏に焼き付いている。

夢のような戦いだった。

数あるエースランカー達の、華々しくも残酷な処刑場。未確認機の墓場。

…私は、そこで必要最低限の仕事を、相棒とこなした。

あとはギルデンロウ達がどう評価するかだ。





格納庫に戻っても、カーミラの怒りは
収まらなかった。
私が別の砲塔を買ったからだろう……


『ディヴェル様、そのポーズで。撮ります。
マスター、笑顔を崩すなください。3、2、1、』


私と相棒は、セーラー服というのを着させられて撮影させられた。
カーミラ曰く「いつか使う秘密兵器」の為と。

時々AIの考えることは分からない。





そして身体が怠かった。週刊誌を作る手が伸びず、
この1週間ほぼ寝込んでいた。

週刊誌は今週、時間通りには出回らない。
だから来週、2冊出すことになるだろう。


相棒がマーケットでエロ動画を買ったと喜んでいたはずだ。
……観に行くか。


ーーーーー出撃の鐘は鳴る。いつか。

生き残った者達へ。
これから往く者達へ。
私たちは歌おう、今日この日があることを。
私たちは祝おう、今日この身があることを。

全ての生きとし生けるもの達へ。
健やかに、でもなく。末永く、でもなく。
ただただ只管満足な生と、満足な死が迎えられるように。

乾杯。