ENo.0257　アグリオ・ブリッツ

『……まぁ、そんな訳で勢いに任せて『雇用』しちゃった訳だけど。 どうしましょうね、アンタの事……』
「えっ、何が」
『馬鹿、一応アンタの事はクロードに『頼まれて預かってた』のよ？ 友人の孫の『保護者代理』を頼まれたのに、これじゃダメでしょ……』

「……じいちゃん達、その辺の事に関しては割と緩いイメージがあるんだけど」
『アタシの心の問題よ！ あんたが良かったとしても、これは明らかに頼まれた事から逸脱してるわ……』
「……えっと、ごめんなさい……？」
『本当によ。 今から報告すると思うと気が重いわ……』

「……一応、僕の雇用自体は『この戦いが終わった後』から始まるんだよね？」
『？ グリオがそう言ったんだから、そうする事にしたんでしょ？ 何、変えるの？』
「ううん。 その頃には二十歳になってるから、僕の身の振り方は僕が決めた、それだけだよ」

『……それでおじい様はともかく、両親や兄弟が納得するとでも？』
「うっ、それを言われると地味に辛い……」

正式名称は『フラーレス(F) ワールド(W) アドベンチャラー(A)』である。
『フラーレス世界旅団』と言う別称もあるが、特にどっちで呼べと言う事はない模様。

とある世界にて、世界間の移動を自由に行う方法を確立させた人物が、
己の探求心・知識欲を満たす為に作りだした個人的秘密組織。

組織加入者は、設立者の部下として様々な世界の調査を命じられる……と言うと堅苦しいが、
特に調査の期日等は存在せず、自由に旅して良い位の緩さである。

定期的、不定期に関わらず専用の端末でデータ送信をすればある程度の収入が約束され、
活動拠点としてどんな世界からでもアクセス可能な部屋を支給される。 ホワイトだね！

余談ではあるが、
『組織名？ 万が一所属を聞かれた時名乗るのに必要だから作っただけで、通称は略称で文字数少ない方にしただけよ』
とは設立者の弁。

今回の戦場では面白そうな事になる気配がした為、組織加入者でなくても可能な限りのバックアップを約束している。